スタッフブログ

2014年1月28日 火曜日

低用量ピル投与患者における血栓症について

本年1月17日に厚生労働省から月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」投与患者での血栓症に関する注意喚起について発表がありました。(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000034892.html

またこれを受けて各種メディアで取り上げられたので、ご存知の方も多いと思います。

この薬は、年間約18万人以上の方が使用しているようです。ところが、昨年6月から本年1月の間に、本剤との因果関係が否定できない血栓症による3例の国内死亡例が報告されました。

低用量ピル服用女性の静脈血栓発症のリスクは?

海外の疫学調査によると、年間10,000人あたり3〜9人

   一方、低用量ピルを服用していない女性は1〜5人です。

(ちなみに、妊娠中および分娩後12週間の静脈血栓症の発症頻度は、それぞれ年間10,000 人あたり5〜20 人および40〜65人と報告されており、妊娠中や分娩後に比較すると低用量ピルの頻度はかなり低いことがわかっています。)

また、カナダ産婦人科学会によると、低用量ピル使用中の死亡率は10万人あたり1人以下と報告されています。

薬の副作用と考えられる被害を受けた方々には深く心よりお見舞いを申し上げます。


昨年12月27日に日本産婦人科学会における見解が発表がされています。

「低用量ピルおよびその類似薬剤の有益性は大きく、女性のQOL向上に極めて効果的であります。しかし、一方で静脈血栓症という有害事象もあります。低用量ピル内服中の静脈血栓症の発症頻度は低いものの、一旦発症すると重篤化するケースもありますので、服用中に上記の症候がみられた場合は、ただちに服用を中止し、処方元の医療機関を受診してください。早期の診断、治療により重症化を防ぐことができます。」

低用量ピルは不要か?

低用量ピルにより、ひどい月経困難症に対して効果的であり、生活が向上する人が多数いると思われます。
また、望まない妊娠を避けることができます。


今回の例において、特に2例では、早い段階で血栓症を疑い対処していれば、もう少し違う経過になった可能性があるのではないかと思いました。


当院では定期的に血液検査を行っています。
しかしながら、まずは自覚症状に注意してください。

血栓の症状は以下の通りです。
 1.下肢:ふくらはぎの痛み、むくみ(左右差が急にでた)
 2.四肢:手足のしびれ
 3.胸部:息苦しさ、持続する胸の痛み
 4.頭部:めまい、激しい頭痛、視界の一部が見えにくい、舌のもつれ など

 これらの症状が出る場合には、すぐに連絡を頂き、服用を中止して、すぐに受診して下さい。


副院長 今野 秀洋

投稿者 佐野産婦人科医院

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