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妊娠中の魚介類摂取について

魚介類は、低脂肪、高蛋白でありまたたくさんの栄養を含む、非常に素晴らしい食物です。 また、DHAなどのomega-3脂肪酸を多く含みます。これは早期の脳の発達に関わっていると言われており、これは体内では作ることができません。 DHAが一番多く取り込まれる時期は、妊娠後期から2歳時です。 この時期に魚介類を摂取することは、胎児にとってもよいことではないかと考えられます。魚介類摂取と子供の精神発達について いくつかの報告があります。 ①2007 Lancetによると、UKで11875人の妊婦を対象とし、その生まれた6ヶ月~8歳の子供について調査を行っております。 340g/週以上の魚介類を摂取していたお母さんから生まれた子の方が、IQが高く、向社会的行動をよりとることができ、運動能力も高い傾向があったとのことでした。 ②2008 J Child Psychol PsychiatryのUKの研究では、217人の9歳児が対象となっております。妊娠中にoily fishを摂取していた妊婦さんから生まれた子供の方が、活動性が高く、高いIQの傾向があったようです。 ③2008 Environ Health PerspectのNew Yorkのコホートでは、妊婦の魚の消費と3歳時の精神運動発達や4歳時のIQが関連があると報告されています。妊娠中の魚介類摂取は問題ないの? 食物連鎖で、魚介類にはメチル水銀の蓄積の問題があります。 その極端の例は水俣病です。 しかしながら、世界各国で調査をしており、食べ過ぎなければあまり胎児への影響はなさそうです。 厚生労働省からの報告や案内があります。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/051102-2.htmlhttp://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/050812-1-05.pdfhttp://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf(パンフレット) 報告によると、マグロの刺身は一週間に一回程度であれば大丈夫のようです。 これは一般的な家庭であれば、通常量ではないでしょうか。 また、食物連鎖で下位の小さな魚は制限はなし、ツナ缶も制限ない(原材料がカツオやあまり大型のマグロではないからのようです。)ようです。 それでも心配であれば、サプリメントで摂取するという方法もあると思います。 2003 Pediatricsによると、cod liver oil(タラの肝油 10ml, DHA 800mg含んでいます)を妊娠18週から分娩後3ヶ月まで摂取した群とプラセボ群を比較したところ、前者の方が4歳時の精神発達がよい傾向を示したようです。 さらに、早産が減る可能性を示した別の研究もあります。(Am J Clin Nutr 2013) 350人を対象とし、一日600mgのDHAの補充をした群とプラセボ群と比較したところ、DHAを補充した群の方が34週未満の早産を減らし、出生体重を増加させるとの報告がありました。 幸いなところDHAのサプリメントは特に母親や胎児への有害事象もないようです。 もちろん、魚介類やサプリメントを取れば必ず子供の頭がよくなるといった話ではないですが、日本という海に囲まれた島国で暮らしているのですから、非常に興味のある話でないかと思います。 また、授乳からも乳児に移行しますので、産後の方も時々魚介類を摂取をしてもよいのではないかと思います。 副院長 今野 秀洋

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