スタッフブログ

2014年5月14日 水曜日

外陰部にできたイボみたいなものー尖圭コンジローマについてー

外陰部にできたイボに気づいて、来院する方がいらっしゃいます。
いくつかの疾患が考えられますが、そのうちの一つである、尖圭コンジローマについてお話しをします。

尖圭コンジローマとは
性器へのヒトパピローマウィルス(HPV)感染症で、大部分が性行為により感染します。
(HPVにはいくつかの型がありますが、尖圭コンジローマを発症するのはHPV6あるいは11型です。以前子宮がん検診についてお話(http://www.sanolc.com/blog/blog/2013/10/)しましたが、異なるHPVの型に感染すると、子宮頸癌が発症することがあります。)



図で示す位置に、数ミリ程度から時に1cm以上、乳頭状に増殖する淡紅色から褐色の病変です。
また、子宮頚部に発症することもあります。

実際の画像は、こちらを参照してみて下さい。(http://dermis.multimedica.de/dermisroot/en/14295/diagnose.htm

潜伏期間は?
1971年の研究によると、97人の男女が尖圭コンジローマをもったパートナーと性行為を行ったところ62人(64%)に尖圭コンジローマが発症したとのことです。
その発症までの期間が3週間から8ヶ月で、平均2.8ヶ月であったようようです。


頻度は?
厚生労働省の定点観測のデータによると、女性では20代に感染が多くみられます。
残念ながらここ10年以上発生頻度は減少しておりません。




治療方法は?
①イミキモド5%クリーム(ベセルナクリーム5%)
2007年より本邦でも使用可能となっています。週3回患部に就寝前に塗布し、翌朝洗い流します。
侵襲も少なく、瘢痕などの副作用も少ないのが利点です。

②凍結療法
液体窒素を用いて患部を凍結させます。

③電気焼灼
局所麻酔下に電気メスを用いて焼灼します。

④外科的切除

より大きな病変に対しての治療は、③や④となると思われます。

その他、ポドフィリンや5FUやインターフェロンなどを用いた治療もありますが、現時点において日本では認可されていません。

当院では、①③④の方法を用いて治療しております。

治療の問題点
治療の時点で、見えているすべての病変を除去しても、実は既に別の場所に感染している可能性があり、しばらく注意が必要です。
調査では外科的切除や電気焼灼施行例では18.3%、凍結療法では13.8%で再度発症を認めたようです。それまでの期間は平均3ヶ月なので、治療後少なくとも数ヶ月は経過観察が必要と思われます。


発症すると、長期治療を要することになります。
根治しないままに性行為を行うと、パートナーに感染させてしまいかねません
おかしいなと思ったら、早く受診し、しっかりと治療することををお勧めします。

副院長 今野 秀洋


参考文献

1. 日本性感染症学会誌 第22巻 第1号 性感染症 診断・治療ガイドライン 2011
2. 性感染症 改訂2版 福岡大学教授 田中正利 編集
3. Oriel JD:Natural history of genital warts. Brit. J. Vener. Dis.,47:1-13 1971


投稿者 佐野産婦人科医院

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