スタッフブログ

2018.11.25更新

成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia:ATL)とは、ヒトT細胞白血病ウィルス1型(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)によって発生する予後不良な白血病です。

 

40歳以上の成人に発症し、発症平均年齢は67歳です。

 

我が国では九州・沖縄地方を含む南西日本に特に多く見られましたが、最近の調査では全国に広がっているようです。

 

残念ながら日本は先進国の中で唯一、HTLV-1の浸淫国です。
ちなみに日本以外では、カリブ海沿岸諸国、南米、中央アフリカ、アフリカ西海岸などです。

 

 

HTLV-1は、HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1 associated myelopathy: HAM)およびHTLV-1ぶどう膜炎(HTLV-1 uveitis: HU)などの疾患も引き起こします。

 

 


①成人T細胞白血病(ATL)
HTLV-1キャリアの方の生涯発症率は約5%です。
 ATLは、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型とタイプがありますが、生存期間中央値がそれぞれ、8.3ヶ月、10.6ヶ月、31.5ヶ月、55ヶ月といずれも予後不良です。

治療方法は、多剤併用化学療法を行います。また、年齢や全身状態により同種造血幹細胞移植を行います。

 

 

②HTLV-1関連脊髄症(HAM)
発症年齢は30〜50歳、平均40歳です。
HTLV-1キャリアの方の生涯発症率は約0.3%です。
進行性の両下肢麻痺、排尿排便障害を生じます。
抗炎症作用や免疫制御による様々な治療法が試みられています。
副腎皮質ステロイドが効果があると言われていますが、長期使用による感染症の誘発、糖尿病の悪化、骨粗鬆症による骨折など副作用が問題となるようです。

 

 

③HTLV-1ぶどう膜炎(HU)
多くは成人発症で、飛蚊症や霧視や眼の充血あるいは視力低下が生じます。
軽度の場合は自然治癒することもありますが、中等度以上の炎症の場合は副腎皮質ステロイドの点眼と内服治療を行います。

 

 


HTLV-1はどのように感染するのですか?

HTLV-1は感染力が弱いウィルスです。
乾燥、熱、洗剤で簡単に死にます。
一般的な日常生活でうつることはありません。
もちろん咳やくしゃみからうつることもありません。

しかし、主に以下の経路で感染すると考えられています。

 

 

①母乳によるの感染
主に母子感染、特に母乳からの感染と考えられています。これが一番多いです。

 母乳哺育1

 

 

母乳哺育2


長期間の母乳栄養により感染の可能性が上昇します。

 

(HTLV-1キャリアかどうか妊娠中にどの施設でもスクリーニング検査を行っています。)

 

 

②性行為による感染
多くは男性から女性に起こり、全キャリアの20%と言われています。

ちなみに1992年のペルーの報告によると、地域差はありますが性的な仕事に従事している方を調査した研究では、HTLV-1の感染率は3.2〜21.8%だったようです。

 

 


③輸血による感染
現在、日本では献血時にチェックが行われているのであまり心配はないと思います。

 

 

HTLV-1陽性の妊婦さんから赤ちゃんへの感染予防の対応は?

HTLV-1の母子感染の経路は、ほとんどが母乳からの感染です。
そのため母乳栄養の遮断が母子感染予防法です。

 

 

母乳感染を減らす方法として
①完全遮断、②短期母乳栄養、③凍結母乳栄養  があります。

 

原則として①が推奨されます。
しかしながら、完全母乳遮断でも感染例があり、母乳以外の感染経路も存在すると考えられています。
また、HTLV-1キャリアの方のATLの生涯発症率は約5%であり、HAMも3万人に1人と非常に少ないので、母乳を止めることのデメリットも考慮するという考えもあります。

 

母乳哺育3

 


分娩後の赤ちゃんの検査はいつですか?

今までの研究から、生後2歳時に検査をすればHTLV-1に感染しているかどうかわかるようになっています。

 

 

 

 

まとめると
HTLV-1は主に母乳から母子感染するウィルスであり、将来白血病になる可能性があります。
母乳哺育のメリットもありますが、感染予防を重視すると、母乳をやめることが現時点では一番推奨される方法だと思います。

 

繰り返しますが

HTLV-1は感染力が弱いウィルスです。
一般的な日常生活でうつることはありません。

 


このような情報があります。

HTLV-1情報サービス
http://htlv1joho.org/index.html

HTLV-1キャリアのみなさまへ、というパンフレットもあります。
http://htlv1joho.org/medical/medical_material.html


皆さんがHTLV-1に関する正しい知識を持つことを願っております。

院長 今野 秀洋

 

 


(参考文献)
1.伊藤 孝一:【産婦人科医が身につけたい新生児の診察法】 母児感染:周産期医学:48:8:991-994:2018
2.斎藤滋:【感染症に強くなる】 HTLV-1母子感染予防対策の変更点:産科と婦人科:85:8:928-932:2018
3.中西 美佐緒:【エキスパートに聞く 合併症妊娠のすべて-妊娠前からのトータルケア】 HIV、HTLV-1感染:産科と婦人科:85:5:557-561:2018
4.木内 英:【母子感染の検査診断】 母子感染で問題となるウイルス感染症 レトロウイルス感染症:臨床検査:61:11:1385-1392:2017
5.石塚 賢治:【HTLV-1関連疾患の診断と治療の進歩】 成人T細胞白血病の診断:日本内科学会誌:106:7:1397-1403:2017
6.斎藤滋:HTLV-1の母子感染予防:日本内か学会誌:106:1391-1396:2017
7.板橋家頭夫:HTLV-1母子感染:小児内科:49:11:1681-1685:2017
8.時田 章史ら:HTLV-1母子感染対策の現状;日本小医会報:53:94-96:2017
9.時田 章史:HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウィルス1型)感染症とその現状:チャイルドヘルス:20:7:520-522:2017
10.鎌田 勇平ら:HTLV-1と成人T細胞白血病・リンパ腫:臨床と研究:95:2:159-164:2018
11.日本産婦人科学会:産科診療ガイドライン 産科編2017
12.Hirata M, et al.:The effects of breastfeeding and presence of antibody to p40tax protein of human T cell lymphotropic virus type-I on mother to child transmission.: Int J Epidemiol:21:5:989-94:1992
13.Toji Y, et al:Prevention of mother-to-child transmission of human T-lymphotropic virus type-I: Pediatrics:86:1:11-71:1990
14.Ando Y ,et al.:Long-term follow-up study of HTLV-I infection in bottle-fed children born to seropositive mothers: J Infect:46:1:9-11:2003
15.Wingnall FS,et al:Sexual transmission of human T-lymphotropic virus type I in Peruvian prostitutes:J Med Virol:38:1:44-8:1992
16.Okochi K, et al.:A retrospective study on transmission of adult T cell leukemia virus by blood transfusion: seroconversion in recipients: Vox Sang:46:5:245-53:1984
17.HTLV-1母子感染予防対策マニュアル:厚生労働省研究費補助金・特別研究事業「HTLV-1の母子感染予防に関する研究」https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken16/dl/06.pdf

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.10.25更新

国立がん研究センターの統計から2018年のがん罹患数予測がでております。

 

2018年の全がん罹患予測総数は101万3600人です。
そのうち乳がんの方は86500人、卵巣がん10600人、子宮がん27500人です。

 

そして、がんで死亡する予測総数は37万9900人です。
そのうち乳がんでお亡くなりになる方は14800人、卵巣がん4800人、子宮がん6700人です。

 

 

乳がんの5〜10%は遺伝性と言われています。
乳がん患者の10〜20%は第1度から第3度近親者に乳がん患者を有する、家族性乳がんであるとも報告されています。

HBOCfig1


第一度近親者とは、父母、兄弟(姉妹)、こども(遺伝情報を 50%共有する関係)
第二度近親者とは、祖父母、おじ、おば、おい、めい、孫(遺伝情報を 25%共有する関係)
第三度近親者とは、曾祖父母、大おじ、大おば、いとこなど(遺伝情報を 12.5%共有する関係)

 

 

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(Hereditary breast and ovary cancer syndrome:HBOC)とは?

最も代表的な遺伝性乳がんです。
2013年の当時37歳のアンジェリーナ・ジョリーさんが、未発症時に両側乳房切除術を受け、2015年の卵管卵巣切除を施行されてたことが報じられてご存じの方も多いのではないかと思います。

BRCA1とBRCA2という遺伝子の変異が原因とされます。
BRCA遺伝子は、誰もが持っている遺伝子の1つで、DNAの傷を修復して、細胞ががん化することを抑える働きがあります。つまり、抑制が効きにくくなり癌化しやすいということです。

 

 

 

HBOCの特徴は?

 

①乳がんと卵巣がんの両方を発症する
②若年で発症する(がん研有明病院2014年データによると、乳がん発症平均年齢41.5歳vs卵巣がん発症平均年齢49.3歳)
③70歳までの累積発症リスクが高い

 

HBOCfig2

 


④トリプルネガティブである。
乳がん腫瘍細胞にエストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2の3つが発現していないため、乳癌治療に対して有効性の高いホルモン療法や、抗HER2療法の効果が期待できない。

⑤両側性に同時性、異時性に乳がんを発症する
⑥膵臓がんの発症もある

⑦男性でも乳がんをや前立腺がんを発症する
そのため男性だから大丈夫とは全く言えません。

 


その他に遺伝性乳がんとして、Li-Fraumeni症候群(乳がん、肉腫、脳腫瘍、白血病)Cowden症候群(乳がん、甲状腺がん、子宮体がん)、遺伝性びまん性胃がん症候群(胃がん、乳がん)、Peutz-Jeghers症候群(乳がん、消化器がん)などがあります。

 

 


家族に乳がん患者がいた場合どうすればよいのか?

遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き(2017年版)によると、アメリカのNCCNのガイドラインを参照しており、これによると遺伝的にがんリスクが高いと考えられる人々への対策は、①遺伝カウンセリングと②積極的な検診のようです。

 

HBOCfig3

 

欧米のガイドラインなので、そのまま日本に当てはめることは難しい点もありますが、遺伝的リスクがあると考えられる方は、自己検診を含めた定期的なこまめな検診が重要であると思います。


卵巣がん検診は、きちんとしたエビデンスがないとは言われていますが、一つの方法として
癌研有明病院からの報告では3ヶ月ごとの経腟超音波検査および腫瘍マーカー採血を提案をしています。


最後に
今までは、発症した乳がんや卵巣がんに対して治療を行ってきたのが現状です。
これからは今までの経験の元、サーベランスやリスク低減手術の実施などにより、もっと沢山の患者さんを救うことが出来るのではないかと考えられています。

私は、もっと沢山の方に検診を受けて欲しいと強く願っております。

(猶、当院では子宮がんを含めた婦人科検診のみとさせていただいております。乳がん検診は乳がんの専門医師による診察をお勧めします。)


院長 今野 秀洋

 

 

 

(参考文献)
1. 田辺 記子ら:【先制医療-予防医療の最前線-】 非内科疾患の先制医療 遺伝性腫瘍における乳がんへの先制医療 遺伝性乳がん卵巣がん症候群を中心に:診断と治療:106:1:98-105:2018
2. 野村 秀高ら:【ガイドラインのすき間を埋める!臨床医マエストロの技】 婦人科領域 HBOCを疑う卵巣がん症例への対応は?:産婦人科の実際:66:11:1497-1506:2017
3. 新井 正美:産婦人科臨床遺伝の最前線 腫瘍分野の臨床遺伝 HBOCとリンチ症候群:日本産科婦人科学会雑誌:69:10:1943-1949:2017
4. 越智 友洋:遺伝性乳がん:成人病と生活習慣病:47 : 7 :855-860:2017
5. 野村 秀高ら:当科におけるHBOC診療の実際:癌と化学療法:44:2:116-120:2017
6. 関根正幸:遺伝性乳がん卵巣がん(Hereditary Breast and Ovarian Cancer: HBOC):新潟医学会雑誌:130:3:2016
7. 遠山竜也 :第160回 名古屋市立大学医学会例会 特別講演 遺伝性乳がんについて:Nagoya Med. J:5:121―128:2017

8. Antoniou A et al. : Average Risks of Breast and Ovarian Cancer Associated with BRCA1 or BRCA2 Mutations Detected in Case Series Unselected for Family History: A Combined Analysis of 22 Studies:Am J Hum Genet.:72:117-1130:2003

9. McLaughlin JR et, al:Reproductive risk factors for ovarian cancer in carriers of BRCA1 or BRCA2 mutations: a case-control study.:Lancet:8:1:26-34:2007
10. 松山純子ら:183 個の同時多発性病変を認めた若年者胃癌症例 :日本消化器外科学会雑誌:50:5:357-363 :2017
11.特定非営利活動法人日本 HBOC コンソーシアム 広報委員会 編集 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)を ご理解いただくために(ver.3) (http://hboc.jp/downloads/pamphlet_ver3.pdf)
12.遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療の手引き 2017年版 金原出版社

 

 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.09.27更新

すべての妊婦さんに対して、日本、米国におけるガイドラインでは、インフルエンザワクチン接種を推奨しております。

 

診療時間内は、いつでも接種が可能です。

 

接種回数1回 3500円

 

当院では、妊婦さんがより安心して頂けるように防腐剤の入っていないワクチンを準備しております。 

 

妊婦さんのインフルエンザワクチンについて以前書いたブログです。
http://www.sanolc.com/blog/2017/09/102-521387.html

 

 

是非、おなかの中の赤ちゃんの為にも予防しましょう。

 

院長 今野秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.09.13更新

【AERA with Baby スペシャル保存版】母子ふたりきりって大変!のご案内します。


2018年9月10日に発売となった、AERA with Baby スペシャル保存版に、私と葉子先生が協力をさせていただきました。

https://www.amazon.co.jp/%E3%80%90AERA-with-Baby-%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E4%BF%9D%E5%AD%98%E7%89%88%E3%80%91%E6%AF%8D%E5%AD%90%E3%81%B5%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%81%8D%E3%82%8A%E3%82%92%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%99%E3%82%8B-AERA%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF/dp/4022792035/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1536820056&sr=8-1&keywords=Aera+with+baby

 

 AERA表紙

 

 aera内容

 

  


内容は「産後の栄養不足」についてです。
少し「産後うつ」についてもお話させていただきました。


是非、ごらんになってください。


院長 今野 秀洋

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.09.07更新

ジネコという女性の為の健康生活ガイドのコラムに協力させていただきました。

jineko

https://www.jineko.net/magazines/%E5%A6%8A%E5%A8%A0%E3%83%BB%E5%87%BA%E7%94%A3%E3%81%AE%E5%BA%83%E5%A0%B4/%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96/3053

 

テーマは「期待と不安がいっぱいの妊娠初期。注意すること、気にしなくてよいことは?」です。

 

是非、ごらんになってください。

院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.09.06更新

 

幼少期の喘息のリスクファクターとして受動喫煙、アレルギー原因物質の暴露などが、報告されています。

今回、国立成育医療研究センターの小川浩平先生の調べたところ、妊娠初期に野菜をしっかりと摂取したお母さんから生まれた子の方が、2歳時の喘息症状が減るということがわかりました。

国立成育医療研究センターでは2010年から2013年の期間、妊娠女性を登録し女性とその児を継続的に追跡調査しております。
このデータベースより、対象となった511人を総野菜の摂取量の多い〜少ないで5群に分け、それぞれの群における喘息症状の発症率を比較しました。
また総野菜だけではなく、葉野菜、アブラナ科野菜、緑黄色野菜などのグループ別で対象者を5群に分け、追加で検討しました。

 

 

(今回の研究でわかったこと)

①妊娠初期の総野菜摂取量が多いほど、2歳の児の喘息症状発症率は低くなっていました。

 

最も総野菜を摂取している集団は最も総野菜を摂取していない集団と比較して喘息症状発症のオッズ比が0.59(0.34-1.03)でした。

 

 

②同様に妊娠初期の葉野菜(ほうれん草、ネギ、ニラ、小松菜、春菊など)の摂取量が多いほど2歳の児の喘息症状発症率は低くなっていました。


最も葉野菜を摂取している集団は最も摂取していない集団と比較して喘息症状発症のオッズ比が0.47(0.25-0.87)でした。

小松菜

 

③また、同様に妊娠初期のアブラナ科野菜(キャベツ、大根、白菜、小松菜、ブロッコリーなど)
の摂取量が多いほど2歳の児の喘息症状発症率は低くなっていました。

 

最もアブラナ科野菜を摂取している集団は最も摂取していない集団と比較して喘息症状発症のオッズ比が0.48(0.26-0.89)でした。

キャベツ

しかしながら、今回の研究で、妊娠初期に葉酸を多く摂取したからといって(葉酸は葉野菜に多く含まれます)、喘息症状発症が少なくなるようではないということもわかりました。

また今回の研究では、妊娠中期の野菜摂取と喘息の関係も調べていますが、関係はみられませんでした。(妊娠中期に野菜を摂取する必要はないという意味ではありません。)

 

(まとめると)
妊娠初期に、野菜(特に葉野菜やアブラナ科野菜)を摂取した方が、子供が喘息になりにくい可能性があります。
妊娠初期に呼吸器官が形成されるので、この時期に野菜に含まれる何らかの栄養素が関わっている可能性があります。
もちろん、小児喘息の発症原因は他にもいくつかの要素も考えられるので、野菜を沢山摂取したら、すべて予防できるというわけでもありません。

 

しかしながら、妊婦さんが食べるものが、おなかの中の赤ちゃんに影響する可能性はありますので、お母さんは食べることに少し気をつけるようにするとよいのではないでしょうか。

(参考文献)
Ogawa K et al.; Maternal vegetable intake in early pregnancy and wheeze in offspring at the age of 2 years. ; Eur J Clin Nutr ;72(5):761-771; 2018

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.08.28更新

閉経後のデリケートゾーンのトラブルを訴える方が時々います。

閉経するとエストロゲンホルモンレベルが低下して、腟や外陰部の粘膜の代謝や再生が緩慢になり、腟壁全体が萎縮傾向になります。(このような状況をかつては萎縮性腟炎と呼んでいました。)

 

これにより腟の違和感や疼痛や不正性器出血を来します。 このエストロゲンの低下により、同様に外陰部の違和感・疼痛や尿道付近の不具合が生じます。

 

これら全ての不具合を閉経後性器尿路症候群(Genitourinary syndrome of menopause(GSM))と言います。

 

GSMはエストロゲンホルモンレベルの低下によるものなので、閉経後の方に限らず、閉経前の40代の方においても自覚することはあり得ます。

また、閉経したばかりの時は軽微であっても、時間の経過とともに病態が進んでいきます。

残念ながらいずれよくなるというものではありません。

 

 

どういう症状がありますか?

①局所症状 外陰・腟部の乾燥感、灼熱感、痒み、おりものが増える、不正性器出血

②下部尿路部症状 排尿時痛、頻尿、残尿感、尿意切迫感   

③性生活に関連する症状 腟の潤いの減少により、性生活による違和感、疼痛、出血

 

閉経後の方で以上の症状があれば、GSMを考えますが、以下の病気の可能性もありますので注意が必要です。

① 子宮がん ② 尿路感染症(いわゆる膀胱炎) ③ 子宮脱などの骨盤臓器脱  など

 

 

GSMの治療方法はありますか?

① 保湿剤や潤滑剤

性生活の疼痛緩和や腟乾燥感に対して局所に塗布するジェルがあります。

 

② 局所エストロゲン製剤

エストロゲン腟剤の使用により、腟の症状緩和が期待されます。 また、エストロゲンの腟投与で、腟だけでなく下部尿路部症状にも効果が認められます。

 

③ CO2レーザー

腟へのCO2レーザー照射により、腟壁の修復が起こり、腟乾燥感や違和感や痛み、性生活の不具合を軽減するという報告があります。 (当院ではこの治療はできません。)

 

最後に

最近の女性はとても元気です。しかしながら年齢による体の変化が出る方もあり、GSMもその一つです。デリケートゾーンの不具合で悩んで、日常生活を不便に感じているのであれば、一度婦人科にご相談していただけたらと思います。

 

 

元気な中年

 

 

院長  今野 秀洋

 

 

参考文献)

1. Nappi RE et al. ; Women's voices in the menopause: results from an international survey on vaginal atrophy. : Maturitas : 67(3):233-82

2. Suckling J et al. ; ocal oestrogen for vaginal atrophy in postmenopausal women. : Cochrane Database Syst Rev : 18(4): 2006

3. Palacios S ; Managing urogenital atrophy. : Maturitas : 20:63(4):315-8:2009

4. Santen RJ et al. ; Postmenopausal hormone therapy: an Endocrine Society scientific statement. : J Clin Endocrinol Metab : 95(7Suppl 1):s1-s66:2010

5. Mitchell CM et al. ; Efficacy of Vaginal Estradiol or Vaginal Moisturizer vs Placebo for Treating Postmenopausal Vulvovaginal Symptoms: A Randomized Clinical Trial. : JAMA Intern Med : 1:178(5):681-690:2018

6. 中田 真木ら;骨盤臓器脱の診療における閉経後性器尿路症候群: 日本女性骨盤底医学会誌;14(1):107-111:2017

7. 中田 真木;閉経後のフェミニンゾーンの不具合について genitourinary syndrome of menopauseとは: 更年期と加齢のヘルスケア:16(1):130-135:2017

8. 産婦人科 診療ガイドライン 婦人科外来編 2017 日本産婦人科学会

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.08.25更新

9月の診療変更のお知らせです。

1日(土) 女性医師(佐野葉子医師)

7日(金) 午後のみ佐野葉子医師お休みです。女性医師不在となります。

8日(土) 女性医師(坂本愛子医師、佐野葉子医師)、吉田幸洋医師→舟木哲医師
13日(木) 佐野葉子医師お休みのため、女性医師不在となります。
15日(土) 女性医師(手島薫医師、佐野葉子医師)
22日(土) 女性医師(坂本愛子医師、佐野葉子医師)
29日(土) 女性医師(手島薫医師、佐野葉子医師)

 

ご迷惑おかけしますが、ご理解の程よろしくお願いします。

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.08.15更新

風疹の患者が首都圏を中心に増えています。

NHK首都圏 NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180815/0016901.html

千葉県内の患者は今月5日の時点で全国で最も多くなっていて、その後の1週間で新たに15人の患者が報告されているとのこと。

今回、葉子先生がこの件に関してNHKの取材をお受けしました。

 

葉子先生 

 

 妊娠中の方で風疹抗体が陰性の方は、注意が必要です。

風疹抗体が陰性の方が妊娠初期に風疹に感染すると、高確率で胎児感染を引き起こします。
その場合は、先天性風疹症候群となり、様々な障害を抱えることが起こります。

また、先天性風疹症候群の新生児は、出生後にウィルス排出が持続するため、他の新生児や抗体を持たない成人に感染する可能性もあります。


妊娠20週以降の方では、先天性風疹症候群はまれではあります。しかし風疹感染が、早産などの誘因になるケースもあります。


千葉県内では患者の8割が男性で、予防接種を受けていない人が多い40代が最も多いということです。
夫が感染し、そして妊婦さんに感染することがおこるかもしれません。

妊娠を考えている方や家族が妊娠中の方は、風疹に関する認識がとても大切だと思います。

院長 今野 秀洋

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.07.27更新

8月の診療変更のお知らせです。

4日(土) 女性医師(佐野葉子医師)
18日(土) 女性医師(佐野葉子医師)
25日(土) 吉田幸洋医師→佐野葉子医師、女性医師(坂本愛子医師)
28日(火) 佐藤佐和子医師お休みのため、女性医師不在となります。

 

ご迷惑おかけしますが、ご理解の程よろしくお願いします。

投稿者: 佐野産婦人科医院

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