今回は、子宮がん検診についてお話します。
子宮がんは、入り口部分にできる子宮頸がんと体部分の内側にできる子宮体がんの二つあります。
一般的に子宮がん検診は、子宮頸がんの検診を指します。
日本では年間約9000人が子宮頸がんにかかり、約2700人が死亡します。
ここ最近の傾向として、20~40代の発症が増加(特に20~30代の増加)が、外国と比べて多いのが問題となっております。
子宮頸がんの5年相対生存率が72.2%ですが、
(1) 子宮頸部のみに限局 5年相対生存率が93.1%
(2) 隣接した臓器へ浸潤 5年相対生存率が54.3%
(3) 転移 5年相対生存率が8.9%
早期発見して早期治療をするといいが、進行すると極端に予後は悪くなります。
また年齢調整死亡率は2.7(人口10万対)であり、残念ながらこの成績は1985年から横ばいです。
つまり治療は色々と進歩している面もありますが、現時点ではまだ治る病気とは言えません。
対策としては二つが挙げられます。
① 予防
② 早期発見
① に関して、原因となるヒトパピローマウィルスに対するワクチンがあります。しかしながら、現在副反応の問題に対して調査中であり、「積極的な勧奨とならないように」と厚生労働省から勧告がでています。
やはり検診を受けるとよいと思います。
残念ながら日本では、検診率が低く、約25%です。諸外国と比べとても低いです。
また、特に20~40代の受診率が低いことが問題です。
他臓器のがんと比べて、平均39歳と発症年齢が低い子宮頸がんでは、50歳以上の方はもちろんのこと、20~40代の方の受診を強くお勧めします。
また、浦安市及び市川市では、検診のご案内があります。
http://www.city.urayasu.chiba.jp/dd.aspx?menuid=2674(浦安市)
http://www.city.ichikawa.lg.jp/pub03/1111000100.html(市川市)
是非活用して下さい。
若くして、子宮を取らざるを得なかったり、長くつらい治療を受けたりしないように、是非とも受診して下さい。
副院長 今野 秀洋
2013.10.22更新
子宮がん検診について
投稿者:
2013.10.20更新
出生前診断を考えている方にお勧めしたい本があります。
こども病院で勤務している、尊敬する大先輩に勧められた本です。
検査を受けることは「子供を選ぶ」ことを選択すること、検査を知った上で、受けないことは「子供を選ばないこと」を選ぶこと。
産むことの苦しみ、産まないことの苦しみ。
親になる喜び。
是非とも、一度読んで頂けたらと思います。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
2013.10.17更新
風疹予防接種について
昨年から風疹が流行しております。
平成24年の報告によると、風疹の感染者のうち、70%が男性、20~40代が8割でした。
今回の大流行の原因と特に男性に多かった理由は、
① 以前は女子のみが予防接種をしていたことと、
② 風疹ワクチンによる副反応が問題となったため接種を控えていた時期があったこと
ではないかと考えられています。
問題となった副反応とは、無菌性髄膜炎です。
厚生労働省の報告によると、1200人に1人の頻度で発生したとのことでした。
(ちなみに諸外国の報告では、数万人に1人以下だったようです。)
無菌性髄膜炎では、接種後20日頃に発熱、嘔吐し、1~2週間の入院を要しますが、症状は数日で回復し、後遺症はないようです。
ワクチン接種による副反応の被害を受けた方には心よりお見舞いを申し上げます。
一方米国では、風疹の予防接種を徹底したおかげで、感染を阻止することができています。
なんでも外国のまねをすればよいとは思いません。
確かに一部の人には、副反応の被害がでることがあります。
しかし、接種することによって、多くの人にはメリットがあります。
みんなで風疹にかからなければ、みんなの子供達を守ることになると思います。
今回の妊娠中の検査で風疹抗体陰性だった方は、産後に予防接種することをお勧めします。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
2013.10.15更新
妊娠中の風疹について
今回は、いわゆる三日ばしか、風疹についてお話したいと思います。
発疹、首のリンパ節の腫脹(しゅちょう)、三日続く38度以上の発熱を3つの主要な徴候とする急性ウイルス性疾患です。
昨年から今年に大流行しました。
ピーク時は852人/週の感染がみられましたが、最近は121人/週の感染と減少傾向がみられますが、まだまだ流行していると言えます。
妊娠中の方が、感染すると胎児に感染することがあります(先天性風疹症候群)。
胎児に起こりうる症状は
聴力障害 60%
心奇形 45%
白内障 25%
低出生体重児 23%
精神発達遅滞 13% など
この子の一生に大きな影響を与える可能性のある合併症がでることが問題です。
昨年は4人に、今年は14人の赤ちゃんに診断されました。
予防できる障害は予防してあげたいです。
そのためには、まずはお母さんが風疹ウィルスにかからないようにすることです。
まずは、妊娠を考えている人は、風疹に対する抗体がなければ、予防接種しましょう。
もし、妊娠が判明してから、抗体がないことがわかった場合は、近い人(特に旦那さん)がかからないように予防接種をしましょう。
現在のところ浦安市と市川市では、①妊娠を予定、または希望している女性もしくは②妊娠を予定、または希望している女性の夫または妊娠している方の夫に対して、
平成26年3月31日まで風疹予防接種の助成金がでています。
http://www.city.urayasu.chiba.jp/dd.aspx?itemid=33329(浦安市)
http://www.city.ichikawa.lg.jp/pub10/1111000068.html(市川市)
(助成額)
風疹単独ワクチンを接種した場合 3,000円
麻しん風しん混合ワクチン(MR)を接種した場合 5,000円
ちなみに市川市以外の医療機関で接種を受けた場合も助成するとのことなので、当院でも接種できます。
是非、活用して下さい。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
2013.10.10更新
妊娠中の貧血のお話。
今日は妊娠中の貧血についてお話させていただきます。
もともと女性で貧血の方は多いですが、妊娠中は胎児に鉄をとられるため鉄欠乏性貧血になりやすいです。
妊娠中の貧血は、胎児の成長に影響を与えたり、新生児貧血の原因にもなります。
またお母さん自体の産後の回復も悪くなりがちです。
妊娠中の必要な鉄の量は一日20mgです。しかし、通常の食事ではだいたい7~8mgしか摂取できません。
そこで、鉄分を多く含む食品を取るように心がけてください。
鉄分を多く含む食品:牛・豚・鳥のレバーや肉、鰹やマグロ、大豆、ひじき、ごま、ほうれんそうなど
特に肉や魚には吸収のよい鉄分が含まれており、お勧めします。レバーはダイオキシンやビタミンAの過剰の問題もあるようなので、あまり気にしすぎる必要はないと思いますが、一週間で一回程度にしていただけたらよいと思います。
鉄分の吸収をよくするには、ビタミンCやB12を一緒に取るとよいです。
また、市販の妊婦用の鉄分のサプリメントが各種ありますので、そういうもので摂取してもよいと思います。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
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