先月2日間に渡った、 ALSOという教育プログラムに参加しましたが、その合格修了証を頂きました。
以前にもお話したように、ALSOとは、医師や助産師だけではなく、その他の医療従事者が、出血や急変事態などの周産期救急に効果的に対処できる知識や能力を発展・維持するための教育コースです。
今回勉強になりましたことを当医院で生かしていきたいと考えています。
副院長 今野 秀洋
2014.02.27更新
Advanced Life Support in Obstetrics(ALSO)プロバイダーコースの合格修了証が届きました。
投稿者:
2014.02.27更新
妊娠中の魚介類摂取について
魚介類は、低脂肪、高蛋白でありまたたくさんの栄養を含む、非常に素晴らしい食物です。
また、DHAなどのomega-3脂肪酸を多く含みます。これは早期の脳の発達に関わっていると言われており、これは体内では作ることができません。
DHAが一番多く取り込まれる時期は、妊娠後期から2歳時です。
この時期に魚介類を摂取することは、胎児にとってもよいことではないかと考えられます。
魚介類摂取と子供の精神発達について
いくつかの報告があります。
①2007 Lancetによると、UKで11875人の妊婦を対象とし、その生まれた6ヶ月〜8歳の子供について調査を行っております。
340g/週以上の魚介類を摂取していたお母さんから生まれた子の方が、IQが高く、向社会的行動をよりとることができ、運動能力も高い傾向があったとのことでした。
②2008 J Child Psychol PsychiatryのUKの研究では、217人の9歳児が対象となっております。妊娠中にoily fishを摂取していた妊婦さんから生まれた子供の方が、活動性が高く、高いIQの傾向があったようです。
③2008 Environ Health PerspectのNew Yorkのコホートでは、妊婦の魚の消費と3歳時の精神運動発達や4歳時のIQが関連があると報告されています。
妊娠中の魚介類摂取は問題ないの?
食物連鎖で、魚介類にはメチル水銀の蓄積の問題があります。
その極端の例は水俣病です。
しかしながら、世界各国で調査をしており、食べ過ぎなければあまり胎児への影響はなさそうです。
厚生労働省からの報告や案内があります。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/051102-2.html
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/050812-1-05.pdf
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf(パンフレット)
報告によると、マグロの刺身は一週間に一回程度であれば大丈夫のようです。
これは一般的な家庭であれば、通常量ではないでしょうか。
また、食物連鎖で下位の小さな魚は制限はなし、ツナ缶も制限ない(原材料がカツオやあまり大型のマグロではないからのようです。)ようです。
それでも心配であれば、サプリメントで摂取するという方法もあると思います。
2003 Pediatricsによると、cod liver oil(タラの肝油 10ml, DHA 800mg含んでいます)を妊娠18週から分娩後3ヶ月まで摂取した群とプラセボ群を比較したところ、前者の方が4歳時の精神発達がよい傾向を示したようです。
さらに、早産が減る可能性を示した別の研究もあります。(Am J Clin Nutr 2013)
350人を対象とし、一日600mgのDHAの補充をした群とプラセボ群と比較したところ、DHAを補充した群の方が34週未満の早産を減らし、出生体重を増加させるとの報告がありました。
幸いなところDHAのサプリメントは特に母親や胎児への有害事象もないようです。
もちろん、魚介類やサプリメントを取れば必ず子供の頭がよくなるといった話ではないですが、日本という海に囲まれた島国で暮らしているのですから、非常に興味のある話でないかと思います。
また、授乳からも乳児に移行しますので、産後の方も時々魚介類を摂取をしてもよいのではないかと思います。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
2014.02.15更新
妊娠中の水ぼうそう(水痘)について
最近、通院している妊婦さんにお子さんの通っている保育園、幼稚園等で水痘が流行してると聞きました。
妊娠中の胎児への影響について質問がありました。
水痘は水痘帯状疱疹ウィルスの感染によっておこります。
毎年100万人の患者が発生していると言われていますが、そのほとんどは9歳以下です。
本邦では95%から98%の成人女性は水痘に対する抗体を有しています。
水痘もしくは帯状疱疹に一度かかったことのある人は再感染はしません。
(水痘感染後に、成人期(多くは50歳以上)に帯状疱疹として再燃することはあります。)
水痘の症状は?
2週間程度の潜伏期間を経て、かゆみを伴う全身性発疹が生じます。やがて発疹は水疱となり、最終的には痂皮化します。
ただし、妊娠中は重症化しやすく、特に妊娠末期に肺炎の合併が増えるようです。
胎児に感染しますか?
ガイドラインによると、
妊娠初期 0.55%
妊娠中期 1.4%
妊娠末期 0.0%
の先天性水痘症候群の発症の報告があったと記載されています。
また、妊娠20週から分娩21日前に水痘に感染すると、出生した児の 9%は水痘に感染することなく乳幼児期に帯状疱疹を発症します。
先天性水痘症候群の症状は?
妊娠中に帯状疱疹が再燃したときは?
帯状疱疹が再燃しても胎児への影響はないようです。
妊娠中に予防接種はできますか?
妊婦にはワクチン接種は勧めません。
日本では、妊婦が初感染する可能性は低く、また感染したとしても胎児に影響がでる可能性もまた低いようですが、
もしご心配、ご不明の点がございましたら外来でお聞き下さい。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
2014.02.07更新
子宮頸がんの市民講座開催について
開催されます。
http://www.jsog.or.jp/public/health_week/pdf/20140301_chiba.pdf
先ほど、その演者の一人の自治医科大学附属さいたま医療センター 今野 良教授の講演を拝聴してきました。
日本において、新しいデータでは、子宮頸がんで年間約3500人が死亡して、1万人が子宮を摘出しているとのことでした。
がんに罹患することに自体よる悲しみや苦痛だけでなく、子宮を摘出しなかったら将来の家族がもう一人や二人いたかもしれないという別の悲しみがあります。
「検診は絶対に受けた方がよい!!」と強く勧めていました。
(子宮がん検診についてのブログ
:http://www.sanolc.com/blog/blog/2013/10/)
今回はHPVワクチンの副反応についてもお話がありました。
HPVワクチンは約890万接種されました。
(合計3回接種しなくてはならないので、約300万人が接種したこととなります。)
まだ検討中ですが、
ワクチン接種後に広範な疼痛を訴えた人は、130例
そのうち話題なった複合性局所疼痛症候群(CRPS)は1例とのことでした。
この頻度は諸外国と同等のようです。
ワクチン接種による副反応の被害を受けた方には心よりお見舞いを申し上げます。
しかし、一方ではHPVワクチン接種すると約70%の人を予防出来るというメリットもあります。
自分や大事な家族のことですから、直接講演を聞く事をお勧めします。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
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