妊娠中に性器ヘルペスが発症した場合は?
初感染では約50%, 再発では0〜3%に新生児ヘルペスが発症すると言われています。
新生児ヘルペスの場合、抗ウィルス薬の投薬を行っても約30%が死亡し、生存しても重度の障害を残す可能性があります。
そこで、性器ヘルペスが発症した場合は妊婦への抗ウィルス薬の投薬を行い、罹病期間の短縮を行います。
抗ウィルス薬(アシクロビル)における胎児障害の報告はありません。
ちなみに母体感染の時期は
妊娠初期 30%
妊娠中期 30%
妊娠後期 40%
であり、どのタイミングでも起こりえます。
また、児への感染はほとんどが経産道感染であるので、分娩時期の児への感染を予防することが大事であります。
日本産婦人科学会のガイドラインに記載されていますが
①分娩時にヘルペス病変が外陰部にある
②初感染発症から一ヶ月以内に分娩となる可能性が高い
③再発または初発非初感染発症から、一週間以内に分娩となる可能性が高い
以上の場合は、児への感染の可能性があるので、帝王切開を勧められます。
新生児ヘルペスについて
感染するタイミングは?
子宮内感染は1/250000分娩なので、ほとんどなく、産道からの感染が9割、産後感染が1割くらいです。
発症形式で(1)皮膚、眼、口限局型、(2)中枢神経型、(3)全身型3つのタイプに分けています。
特に(2),(3)では生存しても重度の障害を残す可能性が高いです。
妊娠中のヘルペス発症は重大な問題となります。
性器ヘルペス感染症(http://www.sanolc.com/blog/2014/03/post-25-781191.html)を妊娠中に疑ったときは、速やかにお伝えください。
副院長 今野 秀洋
2014.03.31更新
妊娠期間中に性器ヘルペスを認めた時の対応について
投稿者:
2014.03.24更新
母子健康手帳の交付について
交付の方法は市によってやや異なりますが、あまり難しい手続きはありません。
浦安市では、今かかっている産婦人科の診察券、領収証、健診予約票などの妊娠を確認できるものが必要となります。(http://www.city.urayasu.chiba.jp/dd.aspx?menuid=2368)
健康増進課(健康センター1階)か日曜日は市民課(本庁舎1階)で対応しております。
市川市では妊娠届出書が必要となります。以下のページよりダウンロードができます。
(http://www.city.ichikawa.lg.jp/res01/1511000001.html)
市役所や出張所等9カ所で対応しております。
どちらの市も妊娠証明書は不要です。
投稿者:
2014.03.10更新
風疹予防接種の助成金が今月末までとなっております。
風疹に関する昨年作成したブログはこちら(http://www.sanolc.com/blog/2013/10/post-6-647568.html、風疹予防接種についてはhttp://www.sanolc.com/blog/2013/10/post-7-650720.html)
胎児が感染しないようにするには、妊婦がかからないようにしなければなりません。
妊娠中は生ワクチンのため、風疹に対する予防接種をすることができません。
まず、妊娠を考えている人のうち、風疹の既往歴あるいは予防接種歴にない方に、予防接種をお勧めします。
ちなみに、浦安市および市川市では、今月の31日まで風疹予防接種の助成金がでています。
http://www.city.urayasu.chiba.jp/dd.aspx?itemid=33329(浦安市)
http://www.city.ichikawa.lg.jp/pub10/1111000068.html(市川市)
(助成額)
風疹単独ワクチンを接種した場合 3,000円
麻しん風しん混合ワクチン(MR)を接種した場合 5,000円
次に、妊婦さんの夫もしくは妊娠希望者の夫に対しても、風疹の既往歴あるいは予防接種歴にない場合は予防接種をお勧めします。
平成25年の報告によると、首都圏や近畿地方での風疹感染が多く、患者の7割以上は男性で、そのうち20代~40代が約8割を占めておりました。
上記の風疹予防接種の助成金は、旦那さんに対してもでていますので、是非この期間にご利用するとよいのではと思います。
最後に、妊娠時に検査した際、風疹抗体が陰性もしくは低い方も、次の妊娠の準備として予防接種をお勧めします。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
2014.03.07更新
性器ヘルペスウィルス感染症について
性器ヘルペスウィルス感染症は、単純ヘルペスウィルス(HSV)の感染によって、性器やその周辺に病変が生じる病気です。
HSVの感染経路は2種類あります。
①幼少期にHSV感染者から接吻などで唾液を通じて感染し、口唇などに水泡や潰瘍を生じる(主にHSV-1)。
②性行為によって性器に感染する(主にHSV-2)。
しかしながら、これは厳密なものではなく、最近ではオーラルセックスによって感染したHSV-1による性器ヘルペスも多いようです。
(ちなみに、その他ヘルペスウィルスの仲間には、サイトメガロウィルスや突発性発疹の原因になるヒトヘルペスウィルス6、水痘-帯状疱疹ウィルスがあります。)
性器ヘルペスウィルス感染症の問題点
上で述べたように、あらゆる性行為が感染経路となります。
繰り返し再発をします。
症状がなくなっても、神経節に潜んでいて、再発することが多いです。
つまり根治ができず、一生、性器ヘルペスウィルス感染症とつき合うことになります。(これには精神的苦痛を伴います。)
無症候感染が多いです。
感染しても、無症状であることが多く(約7割とも言われています)、本人も知らぬまま、相手に感染させます。
現在のように、性の比較的自由な世の中では、性器ヘルペスウィルス感染症が増加しているのは容易に想像できます。
グラフは国立感染症研究所が今年一月に発表した約1000カ所の定点診療施設からのデータをまとめたものです。女性ではクラミジア感染症(http://www.sanolc.com/blog/2013/12/post-15-705495.html)についで、二番目に多いです。
HSV感染による臨床症状
口唇ヘルペス
図のように口角近傍に水泡ができ、痛がゆい症状が続きます。
性器ヘルペス
発症までの期間は、性的接触から、2〜10日後に発症します。
図のように、会陰部に多発する、水泡や潰瘍を生じます。
痛みが強く、排尿困難や歩行困難になることもあります。
時に子宮頸部に発症することがあります。
その他全身症状として、発熱や頭痛や鼠径リンパ節の腫脹があります。
さらに髄膜炎まで発展することもあり、これは非常に問題です。
発症形式
①初発:初めて症状が現れた時
②初感染:初めて感染した時
上の二つは同じことを言っているようですが、必ずしも同じではありません。
なぜなら、初感染しても無症状の場合もあるからです。
③再発
初感染で初発の場合は、比較的急性に強い症状を有します。
治療すれば、1〜2週間で治ります。
一方、非初感染で初発の場合は、比べて軽い症状のことが多いです。
再発の場合もまた、症状が軽く、治療なしでも一週間で治るようです。
検査方法
水泡や潰瘍から分泌物を採取して、HSV抗原を調べます。
以前は、外注検査で結果がでるまでに時間がかかっていましたが、先月より院内検査となりましたので、スムーズに結果をお伝えできるようになりました。
治療方法
残念ながら、根治療法はありません。
抗ヘルペス薬を用いると有症状期間が短縮できます。
次回は妊娠中のヘルペス発症についてお話ししようと思います。
副院長 今野 秀洋
投稿者:
2014.03.01更新
AMH(アンチミュラーリアンホルモン)について
AMHとは、アンチミュラーリアンホルモン(もしくは抗ミュラー管ホルモン)の略で、発達途中にある卵胞から分泌されるホルモンです。
卵巣にある原始卵胞が成熟し、未成熟な卵胞が少なくなるにつれ、AMH値も低下します。
AMHを測定すると、卵巣にどのくらい卵子が残っているのか、つまり「卵子の在庫数」が評価できることになります。
AMHは卵巣年齢の指標とも言われており、このため不妊治療の領域ではAMHが近年注目されています。
「AMH値が低い」=「卵子の在庫が少ない」となるわけですが、これは「妊娠率が低い」ということではなく、これから不妊治療をできる期間が限られているということを意味していると考えられます。
当院でも、AMHが測定できるようになりました。
検査は採血で行います。月経周期のどのタイミングでもできます。
保険診療適応外のため7000円と少し高額になりますが、貴重な時間を無駄にしないためにも、判断材料の一つになると思われます。
外来でお訊ね下さい。
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