スタッフブログ

2014.04.30更新

臍帯血とは
胎盤、臍帯に含まれる血液のことです。
本来なら出産した後に、胎盤、臍帯は処理をしてしまいます。
実は、この中の血液が将来役に立ちます。


臍帯血内のまだ未熟な細胞が、白血病などの血液の疾患に、わかりやすく言うと血液の「癌」、の治療に使えるのです。最近話題の再生医療の一つとなります。

臍帯血の保管先は現在、2種類あります。

公的バンクと民間バンクです。
公的バンクとは、他人の為に寄付する目的の施設であり、いわば献血のようなものです。
民間バンクでは、赤ちゃん本人や家族の為に保存しておくことがきます。ただし、保管の為のコストが発生します。

当院では、民間バンク用の採血をお手伝いすることができます。

図のようにあかちゃんが、生まれてから採血します。痛くもなく、赤ちゃんを傷つけることもなく採血することができます。


臍帯血を用いた新たな治療研究
最近のトピックスでは、新生児の低酸素性脳症に対する自己臍帯血を用いた治療です。
低酸素脳症とは、主に分娩時の低酸素となる悪い環境によって赤ちゃんの脳に障害を与えてしまった状況のことであり、脳性麻痺に移行する場合もあります。
ちなみに日本では脳性麻痺の頻度は、出産時 2.2/1000人と言われています。

新生児の低酸素性脳症に対して、脳低体温療法を行うを行うことがあります。
今回の研究では、従来法である脳低体温療法を行った82例と脳低体温療法+自分の臍帯血を投与した23例と比較しております。

1歳時の認知、言語、運動能力の発達に関する評価をしたところ、脳低体温療法+自分の臍帯血投与群の方が、よい結果が得られていました。

このデータは外国の研究からでしたが、現在日本国内でも同様の研究を行っているようです。


またさらに、自閉症(日本では1/100人の頻度だと言われています)にも効果がある可能性もあり、現在研究が行われているようです。

(先に述べた血液疾患に対しては治療として始まっています。これらの疾患に対する臍帯血を用いた治療はまだ研究中です。)

自己臍帯血の最大のメリットは、元々自分のものなので副作用がないことです。
残念ながらコストが発生することが問題点です。

しかしながら、これらの疾患にならないことがもちろん一番ですが、あの時、保存しておけばよかったと後悔しないように検討してもよいかもしれません。

臍帯血バンクについては、詳しくはステムセル研究所を拝見してみて下さい。
母親学級の際、ステムセル研究所の方が来られるので、直接ご質問されてもよいと思います。


参考文献
Feasibility of autologous cord blood cells for infants with hypoxic-ischemic encephalopathy. C. Michael Cotten, Amy P. Murtha, Ronald N. Goldberg, et al.
J Pediatr. 2014 May;164(5):973-979




副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2014.04.24更新

妊婦検診の際、時々、明らかな体重の増え過ぎや増えなさすぎに対して指導をすることがあります。

いくつかの理由がありますが、その一つとして胎児期の栄養環境と成人期の生活習慣病発症との関わりが言われています。
イギリスのBakerらが、1986年に提唱した説です。
現在、各国で調査中ではありますが、多くの疫学からどうやらこの説は正しいのではないかと言われてきております。

もう少し説明すると、「胎児期に低栄養環境にさらされていたが、出生後に過剰な栄養を投与されると、(その反動で)将来、肥満や糖尿病などの生活習慣病や虚血性心疾患に罹患しやすくなる可能性がある」というものです。

実は、ここ30年間で、日本人の出生時平均体重は200g近く減少しています。
これは、日本人の胎児期の栄養状態が悪化していることを意味しているのかもしれません。
(痩せている女性が増えていることと関連があるかもしません。)
今後、日本人の生活習慣病の発症率が増加する危険性が高いのではないかと懸念されています。

体重だけで妊婦の栄養評価はできませんが、一つの指標になると考えています。
当院では、必要に応じて栄養指導を行っております。

また、最近知り合いに教えて頂きましたが、四国大学で無料通信アプリ「Line」を利用して、栄養管理を指導するプログラムが始まったようです。
http://www.shikoku-u.ac.jp/public/pre-mama/

研究の一環のようですが、興味ある方は参加なさってもよいのではないかと思います。

副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2014.04.21更新

現在、佐野産婦人科医院では、看護師(常勤またはパート)と、看護助手の募集をしております。

当院では、患者さんを大切にする方、協調性のある方を希望します。
勤務時間、曜日等は相談に応じます。

ご希望の方は、ご連絡をお願いします。

連絡先はこちらです。http://www.sanolc.com/recruit/

見学がてらに一度お気軽にいらしてください。

投稿者: 佐野産婦人科医院

2014.04.14更新

妊娠を契機に受診したところ、子宮筋腫を指摘されることがあります。あるいは不妊の相談で受診の際に指摘されることもあります。

子宮筋腫とは、子宮にできる良性の平滑筋腫です。
全女性の約1/4にみられ、また、妊娠中の方では、2.7%〜10.7%ぐらいの頻度で子宮筋腫を認めます。

子宮筋腫を有する妊婦さんの多くは、問題なく経過しますが、妊娠経過中に(特に初期〜中期にかけて)増大することがあり、そうするといくつかの問題を起こすことがあります。

妊婦自身の症状
・痛み
大きさが5cm以上に増大すると、痛みのでる頻度は増えます。急激に増大することにより、虚血性変化やそれに伴う壊死が生じる為と言われています。

・血栓症
妊娠に伴い大きくなった子宮に増大した子宮筋腫によってさらに子宮の容積が増すことにより、子宮の後方を流れている血管を圧迫し、血液の流れが滞り、血管内に血栓ができることがあります。下肢静脈血栓に始まり、肺梗塞という重症な病態になる場合もあります。

妊娠経過に関わる問題
・流産
妊娠し、着床に至るものの、子宮筋腫が子宮ー胎盤の血流障害を引き起こし、流産する場合があります。繰り返す流産の7%くらいの原因ではないかと言われています。

・早産
同様に早産となる場合があります(オッズ比1.5)。特に5cm以上の大きさだったり、胎盤付着部位に一致した部位に子宮筋腫が存在したりすると頻度は増えるようです。

・子宮内胎児発育遅延
赤ちゃんが大きく育ちにくい場合があります(オッズ比1.4)。

・胎位異常
通常は30週前半頃より頭が下を向いてくるものですが、いわゆる逆子などの胎位異常が発生する頻度が増えます(オッズ比2.9)。

分娩に関わる問題
・微弱陣痛
子宮筋腫が子宮収縮力を弱める可能性があります。

・帝王切開率
前述した、胎位異常や微弱陣痛などにより、帝王切開となる頻度が増えます(オッズ比3.7)。

産後に起こりうる問題
・産後出血
無事に出産に至っても、子宮筋腫が子宮復古不全をおこし、出血量が多くなる傾向があります(オッズ比1.8)。


先にも述べたように、子宮筋腫を有する妊婦さんすべてが以上のことを起こす訳ではないのですが、子宮筋腫を有さない方と比べて、いくらかの妊娠に伴うリスクがあると考え、我々はいつも気をつけて拝見しております。

また、妊娠希望があるが、なかなか生産に至らず、子宮筋腫が原因の一つの可能性である方がいます。
そのような方に対し、適応があれば、妊娠前に手術(子宮筋腫核出術)を行う場合があります。
現在のところ、比較的大きくお腹を切開する従来法と腹腔鏡を用いた方法があります。
術後の妊娠率は、大体5割くらいとの報告がありましたが、いずれの方法を選択しても妊娠率は変わらないようです。
この場合は切除部位がしっかりと治るのを待つ為に、術後は半年の避妊が必要がとなることと、分娩方法が帝王切開となる場合が多くなります。

参考文献

1. Qidwai GI, Caughey AB, Jacoby AF. Obstetric outcomes in women with sonographically identified uterine leiomyomata. Obstet Gynecol 2006; 107:376.
2. Laughlin SK, Baird DD, Savitz DA, et al. Prevalence of uterine leiomyomas in the first trimester of pregnancy: an ultrasound-screening study. Obstet Gynecol 2009; 113:630.
3. Exacoustòs C, Rosati P. Ultrasound diagnosis of uterine myomas and complications in pregnancy. Obstet Gynecol 1993; 82:97.
4. De Carolis S, Fatigante G, Ferrazzani S, et al. Uterine myomectomy in pregnant women. Fetal Diagn Ther 2001; 16:116.
5. Klatsky PC, Tran ND, Caughey AB, Fujimoto VY. Fibroids and reproductive outcomes: a systematic literature review from conception to delivery. Am J Obstet Gynecol 2008; 198:357.
6. Lev-Toaff AS, Coleman BG, Arger PH, et al. Leiomyomas in pregnancy: sonographic study. Radiology 1987; 164:375.
7. Shavell VI, Thakur M, Sawant A, et al. Adverse obstetric outcomes associated with sonographically identified large uterine fibroids. Fertil Steril 2012; 97:107.
8. Ying Zhang and Ke Qin Hua Patients' Age, Myoma Size, Myoma Location, and Interval Between Myomectomy and Pregnancy May Influence the Pregnancy Rate
and Live Birth Rate After Myomectomy J Laparoendosc Adv Surg Tech A. 2014;24:2:95.






副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

TEL 047-352-5705 分娩・時間外緊急専用電話 047-303-3020
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