スタッフブログ

2014.06.30更新



富坂美織先生著「2人」で知っておきたい 妊娠・出産・不妊のリアルです。

不妊治療センターの先生が書いた本ですが、不妊・妊娠だけではなく、女性の生理などの内容もあり、非常に分かりやすい説明です。
外来での説明の補足になるのでは思いました。

この本も外来に置いておきますので、是非ご覧になって下さい。


副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2014.06.23更新

前置胎盤とは、図のように胎盤が子宮口にかかっている状態のことです。

頻度は全妊娠のうち0.3〜0.5%にみられます。当院でも年に数人おり、その場合は高次施設にご紹介しております。

リスクファクターは?
既往前置胎盤、既往帝王切開、多胎妊娠、多産婦、高齢妊娠、不妊治療、流産後、子宮内手術後、喫煙歴などです。

どうしてハイリスク妊娠なのか?
胎盤の位置が低いと、何が問題となるのでしょうか?

(1)不正出血の原因となります。
妊娠後半になると、子宮の収縮が増えてきます。その収縮に伴い、(痛みが伴わない)不正出血することがあります。前置胎盤と診断された方の場合、おおよそ妊娠29週以降に不正出血が生じることがあり、そのまま早産とせざるを得ない場合が少なくないです。
以前、順天堂大学浦安病院での前置胎盤症例36例で検討しましたが、その1/3が出血が止まらず、緊急帝王切開となっておりました。

(2)分娩方法は帝王切開となります。
もし陣痛が始まった場合、子宮口が開くのに伴い、胎盤が赤ちゃんが出るより前に剥がれると考えれます。そのため、大量出血したり、あるいは胎盤から赤ちゃんへの酸素供給が途絶え、大変なことになります。そこで、陣痛が始まる前に、計画的に帝王切開とします。だいたい、少し早い妊娠35〜36週に帝王切開としているようです。

(3)帝王切開でも出血が多いです。
胎盤付着部位が子宮口に近ければ近いほど、分娩時の出血が多くなる傾向があります。
非常に似た病態で、図のような低置胎盤というものがありますが、この場合も前置胎盤と同様の対応が望ましいと考えられます。


前置胎盤症例とそれ以外の帝王切開症例で比較してみたところ、術中の出血量が多い傾向(1275g vs 700g, p=0.0001)がみられました。

輸血を必要とすることも多く(15〜80%)、時には4リットル以上の輸血を要する場合もあります。(ちなみに50kgの女性の血液総量はだいたい3.75リットルなので、血液を総入れ替えする量です。)

さらに子宮からの出血を止められず、子宮全摘をせざるを得ないケースも 3.5〜4.5%もみられます。

(4)癒着胎盤の合併があります。
前置胎盤の場合、一部が子宮と癒着している場合があります(1〜9.9%)。一部は剥離しているが、一部が癒着しているままだと、やはり出血が多くなる可能性があり、前述のように輸血や子宮全摘を要する場合があります。


「前置胎盤かも」と言われましたが?
前置胎盤が疑われても、その後変わることがあります。

妊娠初期に前置胎盤もしくは低置胎盤が疑われても、子宮が大きくなるのに伴い、後半になって付着部位が変わる場合があります。妊娠30週ぐらいに最終診断します。



前置胎盤と診断した場合は、施設によりますが、予め自己血貯血を1リットルくらい準備しておくこともあります。
もちろん、問題なく順調に経過することもありますが、比較的高頻度で、大量出血が起こり、緊急帝王切開での早産となる場合があり、時として、輸血や子宮全摘を要するわけですから、事前から色々と十分な準備が必要です。


ちなみに成育医療センターでお世話になった先生がお作りになった、わかりやすい漫画がありますので、こちらもご紹介させて頂きます。

前置胎盤(http://www.ncchd.go.jp/hospital/section/perinatal/images/zenchi.pdf
癒着胎盤(http://www.ncchd.go.jp/hospital/section/perinatal/images/yuchaku.pdf

佐野産婦人科医院 副院長 今野 秀洋



参考文献
1.Taylor VM, et al.:Increase risk of placenta Previa among of asian origin. Obstet Gynecol 1995;86:805-808
2. Oyelese Y, Smulian JC.:Placenta previa, placenta accrete, and Vasa previa.  Obstet Gynecol 2006;107:924-41
3. Bhide, et al.:Placental edge to internal os distance in the late third trimester and mode of delivery in placenta praevia. BJOG 2003;110:860-864
4. Vergani P, et al.:Placenta previa:distance to internal os and mode of delivery. Am J Obstet Gynecol 2009;201:227-229
5. Clark SL, et al. :Placenta previa/accreta and prior cesarean section. Obstet Gynecol. 1985;66:89-92
6. Grobman WA, et al.:Pregnancy outcomes for women with placenta previa in relation to the number of prior cesarean deliveries. Obstet Gynecol. 2007;110:1249-55.
7. Takayama. et al.:Risks associated with cesarean section in women with placenta previa. : J Obstet Gynaecol Res 1997;23:375-379
8. Zelop CM.et al.:Emergency peripartum hysterectomy. Am J Obstet Gynecol 1993;168:1443-1448
9. ClarkSL.et al.:Placenta previa/accreta and prior cesarean section. Obstet Gynecol 1985;66:89-92
10. 今野 秀洋, 田嶋 敦, 吉田 幸洋ら:自己血貯血・輸血を含む前置胎盤症例の管理法に関する検討 日本産婦人科学会 千葉地方部会誌 2010;3:102-

投稿者: 佐野産婦人科医院

2014.06.10更新

1979〜1989年生まれの女性は風疹の免疫(抗体)を持たない方の割合が他の年齢よりも高いため注意が必要です。
要するに、結婚をしそうな年齢の方は、注意が必要と思われます。

ちなみに厚労省からの風疹に関する新しいポスターがダウンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster06.pdf
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/dl/poster05.pdf

予防方法は予防接種をすることですが、妊娠中は接種ができません。

当院の風疹に関してのblog(http://www.sanolc.com/blog/2013/10/post-6-647568.html)
                                (http://www.sanolc.com/blog/2013/10/post-7-650720.html)

(残念ながら現時点では風疹ワクチンの助成金はでておりません。)


妊娠を考えている人、結婚を考えている人に対して、風疹ワクチンを接種することをお勧めします。

佐野産婦人科医院 副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2014.06.07更新

妊娠中に尖圭コンジローマが発症することがあります。

問題点は主に2つあります。
①妊娠中は薬物療法ができません。
 そのため、外科的方法を選択することになります。少し痛みを伴います。

②産道感染することがあります。
陣痛時に産道に病変があると、赤ちゃんに感染する場合があります。

赤ちゃんに感染すると、やがて若年性再発性呼吸乳頭腫症(juvenile-onset recurrent respiratory papillomatosis :JORRP)が 発症することがあります。
JORRPとは、小児の良性咽頭・喉頭腫瘍の中で、一番多い疾患です。
悪性ではないですが、場所や大きさによっては、気道が狭くなり、気管切開を要する場合があります。

その他、早産との関連を示唆する報告もあるようです。

分娩時に発症した際は?
以前は、帝王切開を勧められていました。その後色々な報告がでて、最近では帝王切開の絶対的適応でなく、ケースバイケースで対応するように変わってきました。

①帝王切開を勧める報告
Tsengtらが、経腟分娩での赤ちゃんへのパピローマウィルス感染率が51.4%に対して帝王切開での感染率が27.3%であったと報告している。

ただし、ここでの注意点は、あくまでもウィルス感染率であり、JORRPの発生率ではないことと帝王切開でも100%感染を防ぐ訳ではないというところです。

②どちらかと言うと帝王切開を積極的に勧めなくてもよいのではないかという報告
Cohenらの後方視的研究(現在行っている医療の有効性・安全性の評価を行う研究)によると、尖圭コンジローマが発症した際は(特に病変が大きいと)帝王切開で分娩となる傾向があるが、実は経腟分娩でも帝王切開でも出生時の予後(例えば、生まれて元気にすぐ泣くとか死亡率)は変わらないようです。

また、Silverbergらはデンマークの120万人の分娩統計を調べているが、妊娠中に尖圭コンジローマが認められた3033人の妊婦から生まれた新生児のうち21人(0.69%)にJORRPが発症したと報告しております。

経腟分娩であろうと帝王切開であろうと分娩様式の違いに感染率の差がないようです。

一方、妊娠中に尖圭コンジローマが認められなかった120万人の妊婦から生まれた新生児のうち36人(0.003%)にJORRPが発症しています。

つまり、肉眼的に病変が認められなくても、ウィルスを保因する妊婦が少しいるが、肉眼的に病変認められる場合の方が、JORRPの発生率が231倍と高いことがわかりました。


以上より、悩ましい時もあるのですが、個別対応することになります。
私見でありますが、妊娠中に尖圭コンジローマが認められたとしても、JORRPの発生頻度はとても高いわけではないので、分娩間際に「小さい」もしくは「減ってきている」病変ならば、経腟分娩でもよいのでないかと考えられますが、一方、帝王切開の方が赤ちゃんへの感染頻度を減らせるわけですから、「大きい」もしく「多い」病変があるときは帝王切開をどちらかというと勧めるのではないかなと思っております。

副院長 今野 秀洋


参考文献
1.Tseng CJ et.al. Perinatal transmission of human papillomavirus in infants: relationship between infection rate and mode of delivery. Obstet Gynecol. 1998 Jan;91(1):92-6.
2.Gomez LM et al. Placental infection with human papillomavirus is associated with spontaneous preterm delivery. Hum Reprod. 2008 Mar;23(3):709-15.
3.Cohen E et al. Perinatal outcomes in condyloma acuminata pregnancies. Arch Gynecol Obstet. 2011 Jun;283(6):1269-73.
4.Silverberg MJ et al. Condyloma in pregnancy is strongly predictive of juvenile-onset recurrent respiratory papillomatosis. Obstet Gynecol. 2003 Apr;101(4):645-52.
5.Hamouda T et al. Management of genital warts in pregnancy. Clin Exp Obstet Gynecol. 2012;39(2):242-4.
6.川名 敬;HPVとその疾患 モダンメディア 58巻 12号 2012

投稿者: 佐野産婦人科医院

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