2015.02.27更新
平成26年度公費子宮がん検診のお知らせ(3月31日までです。)
毎年3月下旬は大変混みあいます。
是非お早めの受診をお勧め致します。
受診の際は、市役所から郵送された受給券を持参してください。
もし紛失した場合でも、再発行していただけます。
投稿者:
2015.02.14更新
お母さんと娘さん向けの月経について、一般の方向けの講演会があります。

3つの演題があり、どれも興味深いテーマだと思いますが、私が特にお勧めしたいのは、2番目の北出先生の講演です。
娘さんが部活などでスポーツをなさっている方は多いと思います。
思春期の激しい運動がきっかけとなり、月経不順や無月経を引き起こす場合があります。
また、女性ホルモンが骨の形成に関与していますが、ホルモンバランスが崩れると、時として骨折しやすくなる場合もあります。分かりやすく言うと、閉経した後のご老人のような状態になるというわけです。
こういった内容のお話を詳しくわかりやすくお話してくれるのではないかと思います。
現在、順天堂大学医学部附属病院では女性アスリート外来を始めており(順天堂本院(http://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/wsmc/)、順天堂浦安病院(http://www.hosp-urayasu.juntendo.ac.jp/medicalcare/femaleathlete/index.html)、北出先生はここの副センター長でもあります。
これをきっかけに娘さんの体のことも勉強してみるのもよいのではないでしょうか?
院長 今野 秀洋
投稿者:
2015.02.06更新
外陰部にピンポン球大のしこりができて痛いです。
時々、「外陰部にしこりができて痛いです。」と訴えて来院する方がいらっしゃいます。
その一つとしてバルトリン腺膿瘍が考えられます。
今回はバルトリン腺に伴う疾患についてお話しします。
バルトリン腺は、外陰部皮下にある腺組織であり、透明の粘液を分泌し、外陰部を潤す役目があります。
図のように、時計でいうと5時と7時方向にバルトリン腺はあります。
ということは、もしこのあたりが腫れて痛い場合はバルトリン腺疾患を疑います。
炎症などで腺の入り口が閉鎖すると、腺からの分泌液が溜まり嚢胞を形成し、バルトリン腺嚢胞を形成します。嚢胞に感染するとバルトリン腺膿瘍となります。
起因菌は以前は性行為感染症の淋菌(http://www.sanolc.com/blog/2013/12/post-16-716739.html)やクラミジア(http://www.sanolc.com/blog/2013/12/post-15-705495.html)が多かったですが、最近はブドウ球菌や連鎖球菌や大腸菌など、比較的どこにでもいる菌が多いようです。
(症状は?)
嚢胞は、小指大から鶏卵大まで大きくなることもあります。バルトリン腺嚢胞の場合は無痛性です。一方、バルトリン腺膿瘍の場合は、有痛性であり、強い圧痛を伴い、歩行困難となる場合もあります。また破裂して膿が排泄されることもあります。発熱することもあります。
(治療方法は?)
バルトリン腺嚢胞で大きくなく、痛みが無ければ、経過観察で十分だと思います。
しかしながら、バルトリン腺膿瘍となった場合は治療が必要です。
①抗生剤
軽症の場合は、抗生剤投与のみで軽快することもあります。
②穿刺・吸引
局所麻酔を行い、針穿刺し内容物を吸引します。
③切開・排膿
局所麻酔を行い、切開して膿を出します。
また、漢方薬が効果的だったという報告もあります。
ここまでは外来で対応できます。
しかしながら①から③で改善しない場合は手術となります。
④造袋(開窓)術
切開して、嚢胞壁を露出させ、穴をあけ、膿を排泄しやすくします。
⑤嚢胞摘出術
文字通り、バルトリン腺を摘出します。比較的大変な手術です。
ちなみにバルトリン腺膿瘍62例をまとめた報告によると
平均年齢41.4歳(40歳から49歳が多い)、出産歴がある方が多く、どちらかというと左側が多く(左右差ないという報告もあります)とのことでした。
治療方法についてですが、
保存的治療 8人
穿刺・吸引 44人
切開排膿 3人
造袋術 6人
摘出術 1人
9割近くは、外来治療で済むということになります。
しかしながら再発例も比較的多く、ある報告では約3割が再発したとのことでした。
再発までの期間は、数ヶ月から25年と幅があります。
「外陰部にしこりができて痛いです。」という場合、特に40歳代の出産経験のある方は、バルトリン腺膿瘍の可能性があります。ひどくなる前に受診をお勧めします。
院長 今野 秀洋
(参考文献)
1. 原 典子ら;バルトリン腺膿瘍に排膿散及湯が有効であった3症例の検討:産婦人科漢方研究のあゆみ 31:105-108:2014
2.藤原 葉一郎ら;過去5年間におけるバルトリン腺膿瘍31例の検討(Feasibility of Noninvasive Magnetic Resonance Temperature Imaging of Fat and Water Based on Methylene Proton Spin-lattice Relaxation Time and Water Proton Resonance Frequency)
:日本産婦人科感染症研究会学術講演会記録集 :22号 :8-11:2004
3.横山 正俊ら;【オフィス ギネコロジー 女性のプライマリ・ケア】 婦人科疾患 バルトリン嚢腫,外陰腫瘍性病変:臨床婦人科産科 :66:5:245-248:2012
4.高倉 賢二;【外来診療マニュアル】 婦人科・腫瘍 外陰の嚢胞: 産婦人科の実際 :59:11号:1881-1884:2010
5.安水 洸彦;【産婦人科手術療法マニュアル】 婦人科手術 良性 バルトリン腺嚢胞・膿瘍の手術:産科と婦人科:76巻:Suppl.:135-139:2009
6.山本 紳一;イラストレイテッド産婦人科小手術 婦人科小手術 バルトリン腺の手術(図説):臨床婦人科産科:60:3号:322-325:2006
7.斉藤 豪ら;バルトリン腺嚢腫の臨床像:産婦人科の実際 :53:5:801-804:2004
8. 梁 英治ら;aggressive angiomyxoma-バルトリン嚢胞など類似疾患との鑑別:産科と婦人科:6:31:671-675:2007
9.五十嵐 俊雄ら;外陰良性病変の診断と対応:産科と婦人科:76:7:854-861:2009
投稿者:
SEARCH
ARCHIVE
- 2022年04月 (6)
- 2022年02月 (1)
- 2022年01月 (2)
- 2021年10月 (1)
- 2021年09月 (4)
- 2021年08月 (4)
- 2021年07月 (2)
- 2021年06月 (1)
- 2021年03月 (3)
- 2021年02月 (1)
- 2020年11月 (2)
- 2020年09月 (1)
- 2020年08月 (1)
- 2020年06月 (2)
- 2020年05月 (1)
- 2020年04月 (2)
- 2020年03月 (6)
- 2020年01月 (2)
- 2019年12月 (2)
- 2019年11月 (2)
- 2019年10月 (2)
- 2019年09月 (2)
- 2019年07月 (2)
- 2019年05月 (1)
- 2019年04月 (2)
- 2019年03月 (4)
- 2019年02月 (3)
- 2018年11月 (2)
- 2018年10月 (2)
- 2018年09月 (6)
- 2018年08月 (3)
- 2018年05月 (2)
- 2018年04月 (5)
- 2018年03月 (1)
- 2018年02月 (2)
- 2017年12月 (2)
- 2017年11月 (1)
- 2017年10月 (2)
- 2017年09月 (3)
- 2017年08月 (1)
- 2017年07月 (3)
- 2017年06月 (4)
- 2017年05月 (1)
- 2017年04月 (3)
- 2017年03月 (3)
- 2017年02月 (6)
- 2017年01月 (4)
- 2016年12月 (3)
- 2016年11月 (2)
- 2016年10月 (3)
- 2016年09月 (1)
- 2016年08月 (3)
- 2016年07月 (1)
- 2016年06月 (3)
- 2016年05月 (2)
- 2016年04月 (3)
- 2016年03月 (1)
- 2016年02月 (4)
- 2016年01月 (3)
- 2015年12月 (6)
- 2015年11月 (2)
- 2015年10月 (2)
- 2015年09月 (1)
- 2015年08月 (1)
- 2015年07月 (2)
- 2015年06月 (3)
- 2015年05月 (3)
- 2015年03月 (1)
- 2015年02月 (3)
- 2015年01月 (2)
- 2014年12月 (1)
- 2014年11月 (4)
- 2014年10月 (4)
- 2014年09月 (6)
- 2014年08月 (3)
- 2014年07月 (3)
- 2014年06月 (4)
- 2014年05月 (5)
- 2014年04月 (4)
- 2014年03月 (5)
- 2014年02月 (4)
- 2014年01月 (5)
- 2013年12月 (4)
- 2013年11月 (7)
- 2013年10月 (5)
- 2013年09月 (5)