先日、妊婦さんの旅行について、インタビューを受けました。
昨日の読売新聞の朝刊に、その記事が載っています。
是非、読んでいただけたらと思います。
院長 今野 秀洋
2016.02.27更新
妊婦さんの旅行についての記事が、読売新聞に掲載されています。
投稿者:
2016.02.25更新
妊娠中ですが、飛行機に乗ってもよいですか?
以前、妊娠中の旅行についてblogで紹介しました。
(http://www.sanolc.com/blog/2013/09/post-3-633787.html)
また昨年は飛行機の機内で分娩となり、成田空港に緊急着陸となったケースがありニュースとなりました。
(この件に関しては、花岡先生が論文にしており公表されております。)
飛行機に乗ってもよいですか?
American Congress of Obstetricians and Gynecologists (ACOG)は、合併症の無い空の旅はおおむね安全であると言っています。
合併症って、例えば何ですか?
Centers for Disease Control and Presentation (CDC)は、以下の状況にあるときは妊娠中に旅行すべきではないとしています。
特に、直前に子宮収縮感を感じていたり、不正性器出血がある場合はお勧めできないと思います。
時期はいつでも大丈夫?
後半は、陣痛や破水などが起こりうるので控えた方がよいと思います。
また、多くの航空会社では35・36週までは搭乗が許可されますが、それ以降は医師の診断書が必要となるようです。
そうすると、妊娠中期までがよいと思われます。
飛行機に乗る際、気をつけることは?
妊娠中は、深部静脈血栓症やエコノミークラス症候群のリスクが上がるので、こまめの水分補給や足を動かすことようにした方が良いと思います。
まとめると
妊娠に合併症の無い場合に、空の旅はおおむね安全ではあります。
しかしながら、以前にもお話したように、もし旅先にて子宮収縮や出血などが生じた場合、現地での長期入院が必要となる場合もあり、妊婦さん自身やその家族に精神的、身体的負担を強いられることとなるので、私達産婦人科医師の立場としては、単なるレジャー目的の旅行は積極的には勧めるべきではないと考えております。
旅行を計画立てた際は、必ずしも良い返事をしてもらえないかもしれませんが、是非とも事前に主治医に相談して下さい。
院長 今野 秀洋
(参考文献)
1.花岡正智、戸石悟司;Air Travel and Pregnancy 空の旅と妊娠;日本周産期・新生児医学会雑誌;51(4);1135-1141;2015
2.ACOG Committee on Obstetric Practice:ACOG Committee Opinion No.443:Air travel during pregnancy. Obstet Gynecol ;114;2009
3. CDC homepage; http://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2014/chapter-8-advising-travelers-with-specific-needs/pregnant-travelers; 2014
4. 今野秀洋ら;妊娠中の旅行に関する危険性 : 東京近郊にある巨大テーマパークからの産科緊急受診に関する検討より;日本周産期・新生児医学会雑誌;48(3);595-600;2012
投稿者:
2016.02.19更新
尿タンパクが陽性ですと言われました。
妊婦健診では、毎回尿検査があります。
調べている項目は、尿糖と尿タンパクです。
尿糖は、糖尿病の確認(妊娠に伴い、糖尿病になるケースがあります)というのはわかると思います。
では、尿タンパクとは何を見るための検査なのでしょうか?
腎臓には、血液中の老廃物をろ過する役割があります。
通常、タンパク質などの大きな物質はほとんどろ過されません。
しかし、腎障害が起こるとタンパク質がしみ出ることがあります。
つまり尿タンパクは、腎障害の指標になります。
妊娠中に起こりうる腎障害とは、妊娠高血圧腎症(昔でいう妊娠中毒症)のことを指します(正確に言うと、他の疾患もあります)。
つまり尿タンパク検査は、妊娠高血圧腎症かどうかを調べる検査となります。
ちなみに妊娠中毒症には、血圧が上がる(妊娠高血圧症候群)場合と高血圧+タンパク尿(妊娠高血圧腎症)場合があり、妊娠高血圧腎症の方が予後不良です。
タンパク尿が陽性と言われました。私は妊娠高血圧腎症ですか?
現在の妊娠高血圧腎症の定義では、高血圧が先行していることが必須となります。
つまり、タンパク尿が陽性のみでは、妊娠高血圧腎症ではありません。
また多くの病院では、dipstick test(簡易の尿テスト)で検査していると思います。
尿タンパクが30mg/dl以上の場合、dipstick testでは検出率はほぼ100%ですが、陽性的中率が50〜60%と高くはありません。
要するに偽陽性も少なくないのです。
それゆえ尿タンパク陽性のみでは、すごく心配する必要はないと思います。
しかしながら、尿タンパク(1+)が二回以上検出された場合、のちに妊娠高血圧腎症に移行する場合があります(感度33%)。
つまり、現行の基準では妊娠高血圧症候群とは診断されないが、のちに妊娠高血圧腎症に移行する可能性があります。
別の話ですが、
まず血圧上昇して、その後尿タンパク検出されるケースは、15.2%.
一方、まず尿タンパク検出のみであったが、その後血圧上昇するケースは51.4% でした。
つまり、尿タンパク検出先行型の方が、予後の良くない妊娠高血圧腎症に移行する可能性が高いようです。
まとめると
尿タンパク陽性と言われても、偽陽性の可能性もあり、すごく心配する必要はないが、のちに妊娠高血圧腎症に移行する場合もあるので、注意した方が良いと思います。
尿タンパクが指摘されていた方が、急にむくみが出てきて、体重が急に増えた場合は、気になる変化かもしれません。
院長 今野 秀洋
(参考文献)
1.平嶋周子ら;妊娠高血圧と妊娠高血圧腎症;産婦人科治療;102(5);846-850;2011
2.森川守ら;蛋白尿, 浮腫の評価のポイント;産科と婦人科;1(21);21-26;2015
3.Morikawa Met al.;Pregnancy outcome of women who developed proteinuria in the absence of hypertension after midgestation;J Ternat Med;36:419-424; 2008
4.日本妊娠高血圧学会編;妊娠高血圧症候群の診療指針2015
5. 日本産婦人科学会;産婦人科診療ガイドライン産科編2014
投稿者:
2016.02.01更新
平成27年度 「女性の健康週間」市民公開講座のお知らせです。
2月27日(土)に千葉市文化センターにて、乳がん検診と子宮頸がん検診をテーマにした公開講座があります。
乳がんは、年間約6万人がなります。女性の12人に1人が乳がんになるといわれております。
30歳代から急激に増加し、40歳代後半から50歳代にピークを迎えます。
一方、子宮頸がんは、一年間で約1万人の女性がなります。
発症平均年齢が39歳です。最近は20-30代の発症が増えています。
各自治体でも検診を行っておりますが、乳がん検診は3人に一人、子宮頸がん検診は4人に1人ぐらいしか検診を受けていません。
がん対策は、早期発見、早期治療だと思います。
是非、参加してみて、検診を受けて欲しいと思います。
院長 今野 秀洋
投稿者:
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