スタッフブログ

2021.03.15更新

本日たまごクラブが発売になりました。

 

tamagokulabu20214

 

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96-2021%E5%B9%B44%E6%9C%88%E5%8F%B7/dp/B08DDYVVHH/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=1KQK10KRTQOUQ&dchild=1&keywords=%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96&qid=1615802373&sprefix=%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94%2Caps%2C275&sr=8-3

 

「さかごになったらどうする」というテーマの記事作成のお手伝いさせていただきました。

 

 

是非ご覧になってください。

院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.02.18更新

 

先日、「ちゃんと避妊しています。」という方がいらっしゃいました。
どのような方法で避妊されているのか伺ったところ、「腟外射精」とのことでした。

 

 


皆さんは、ご自身たちが選択している避妊方法の避妊率をご存じでしょうか?


以下に、日本でできる主な避妊方法とその避妊率をお示しします。

 

hininritu

 


特別に何もしなければ、おおよそ1年間に100人中85人の方が妊娠します。

 

 

 

「継続的で正確な使用」というのは、ものすごくきちんとしていた場合(例えば、経口避妊薬の場合、飲み忘れなく、正しい時間に内服し続けることができたなど)という意味で、通常はどちらかと言うと一般的な右側を参考すべきではないかと思われます。

 

 

腟外射精では、20%はぐらい妊娠する可能性があります。

 

比較的確実な避妊方法は、青色の部分です。

 

ご参考にしていただけたらと思います。

院長 今野 秀洋

 

 

(参考資料)
WHO; Family Planning - A global handbook for providers 2018 edition
https://www.who.int/reproductivehealth/publications/fp-global-handbook/en/

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.11.03更新

皆さんは納豆などの発酵食品を普段からよく食べているでしょうか?

 

今回は、妊娠中の方が日本では馴染みがある納豆やみそ汁を取るといいですよというお話です。

 


腸内細菌の役割の一つに免疫応答のサポートがあると言われており、つまり腸内細菌が感染防御に関わっていると考えられています。

早産の原因の一つに感染症があります。また、早産された方と早産しなかった方とは腸内細菌が異なるという報告もあります。

発酵食品は腸内細菌に影響を与え、粘膜の免疫に関与することがわかっております。

 

 

つまり、妊娠中に発酵食品を摂取することにより、腸内細菌に影響を与え、感染防御の仕組みをよい方向へ変化させ、早産が減るかもしれないという仮説が立つわけです。

 

 


これを調べた日本の報告があります。

77667人の早産経験のない妊婦さんを調査し解析しております。

年齢は30.9±5.0歳、BMIは21.1±3.0kg/m2、分娩週数は38.9±1.4週
このうち、早産がした人が3.0%(2343人/77667人)でありました。
(日本の早産率は、5.6%程度と言われており、今回の調査対象が3.0%と少なかった理由は、早産リスクの低い方を調べているからと考えられます。)

 

 

発酵食品については、みそ汁、ヨーグルト、チーズ、納豆を摂取していたかどうか調べています。

 

34週未満の早産発症について比較調査しております。

 

 

 

発酵食品

 

 

①みそ汁
みそ汁摂取が1週間に1度未満の方が早産することを1とすると
1週間に1〜2日の方が0.58、3〜4日の方が0.69、5日以上の方が0.62とみそ汁摂取している方々の方が早産が少ないことがわかりました。

 

②ヨーグルト
同様に1週間に1回未満の方が早産することを1とすると
1週間に5回以上ヨーグルトを摂取する方は0.62と少ないようです。

 

 

③チーズ
同様に評価して、チーズを摂取する方のほうが早産少ない傾向はみられました(ただし統計上の有意差はでておりません。)

 

 

④納豆
同様に評価で、1週間に3回以上納豆を摂取する方は0.60と少ないようです。

 

 


ただし、この調査では34〜36週の早産発症については、いずれの発酵食品でも非摂取群とかわりはなかったようです。

 

 


さらに、早産既往のある方で同じ調査をしたところ、納豆を1週間に1〜2回納豆を摂取する人のほうが早産が少ないことがわかりました(Adjusted OR(95%CI) 0.52((0.82-0.97) p=0.039)。

 

 

 

 

日本では、早産が20人に1人と言われております。
早産の原因や感染だけではなく、体質などもあります。

発酵食品のみで早産しないわけではありませんが、妊娠中に、身近にある納豆、みそ汁、ヨーグルト、チーズを摂取すると、早産することが減るかもしれません。

いつもの食事に発酵食品を加えてみるのはいかがでしょうか?

 

 

 


院長 今野 秀洋

 

(参考文献)
Mika Ito, et al; Fermented foods and preterm birth risk from a prospective large cohort study: the Japan Environment and Children’s study;Environ Health Prev Med;
1;24(1);25;2019


 

 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.09.29更新

 10月1日より、妊婦さんに対してインフルエンザワクチン接種を始めます。

 

厚生労働省が、妊婦さんに対してインフルエンザワクチン接種を強く推奨しております。

なぜかというと妊娠中は、インフルエンザに「かかりやすく」、「長引きやすく」、「こじらせやすい」からです。

 


 診療時間内は、いつでも接種が可能です。
予約は不要ですが、数に限りはあります。
 

 

妊婦さん向けに、防腐剤の入っていない一本ずつ注射器に入っているワクチンを準備しております。

接種回数1回 3500円
 
 

 


妊婦さんのインフルエンザワクチンについて以前書いたブログです。
http://www.sanolc.com/blog/2017/09/102-521387.html
 
ぜひご参考にしてください。
 

院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.06.07更新


以前のブログで、妊娠中及び授乳中に魚を摂取したお母さんから生まれてきた子供は、IQが高く、向社会的行動をよりとることができ、運動能力も高い傾向があったというお話をしました。(http://www.sanolc.com/blog/2014/02/post-24-430651.html)

 

 


妊娠中に魚を摂取をすると産後の抑うつ症状を減らすのではないであろうかという日本の研究報告がありました。

 

 

魚 

 

 

 

 

平成23年から26年にかけて妊娠した女性およそ8万人を対象に、魚の摂取量と抑うつ状態の関係を調査しました。

 

まず驚いたことに、産後6ヶ月の時点で11.6%の方が産後うつになっていることがわかりました。
さらに一年後でも2.6%の方が重症な精神疾患を患っていることもわかりました。

 

 

妊娠中における魚の摂取量をおおよそ5g,18g,29g,43g,69gのグループに分け評価しております。

その結果、摂取量が1日当たりおよそ5グラムと最も少なかった人たちに比べ、それ以上魚を食べていた人たちは出産から6ヶ月後及び1年たった時点で、いずれも抑うつ状態になりにくい傾向があることがわかりました。

 

 

 

 

 


魚介類の摂取は、子供の精神発達やお母さんの抑うつ症状に影響を与えるだけではありません。


早産が減る可能性を示した別の研究もあります。

 


350人を対象とし、魚によく含まれている成分であるDHA(一日あたり600mg)を補充をした群とプラセボ群と比較したところ、DHAを補充した群の方が34週未満の早産を減らし、出生体重を増加させるとの報告がありました。


魚もしくはDHAの摂取は、お子さんにとっても、妊娠経過にとってもそしてお母さんにも良いことだと思われます。

 

是非魚を食べましょう。

食べる

 

 

 

 

 

院長 今野 秀洋

 


(参考文献)
1. Hamazaki K,et al: Dietary intake of fish and n-3 polyunsaturated fatty acids and risk of postpartum depression: a nationwide longitudinal study - the Japan Environment and Children's Study (JECS): Psychol Med: 19:1-9: 2019
2. Carlson SE,et al: DHA supplementation and pregnancy outcomes.
: Am J Clin Nutr: 97(4): 808-15: 2013

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.04.21更新

COVID-19に感染した118人の妊婦さんの情報をまとめた中国の武漢からの報告がありました。

 

平均年齢は31歳(28〜34歳)、初産が55人(52%)、75人(64%)が妊娠後期に感染していました。

 

 

(症状)
無症状は6人(5%)、112人は症状を認めました。

 

covid118 

 


重症の9人のうち、人工呼吸器を使用したのは1名でした。
また、この9人のうち6人は分娩後に重症化しました。

 

 

流産は3人でした。分娩に至ったのは68人(58%)でした。分娩進行中の方は41人(35%)でした。
早産分娩が14人(21%)でした。

 

 

分娩形式はほとんどが帝王切開手術でした(63人(93%))。
新生児仮死や新生児死亡はありませんでした。

 

 

 

一方、イランで妊娠30週の妊婦と赤ちゃんが亡くなったという残念な報告がありました。

 

まとめると

妊娠中にCOVID-19に感染することがありますが、多くは重症化しませんでした。
約6割が妊娠後期に感染していました。重症になった9人中6人は、産後に重症になっておりました。
現時点では、1人の妊婦死亡の報告がありました。


引き続きCOVID-19感染の予防に心がけていきましょう。

 

 

 

院長 今野 秀洋

 

 

(参考文献)
1.Chen Let al. :Clinical Characteristics of PregnantWomen with Covid-19 in Wuhan, China:N Engl J Med:2020 
2.Karami P,et al:Mortality of a pregnant patient diagnosed with COVID-19: A case report with clinical, radiological, and histopathological findings:Travel Med Infect Dis. 2020

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.03.27更新

 

現在、COVID-19について様々な情報があふれています。
ご両親は自分のこともさることながら、我が子の感染に不安な日々を過ごされていると思います。

 

 

全年齢での72314例の報告によると10歳以下の患者数は1%以下と少ないという報告がありました。


最近、COVID-19の子どもの感染に絞ったテーマの報告がいくつかでてきました。

 

 

 

(1)新生児についての報告


中国の武漢にあるWuhan Children’s HospitalからCOVID-19に感染した母親から生まれた33名の報告がありました。

33人のうち3人(9%)の生まれたての赤ちゃんにCOVID-19感染を認めました。

 

全例帝王切開術で生まれ、そのうち1名は早産でした。全員生存しております。

 

①40週の時点で、母親がCOVID-19感染による肺炎と羊水混濁を認め、帝王切開手術となりました。
児は生後2日目に傾眠傾向と発熱を認め、NICUに入りました。
レントゲン検査では肺炎と診断されました。
生後2日目の時点でCOVID-19陽性と判断されましたが、生後6日目には陰性となっておりました。

 

 

②40週4日の時点で、母親がCOVID-19感染による肺炎を認め、帝王切開手術となりました。
児は、傾眠傾向、嘔吐、発熱を認めました。
レントゲン検査では肺炎と診断されました。
生後2日目の時点でCOVID-19陽性と判断されましたが、生後6日目には陰性となっておりました。

 

 

③30週2日の時点で、母親がCOVID-19感染による肺炎と胎児仮死にて帝王切開手術となりました。
児は、肺炎、敗血症,凝固異常を認め、人工呼吸器などの治療を要した。
生後2日目の時点でCOVID-19陽性と判断されましたが、生後7日目には陰性となっておりました。

 

生後間もない児の感染のため、妊娠中の母から子へのいわゆる「垂直感染」が起きた可能性もあるとのことでした。

 

 

 

 

(2)1391人の子どものCOVID-19感染症の報告

 

 corona年齢

 

 

 

corona性差

 

 

 

主な症状

 

corona症状

(③の文献を参照しました。) 

 


9割近くが、家族でのクラスター感染のようです。

 

 

 

 

別の論文によると、子どもの症状は、多くは軽度から中等度です。
しかしながら、1歳未満は割合で言うと、重症と致命的の頻度が他と比べてやや多いので注意が必要です。

 

 

corona重症度

 (④の文献を参照しました。)

 

 

 


まとめると

 

子どもの感染率は高くなさそうであり、多くは軽症から中等度の症状である。
9割近くが、家族内感染が考えられる。

 

しかしながら、1歳未満は、比較的重症化しやすく、また、妊娠中の母から子へのいわゆる「垂直感染」が起こる可能性が否定できない。

 

妊娠中の方、出産されたお母さん、お父さんや家族は、子どものためにもCOVID-19感染の予防に心がけることが大事だと思います。

 

 

院長 今野 秀洋

(参考文献)
①Wu Z , et al.; Characteristics of and Important Lessons From the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Outbreak in China: Summary of a Report of 72 314 Cases From the Chinese Center for Disease Control and Prevention.; JAMA(2020 Feb 24)
②Zeng L et al.;Neonatal Early-Onset Infection With SARS-CoV-2 in 33 Neonates Born to Mothers With COVID-19 in Wuhan, China;JAMA Pediatrics(2020 Mar 26)
③ Lu X, et al.;SARS-CoV-2 Infection in Children;New England Journal of medicine(2020 Mar 18)
④Dong Y,et al.;Epidemiological Characteristics of 2143 Pediatric Patients With 2019 Coronavirus Disease in China.; (2020 Mar 16) 

 


 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.03.13更新

 

新しくCOVID-19に感染した妊婦の中国からの報告がありました。

 

22〜36歳の妊婦の13名

 

症状
37.3℃から39.0℃の発熱が10名(77%)、呼吸困難が3名(23%)

 

 

妊娠28週未満が2名で妊娠後期が11名(妊娠25週〜妊娠38週)

その妊娠28週未満の2名(妊娠25週と妊娠27週)と妊娠33週の1名の計3名が入院後に改善し帰宅となっています。

 

 

残りの10名(妊娠32週〜妊娠38週)は全例帝王切開手術となり、分娩に至っています。

半数は緊急帝王切開術となっております。

 

 

緊急帝王切開術の理由は

胎児機能不全(昔で言う「胎児仮死」)が3名
(妊娠34週の)前期破水が1名
死産が1名

また10名のうち6名が早産(46%)となっています。

 


現時点では、母は全員生存しております。

ただし、死産のケースの妊娠34週の方は、重症肺炎となり、敗血症、多臓器不全にて人工呼吸器を必要とする状態となり、現在もECMO(extracorporeal membrane oxygenation)という心肺補助装置を使用しているようです。

 

 


13名と数が少ないので断言できませんが妊娠後期の妊婦の方が、COVID-19に比較的感染しやすく、重症化しやすい可能性があります。

またCOVID-19に感染すると早産しやすいもしくは早産とせざるを得ない状況になるのかもしれません。

 

 

 

前回のブログで書いたように、妊婦中の方はCOVID-19に限らず感染症は重症化しやすいと考えられており、いつも以上に注意が必要だと思います。


妊産婦さんは、手洗いを徹底し、なるべく不要な外出を控えるようにしましょう。

 

 


院長 今野 秀洋

 

(参考文献)

Liu Y et,al; Clinical manifestations and outcome of SARS-CoV-2 infection during pregnancy;J Infect.;2020

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.03.01更新

COVID-19感染症が流行しているようです。おなかに赤ちゃんがいる方はとても心配な気持ちでおられると思います。

 

現在、妊産婦におけるCOVID-19の報告はほとんどなく情報が少ないのですが、
妊婦中の方は、妊娠していない方と比較して、一般的に感染症は重症化しやすいと考えられております。

 

 

中国から妊娠後期にCOVID-19に感染した報告がありましたのでご紹介します。

 

 

年齢は26〜40歳、妊娠36週から39週の9名の報告です。

いずれも糖尿病や慢性高血圧や心臓血管系などの疾患を持つ方はいませんでした(妊婦さんでは基礎疾患がある方が感染するとは言えないようです。)。しかし、一人だけ妊娠高血圧症候群を発症していた方がいました。

 

 

症状は、以下のようです。

入院時発熱 7名
分娩後発熱 6名
呼吸困難  1名
気分不快  2名
悪寒戦慄  0名

上気道感染症状
咳     4名
咽頭痛   2名
筋肉痛   3名

下痢    1名

 

発熱の方が多いのですが、39℃以上の方はいませんでした。

 

幸い、重症肺炎になった方はいませんでした(2020年2月4日の時点)。

 

 

そして発症後1-7日後に分娩となっています。

 

赤ちゃんの方も重症胎児仮死や胎児死亡及び新生児死亡したケースはありませんでした。

 

 

9名と少ない症例報告なので断定はできませんが、母子ともに重症化していないことは嬉しい情報でした。

 


しかしながら、先ほどお話ししたように、妊婦中の方は、妊娠していない方と比較して、一般的に感染症は重症化しやすいと考えられており、やはりいつも以上に注意は必要だと思います。

 


対策として、妊産婦さんは、手洗いを徹底し、不要な外出を控えるようにしましょう。
また、軽症でもCOVID-19感染症の疑われるような場合は、妊婦健診日を少しずらしても問題ないと思いますので、主治医に電話でご相談して下さい。


WHOが推奨するCOVID-19感染症の予防投与法
https://twitter.com/WHO/status/1218269428166602753/photo/1

 

 


猶、最新のCOVID-19感染症の情報は、日本産婦人科感染症学会のホームページで頻回にアップデートされております(http://jsidog.kenkyuukai.jp/information/)。
是非ご覧になって下さい。

 

 

 

 

院長 今野 秀洋

(参考文献)
1. Huijun Cheney al.;Clinical characteristics and intrauterine vertical transmission
potential of COVID-19 infection in nine pregnant women: a retrospective review of medical records;Lancet;2020
2. ACOG; Practice Advisory: Novel Coronavirus 2019 (COVID-19); https://www.acog.org/Clinical-Guidance-and-Publications/Practice-Advisories/Practice-Advisory-Novel-Coronavirus2019?fbclid=IwAR2jJCsNZ2JrfZfOecynuTLnuco7z5CDp8ZFrk3_v-pdR-LnuNd9cj5Jt-o

 

 

 

 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2020.01.24更新

 

産後は10-20%にうつ病がみられ、妊産婦死亡における自殺の割合が多いことが社会問題となっております。

産後うつのリスク要因として、パートナーの協力不足、社会のサポートが少ないことがあげられます。

 

 

dep1

 

 

 

我々は、産後2週間時と1ヶ月時の健診で、産後のお母さんの体調だけでなく、抑うつ傾向がないかをみております。

また、産後ケアで分娩後の様々なサポートを行っています。
(http://sanolc-around.com/)

 

 

分娩したら終わりではなく、「お母さん」の始まりでもあります。

分娩後は、ご自身の環境の変化と体の変化についていけず、色々と変調を来しやすい状態であることは想像できると思います。

 

 

 

以前より鉄欠乏や貧血と「うつ」との関連性が言われています。
フランスの大規模調査研究では、うつ症状のある者はそうでない者と貧血であることが多く、うつ症状が重度になるに従って、貧血の罹患率が高いことがわかりました。
月経など定期的に出血がある方や栄養不足の方は、注意が必要ですね。

 

 

 

 

今回、産後貧血と産後うつが関係がありそうだという成育医療研究センターからの報告がありました。

977人を解析したところ、196人(20.1%)に産後うつがみられました。

 

また、妊娠中期に193人(19.8%)、妊娠後期に435人(44.5%)、産後に432人(44.2%)に貧血がみられました。

 

貧血のと産後うつとの関連性を調べたところ、妊娠中期、妊娠後期の貧血と産後うつは関連が認められませんでしたが、産後貧血と産後うつとの関連がみられました(Crude OR 1.78(1.30-2.44), Adjusted OR 1.63(1.17-2.26), p値0.004)。

 

 

つまり産後貧血の方の中に、産後うつの人が多いということがわかりました。

分娩時の出血や産後の栄養不足で貧血はおこり、おおよそ二人に一人は貧血状態となります。

 

 


うつ病は様々な要因の組み合わせで発症すると考えれますので、鉄剤内服のみですべてが解決するわけではないとは思います。

しかしながら、一部の人は、産後に鉄剤を内服することにより、産後うつを予防できるかもしれません。

 

dep2

 

 

 

 

 

院長 今野 秀洋


(参考文献)
1. 河上 祥一ら;産褥期の貧血患者に対する人参養栄湯の臨床報告 2016年熊本地震後の産褥EPDS検査を用いた抗うつ効果の後方視野的検討;医学と薬学;76;11;1629-1634;2019

2. :Hidese Shinsuke, et al;鉄欠乏性貧血とうつ病の関連 日本のWebベース研究(Association between iron-deficiency anemia and depression: A web-based Japanese investigation);Psychiatry and Clinical Neurosciences;72;7-8; ;513-521;2018

3.功刀浩;【知っておきたい器質性・症状性・薬剤性の精神障害:Update】栄養素欠乏とうつ病;臨床精神医学;48;1;27-32;2019

4. 高野あずさ;A病院で出産した母親の産後うつに関する背景要因の検討 エジンバラ産後うつ病自己評価表を用いて;滋賀母性衛生学会誌;19;1;29-34;2019

5. Maeda Yet al;Association between perinatal anemia and postpartum depression: A prospective cohort study of Japanese women.;Int J Gynaecol Obstet.;148;48−52;2019

6. H. Vulser et,al.;Association between depression and anemia in otherwise healthy adults;134;2;150-60;2016

 

 

 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

前へ