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2018.05.16更新

最近、妊娠中の運動についての質問が多いです。

「妊娠前からテニスしていたのですが、継続してもいいですか?」、「体重増加が著しいので、運動しようと思います。」、「妊娠を契機にフラダンスを始めてもいいですか?」など。


今回は、妊娠中の運動についてお話ししたいと思います。

 

妊娠中に運動しても大丈夫ですか?

運動pic1

 

 正常な妊娠経過である健康な女性であれば、アメリカ産婦人科学会は「妊娠中の運動は、リスク最小限で有益である」という見解を出しています。

日本臨床スポーツ医会は、「妊婦スポーツは母体の健康の維持・増進などを目的として行われるものである。したがって、妊娠中のスポーツ活動により、母児に何らかの異常が生じては本末転倒である。そこで、母体と胎児に対する十分な安全管理による妊婦スポーツの実施が必要である。」と指針の中で述べています。

 

順調な経過で妊娠による何らかのリスクがなければ、医療管理やサポートがあれば運動することはできます。

 


妊娠中の運動するといいことありますか?

妊娠中に運動することによるメリットはいくつかあります。

①母体の体力の向上ができる
②母体の体重増加を(ある程度)抑制できる
③肥満の方の妊娠糖尿病の発症リスクを減らす
④腰痛予防になる

こうした身体面のメリットだけではありません。
⑤気持ちの面に良い影響を与える    という点もあります。

さらに分娩に関しても良い影響があります。
⑥帝王切開率を減らす
⑦鉗子・吸引分娩を減らす

そして、分娩の後も違います。
⑧産後の体力回復を早める

 

 


私は運動してもいいですか?

日本臨床スポーツ医会の指針では、条件の一つとして「妊娠12週以降」をあげています。
この理由は、妊娠初期は、つわりに伴う栄養や水分の摂取不足気味であったり、不正性器出血や流産などの心配もあるからだと思います。

 

また、以下の項目に当てはまる方は、運動することは勧められません。

 運動fig1

 

 

 

どういう運動はいいですか?もしくはダメですか?


勧められる運動と避けたほうが良い運動があります。

 

運動fig2

 


①(高強度の無酸素運動は避けて、)有酸素運動、かつ全身運動で楽しく長続きするもの。

 

②競技性の高いもの、腹部に圧迫が加わるもの、瞬発性のもの、転倒の危険があるもの、相手と接触したりするものは避ける。

 

③妊娠16週以降は、仰臥位になるようなものは避ける。
なぜかというと、仰向けでいると大きくなった子宮が太い血管を圧迫し、血流が急激に減ります。その結果、血圧が著しく下がり、呼吸困難やめまいなどの症状が現れるからです。

 

 

 

運動中の注意することはありますか?
妊娠中の運動に適した環境があります。

①真夏の炎天下に戸外で行うものは避ける。
胎児の正常な機能発達を阻害しないため、運動中の著しい体温上昇を避けることが大切です。
そのために涼しい環境で、ルースフィットなウエアを着ることが勧められます。

十分な水分補給も大切です。

 

②平坦な場所で行う。
徐々に大きくなるお腹により、姿勢やバランスが少しずつ変わります。
転倒を避けることも大事です。

 

 

妊娠中の運動であり、あくまでも体重を減らすことを目的としているわけではありません。
胎児のためにも、運動前後の適度なカロリー・栄養補給が必要となります。


当然かけられる負荷の程度があることにも注意してください。
アメリカ産婦人科学会では、運動強度を「非常に楽である」から「非常にきつい」の15段階のわけて、その真ん中ぐらいまでにとどめるべきだとしています。

自分でわかる目安として、運動しながら「普通の会話ができる」程度です。

また、日本臨床スポーツ医会において、許容できる運動負荷の評価として、母体心拍数で150bpm以下を推奨しております

例えば、フィットネスジムで心拍計がついているトレッドミルを利用するのもよいでしょう。

 運動pic2

 

 

 

 

 

 

またウェアラブル心拍モニターをつけて、自分で管理しながら運動するのも良いと思います。
高価な高機能なものでなくても、数千円くらいの比較的安価で購入出来るもありますので、そういうものを使用しながら運動するのも、色々と楽しめるかと思います。

運動pic3

 

 

 運動時間は、アメリカ産婦人科学会では、「毎日20-30分くらい」、日本臨床スポーツ医会では「週2〜3回で、1回60分以内」を目安としています。

 

 

しかしながらもし運動により、以下のような症状が出たら運動を中止して医療機関に相談してください。

運動fig3

 

 

最後に

合併症がなく妊娠経過が正常で健康な女性であれば、妊娠中に適度な運動をすることは、リスクも少なく、幾つかのメリットがあります。

 

ルールを守っていただきながら妊娠中に適度な運動をすることを、私は妊婦さんにお勧めします。

 

猶、各個人で異なる点もありますので、運動する前後に必ず医療機関に相談するようにしてください。


院長 今野 秀洋

(参考文献)
1.ACOG Committee Opinion No. 650:Physical Activity and Exercise During Pregnancy and Postpartum Period.:Obstet Gynecol:126:e135-142:2015
2. 臨床スポーツ医学会・産婦人科部会(編):妊婦スポーツの安全基準:2015
3. Dye TD et al:Physical activity, obesity, and diabetes in pregnancy.
:Am J Epidemiol. :146(11):961-965:1997
4. Price BB et al.:Exercise in pregnancy: effect on fitness and obstetric outcomes-a randomized trial:Med Sci Sports Exerc.:44(12):2263-9:2012
5. Stuge B et,al;The efficacy of a treatment program focusing on specific stabilizing exercises for pelvic girdle pain after pregnancy: a two-year follow-up of a randomized clinical trial.:Spine:15;29:E197-203: 2004
6. Kihlstrand M et,al;Water-gymnastics reduced the intensity of back/low back pain in pregnant women.:Acta Obstet Gynecol Scand. :78(3):180-5:1999
7. Ostgaard HC et,al;Reduction of back and posterior pelvic pain in pregnancy.:Spine :15;19(8):894-900:1994
8. Garshasbi A et,al.:The effect of exercise on the intensity of low back pain in pregnant women.:Int J Gynaecol Obstet.:88(3):271-5:2005
9. 梶原 由布ら;妊娠に伴う腰背部から骨盤周囲の疼痛の実態調査:健康科学: 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻紀要 :7巻:29-35:2011
10. 安藤 布紀子ら;妊娠に関連した腰痛と骨盤痛への介入方法における国外文献の検討:甲南女子大学研究紀要:6:77-83:2012
11. 難波 聡:妊娠中・産褥期の適切なトレーニングとは:産科と婦人科:85(4):454-458:2018

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2018.02.17更新

通常は、児が出生した後に胎盤が娩出されます。

しかし、分娩前に胎盤が一部もしくは全体的に胎盤が付着部から剥離が生じることがあります。
これを「常位胎盤早期剥離」と言います。

 

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 もし赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれるとどうなるかというと

①剥離面に出血します。出血で生じた血腫がさらに胎盤を剥がします。すると大量出血となり出血性ショックが起こり、続いて血液を凝固させる因子が消費されて、さらに出血が止まらなくなるという悪循環に陥ります。その結果、母体死亡につながることもあります。

②胎盤が子宮から剥がれると、胎盤・臍帯から胎児への酸素の供給が止まってしまうわけですから、重大な低酸素症を引き起こし、胎児(もしくは新生児)死亡に至ってしまうこともあります。

つまり常位胎盤早期剥離が生じた場合は、母子ともに命に関わる状況に陥る可能性があります。

その頻度は0.5%(200分娩に1件)です。

危険因子は?

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母体年齢により、常位胎盤早期剥離の発生率は上昇します。40歳以上の高齢妊婦さんは、35歳以下の妊婦さんと比較して常位胎盤早期剥離の発生率は2.3倍高いようです。

 

常位胎盤早期剥離の既往がある妊婦さんの、特に胎児死亡を経験している場合、再発率は非常に高いです。

愛知県にある半田市民病院の報告によると、再発率は22%であり、半分の方は初回の常位胎盤早期剥離より1〜3週間早い週数で再発を認めていました。


また2度の重症常位胎盤早期剥離の既往のある方は、3度目の再発リスクは50倍という報告もあります。


③その他、子宮筋腫が胎盤付着部の後方の子宮内膜表面の近くに位置する場合は、胎盤早期剥離を起こしやすいようです。

 


しかしながら常位胎盤早期剥離は突然生じるため、分娩前からいくら注意をしていても予測はできません。

 

胎盤早期剥離した場合、どのような症状がみられますか?

広島市民病院での43例をまとめた報告によると、
出血が15例、腹痛が15例、子宮収縮感が4例、胎動減少が4例でした。
(必ずしも外出血するわけでもありません。)

 

どのような結末になりますか?

常位胎盤早期剥離と判断した場合は、可能な限り急いで分娩とします。

 

同報告によると、

経産婦が25例(58.1%)とやや多く、発症週数は中央値34週(20週〜40週)でした。
母体死亡例はなかったのですが、輸血を要した例が15例、子宮全摘術を要した方が1例でした。

児においては、死亡例が11例(25.6%)、そのうち乳児死亡が1例、子宮内胎児死亡が10例でした。生存した中でも、脳性麻痺が2例、発育発達の遅れが6例にみられました。

 

 


成育医療研究センターが作成した、常位胎盤早期剥離のパンフレットもありますのでご覧になってみてください。
https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/bunben/img/guide_15.pdf

 

最後に

常位胎盤早期剥離は突然生じるため、分娩前からいくら注意をしていても予測はできませんが、胎盤剥離してから、時間が経てば経つほど状況は悪くなりますので、いつもと違うなと思った場合は、早めに病院に連絡するようにしてください。

院長 今野 秀洋

 

(参考文献)
1. 関野 和ら;当院における常位胎盤早期剥離43例の検討;現代産婦人科;64;2;453-459;2016
2. 松川 哲ら;当院における常位胎盤早期剥離55症例の検討 内出血型は外出血型よりhigh riskか;周産期医学 ;46;1;117-120;2016
3. 中田 雅彦ら;【母体救命-産科医とともに】 産科救急疾患 常位胎盤早期剥離; 救急医学;40;9;1037-1043;2016
4. 小塚 良哲ら;当院での子宮内胎児死亡を伴う常位胎盤早期剥離症例の取り扱い;現代産婦人科 ;64;2;165-169;2016
5. 近藤 英治ら;【ここが知りたい 産婦人科周術期管理】 周産期領域 常位胎盤早期剥離; 産科と婦人科;84;2;127-134;2017
6. Furuhashi M, et al. ;Pregnancy following placental abruption.
;Arch Gynecol Obstet;267(1);11-13;2002
7. Willams Obstetrics, 24th ed

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.12.17更新

妊娠の兆しがみられ、うれしく思っていたのに、時として「流産」という悲しい出来事に直面することがあります。

今回は流産についてお話しします。

 

流産ってよくあることですか?

流産は、報告によりますが、約15%(8-20%)、決して低くはない頻度で起こります。

ごく初期の流産だと、月経と勘違いする可能性もありますので、本当の流産頻度はもっと多いのかもしれません。

 

流産しやすい人は、どういう人ですか?リスク因子は?

①35歳以上の高齢妊娠
年齢別の流産率です。

 

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SAtable1  

年齢が上がるにつれて、流産率は上昇します。

 

②流産の既往がある
以前一度流産経験がある方が、次に流産する可能性は、20%ぐらいです。
  (反対の言い方をすれば、次の妊娠がうまくいく可能性は、80%もあります。)

 

③極端に太っている、もしくは痩せている。

BMI 25以上もしくは18.5以下の女性は流産しやすいです。

肥満であればあるほど、流産しやすいです。
 肥満と妊娠についてhttp://www.sanolc.com/blog/2015/10/post-67-430712.html

24738人による統計によると、軽度肥満(BMI 25〜29)で11.8%、高度肥満(BMI 28以上)で13.6%の流産率でありました。

反対に、痩せすぎていても流産しやすいようです。(relative risk 1.08, 95%CI 1.05-1.11)


④妊娠中に喫煙している
1日あたり10本以上喫煙している方は、1.7倍流産する可能性が増えます。
 妊娠中の喫煙について(http://www.sanolc.com/blog/2016/08/post-91-430740.html

 

⑤よく飲酒している
週3回以上飲酒機会がある女性のほうが、流産しやすいという報告があります(odds rate 2.3 95%CI 1.1-4.5)。

 

⑥妊娠中にカフェインをよく摂取している

毎日8杯以上コーヒーを摂取していると、流産するリスクが約2倍以上に増えます。

 

⑦妊娠中に運動をしすぎている
毎週1〜2時間の運動をしている人は1.83倍、5時間以上の方は3.29倍も流産のリスクがあります。

 

⑧妊娠中の重い荷物を持ち上げている
毎日20kg以上の重い荷物を持ち上げている方は、1.31倍の流産のリスクがあります。

 

⑨子宮筋腫がある
特に粘膜下筋腫と言って、子宮内腔に突出しているタイプの子宮筋腫の場合は流産しやすいですし、繰り返す可能性があります。
妊娠と子宮筋腫について(http://www.sanolc.com/blog/2014/04/post-29-430658.html)

 


流産の原因は何ですか?

①胎児染色体異常
おおよそ流産の6割ぐらいの原因は、胎児の染色体異常だと言われています。

 

②先天性奇形
先天性奇形により、これ以上は育つことのできないような厳しい状態であったということではないかと思われます。

 

③感染症
妊娠中に感染すると流産することがあります。
例えば、リステリア、トキソプラズマ、パルボウィルス、風疹、サイトメガロウィルスなどが、代表的です。

リステリアhttp://www.sanolc.com/blog/2017/08/post-130-506296.html
トキソプラズマhttp://www.sanolc.com/blog/2014/10/post-1-430685.html
パルボウィルスhttp://www.sanolc.com/blog/2015/06/post-61-430702.html
風疹http://www.sanolc.com/blog/2016/11/post-97-430748.html
サイトメガロウィルスhttp://www.sanolc.com/blog/2015/05/post-1-430701.html

 

④母体疾患(甲状腺機能異常、副腎機能異常、抗リン脂質抗体症候群など)
もし母体疾患がある場合は、ちゃんと受診し治療をうけておくことをお勧めします。

 

流産したらどういう症状がありますか?

一般的な流産の場合に起こり得る症状は、不正性器出血、下腹部痛です。

子宮内で胎児死亡したものの、そのまま留まってしまうことがあります。こういったケースを、稽留流産と言います。稽留流産の場合は、ほとんど症状はないでしょう。

 

 

流産を予防する方法はありますか?

切迫早産と診断した場合は、自宅安静を勧めております。
また、ケースにより入院治療を勧める場合もあります。

また切迫早産の際、プロゲステロンというホルモンを補充する方法にて予防することもありますが、残念ながら完璧な予防方法はありません。

しかしながら、先に述べた体重や飲酒・喫煙など生活習慣はご自身で気をつけることができると思います。

 


流産の診断となったらどうなりますか?

月経が再来し、排卵をしないと、次の妊娠を期待できません。
つまりこの妊娠を終わらせなければなりません。

速やかに自然流産となった場合は、特に処置する必要はないと思います。

しかし、稽留流産や一部子宮内に妊娠組織が残ってしまう不完全流産などの場合は、対処が必要となります。

治療方法は、2つあります。
(1)自然に排出を待つ待機療法か、(2)流産手術(子宮内掻爬術)です。


(1)を選択することのメリットは、①手術を受けなくて済む、②手術費用はかからないという点です。
一方、デメリットは、①自然排出まで定期的受診が必要となること、②自然排出までの日数が予測困難であり、突然の出血が始まったが、コントロール不能にて緊急手術になる場合があることです。

ある研究では、診断から2週間待機した場合の排出率は、不完全流産は71%、稽留流産は35%でした。
また別の研究で、21日目までに大部分の症例で排出されており(80%)、さらに21日待機した場合と28日待機した場合の排出率はほとんど変わらないという報告がありました。


そうすると診断してから、14〜21日目ぐらいまでは待機療法で自然排出が期待できるのではないかと思います。

しかしながら、私の経験において3週間待機した方が高熱を出し、子宮内感染合併を考え急いで緊急手術としたケースがありました。

色々なご意見やご希望があるとは思いますが、今のところ、予測困難な突然の大量出血を避けたり、子宮内感染なども考慮し、待機治療のタイムリミットは2週間程度ではないかと私は考えています。


まとめ

残念ながら流産は、医療が進歩した現在でも決して珍しくはない現象であります。
幾らかの方法で未然に防ぐこともできますが、多くは自然に起こりうるものであると思います。

もし流産が判明した場合は、個々で対応が異なりますので、主治医とよく相談していただくと良いと思います。

院長 今野 秀洋

 

(参考文献)

1. 光田 信明ら:当センターにおける稽留流産の治療成績 待機的管理と外科的治療の比較:産婦人科の実際 :66:8:1051-1055:2017

2. 福原 健ら:【周産期医学必修知識第8版】産科編 流産:周産期医学:46:増刊:214-216:2016

3. 倉品 隆平ら:【周産期医学必修知識第8版】産科編 絨毛膜下血腫
:周産期医学 :46:増刊 :211-213:2016

4. 高森 亮輔ら:流産胎児の染色体分析結果(平成27年度):富山県衛生研究所年報:39:39-41:2016

5. 藤田 太輔:流産後の次回妊娠開始時期について(Q&A):産婦人科の進歩:68:4:396-397:2016

6. 大槻 克文ら:【周産期管理がぐっとうまくなる!ハイリスク妊娠の外来診療パーフェクトブック】 産科合併症の管理 切迫後期流産・切迫早産:産婦人科の実際:65:10:1233-1241:2016

7. 深見 武彦:【周産期管理がぐっとうまくなる!ハイリスク妊娠の外来診療パーフェクトブック】 産科合併症の管理 切迫前期流産・絨毛膜下血腫:産婦人科の実際:65:10:1225-1232:2016

8. 大内 望:周産期と死亡を考える】 流産・習慣流産の疫学:周産期医学:46:3:257-260:2016

9. Chatenoud L, et al.:Paternal and maternal smoking habits before conception and during the first trimester: relation to spontaneous abortion.:8:8:Ann Epidemiol:
1998

10. Wang X, Chen C, et al.:Conception, early pregnancy loss, and time to clinical pregnancy: a population-based prospective study. :Fertil Steril :79:577:2003;

11. Windham GC, et al. :Moderate maternal alcohol consumption and risk of spontaneous abortion.:Epidemiology:8:5:509:1997;

12. Li DK, Liu L, et al. Exposure to non-steroidal anti-inflammatory drugs during pregnancy and risk of miscarriage: population based cohort study.:BMJ:327:368:2003

13. Hekmatdoost A, et al. :Methyltetrahydrofolate vs Folic Acid Supplementation in Idiopathic Recurrent Miscarriage with Respect to Methylenetetrahydrofolate Reductase C677T and A1298C Polymorphisms: A Randomized Controlled Trial.:PLoS One:10:12:e0143569:2015

14. Krabbendam I, et al. :Pregnancy outcome in patients with a history of recurrent spontaneous miscarriages and documented thrombophilias.:Gynecol Obstet Invest. 2004;57(3):127. Epub 2003 Dec 23.

15. Shi H, et al. :NAD Deficiency, Congenital Malformations, and Niacin Supplementation.:N Engl J Med:10:377:544-552:2017

16. Jamieson DJ, et al. :Lymphocytic choriomeningitis virus: an emerging obstetric pathogen?:Am J Obstet Gynecol. :194:6:1532:2006

17. Tuuli MG, et al.:Perinatal outcomes in women with subchorionic hematoma: a systematic review and meta-analysis.:Obstet Gynecol:117:5:1205: 2011


18. Nybo Andersen AM, et al.:Maternal age and fetal loss: population based register linkage study.:BMJ:24:320:1708-12:2000

19. Levy B, et al.:Genomic imbalance in products of conception: single-nucleotide polymorphism chromosomal microarray analysis.:Obstet Gynecol. :124:202-9:2014

20. Feodor Nilsson S, et al. :Risk factors for miscarriage from a prevention perspective: a nationwide follow-up study.:BJOG:121:11:1375-84:2014

21. Haas DM, et al. :Progestogen for preventing miscarriage.:Cochrane Database Syst Rev. 2013

22. Gaskins AJ, et al.:Maternal prepregnancy folate intake and risk of spontaneous abortion and stillbirth.:Obstet Gynecol:124:23-31:2014

23. Aleman A, et al.:Bed rest during pregnancy for preventing miscarriage.:Cochrane Database Syst Rev:2005

24. Smith LF, et al.:Incidence of pregnancy after expectant, medical, or surgical management of spontaneous first trimester miscarriage: long term follow-up of miscarriage treatment (MIST) randomised controlled trial.:BMJ:339:b3827:2009

25. Abortion. In: Williams Obstetrics: McGrawHill-Education:2014

26. Nanda K, et al.:Expectant care versus surgical treatment for miscarriage.:Cochrane Database Syst Rev:2012

27. Luise C, et al.:Outcome of expectant management of spontaneous first trimester miscarriage: observational study.:BMJ:324:873: 2002

28. Schliep K, et al.:Trying to conceive after an early pregnancy loss: An Assessment on How Long Couples Should Wait:Obstet Gynecol:127:2:204-12:2016

29. Bhattacharya S, et al.:Recurrent miscarriage: Are three miscarriages one too many? Analysis of a Scottish population-based database of 151,021 pregnancies.:Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol:150:1:24-7:2010

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.11.26更新

妊娠は判明したけど不正性器出血がありますが大丈夫でしょうか?
こういうケースは、少なくないです。
今回は、絨毛膜下血腫についてお話ししたいと思います。


絨毛膜下血腫とは?

絨毛膜下血腫は、妊娠初期や中期にみられる胎嚢の周りにみられる血液が溜まった部分のことを言います。

 

 絨毛膜血腫

 

 

不正性器出血で気づき、超音波検査で診断がつきます。

報告によりますが、全妊娠の0.5%から22%ぐらいの頻度であるようです。

多くの場合が、安静などの自然経過で改善します。

しかしながら、中には流産や子宮内胎児死亡に至るケースもあります。

 


絨毛膜下血腫を発症した方1735人と対照群70703人を比較検討した研究があります。

この研究によると
絨毛膜下血腫を発症した方は、 約2倍の流産発症リスクや子宮内胎児死亡リスクがあります
(流産:OR2.18, 95%CI 1.29-3.68、子宮内胎児死亡:OR2.09,95%CI 1.20-3.67)。

また、妊娠初期だけではなく、その後の妊娠経過にも影響を与える場合もあります。


常位胎盤早期剥離:OR5.71, 95%CI 3.91-8.33
(常位胎盤早期剥離については、国立成育医療センターのパンフをお勧めします。https://www.ncchd.go.jp/hospital/pregnancy/bunben/img/guide_15.pdf
早産:OR1.40, 95%CI 1.18-1.68
早産期の破水:OR1.64, 95%CI 1.22-2.21

もちろん絨毛膜下血腫を気にしすぎることはないのですが、妊娠初期に絨毛膜下血腫を指摘されたり、比較的長期に渡る不正性器出血がある場合は、少し注意が必要ではないかと思われます。
ご心配なことやご不明なことは、ぜひ主治医に相談してください。

院長 今野 秀洋


(参考文献)
Tuuli MG,et al.; Perinatal outcomes in women with subchorionic hematoma: a systematic review and meta-analysis. : Obstet Gynecol ;117(5):1205;. 2011

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.10.24更新

以前のブログで妊娠高血圧症候群(HDP)が、将来生活習慣病になる可能性が高いので気をつけてましょうという話をしました。

今回は妊娠糖尿病(GDM)のお話です。

妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常のことです。(妊娠前から糖尿病と診断されている場合は妊娠糖尿病には含めません。)

日本産婦人科学会のホームページによると、頻度は7〜9%ぐらい(当院で出産した方のデータでは1%くらい、これはおそらくハイリスク妊娠の方は、高次施設に紹介させていただいているのではないかと思います。)

お母さんが高血糖であると、おなかの中の赤ちゃんも高血糖になり、さまざまな合併症が起こります。

GDM合併症

赤ちゃんが大きくなりすぎた場合や、お母さんの合併症が重度な場合は、お母さんや赤ちゃんを守るために、帝王切開が選択されることもあります(GDMの方は19.3〜30.9%と帝王切開率が高いです)。

 

実はGDMは妊娠高血圧症候群と同じく、妊娠・出産時だけでなく、出産後にも注意が必要です。

幾つかの調査報告があります。

(1) GDMと診断された方が将来糖尿病になる危険率は、GDMではなかった方の約7倍だった。

675455人の女性を調べた英国の報告によると、

2型糖尿病の発症数/GDM発症数       3997人/31867人
2型糖尿病の発症数/GDM発症しなかった数 6862人/643588人

GDMと診断された方が将来2型糖尿病を発症した割合とGDMでなかった方が2型糖尿病を発症した割合を比較したところ、GDMの方が7.4倍糖尿病を発症することがわかりました。

(2) GDMと診断された方が、分娩後5年の時点で糖尿病に進展しているケースが20%だった。

日本の1041名を調べたデータ解析によるとGDMと診断された方が、分娩後5年の時点で、糖尿病に進展しているケースは20%でした(GDMでなかった方が、糖尿病に進展したのは1%)。
GDMから糖尿病に進展するリスク因子は、

①妊娠前BMI≧25kg/㎡
②GDM診断時のHbA1c(過去1-2ヶ月の血糖値の平均を反映するものです)≧5.6%
③分娩時年齢35歳未満

などです。

(3) 産後3年から15年経過した方を調査したところ、GDMと診断した方の47%が糖尿病もしくは糖代謝異常と診断されていた。

こちらも日本のデータで、GDMと診断された202人を調査したところ、 産後3年から15年経過した時点で、47%が糖尿病もしくは糖代謝異常と診断されていました(GDMでなかった60人のうち糖代謝異常となっていた方は0人)。

(4)胎児期の子宮内環境が子供に影響を与える可能性がある。

GDMから生まれた児の方が、9歳で肥満度も腹囲も大きい傾向があったという報告があります。


まとめると
GDM既往の方は、将来糖尿病発症予備軍であります。また、お母さんだけの問題ではなく、お子さんにも影響が出るかもしれません。

GDMと診断された方は、妊娠中だけでなく産後の生活も気をつけるようにしてください。

院長 今野 秀洋

(参考文献)
1.荒田 尚子ら;糖尿病女性とウィメンズヘルスケア 妊娠を起点とした将来の女性および次世代の糖尿病発症予防のために;糖尿病と妊娠 ;15;1;56-64;2015
2. 荒田 尚子;妊娠を起点とした将来の女性及び次世代の糖尿病・メタボリック症候群発症予防のための研究;平成26年度厚生労働科学研究費補助金
3. 和栗雅子:新診断基準によって診断された妊娠糖尿病合併女性の糖代謝 予後に関する研究:平成26年度厚生労働科学研究費補助金
4. Bellamy L,et al. ;Type 2 diabetes mellitus after gestational diabetes: a systematic review and meta-analysis.;Lancet;23;3731773-9 ;2009
5. 難波光義ら;「妊娠と糖尿病」母児管理のエッセンス;金芳堂
6. 日本産婦人科学会ホームページ:http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/ninshintonyobyo.html

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.09.30更新

10月2日から妊婦さん向けにインフルエンザワクチン接種を開始します。

すべての妊婦さんに対して、日本、米国におけるガイドラインでは、インフルエンザワクチン接種を推奨しております。

それには理由があります。

お母さんにとってのメリットとは?

過去の調査では、妊娠中にインフルエンザに感染すると重症化しやすいことがわかりました。
こじらせて心肺機能が悪化し、入院治療を要する、リスクが上がります。
このリスクは出産に近づくほどに高くなり、最大4.67倍まで上昇します。

出産後、生後6ヶ月未満の赤ちゃんにはインフルエンザワクチンを接種することができません。
赤ちゃんが感染することを防ぐには、まずお母さんがかからないようにすることがまず大事だと思います。そのために、お母さんに接種を勧めます。これは一緒に住むご家族も同じですね。是非ご家族の方も予防してください。


赤ちゃんにとってのメリットとは?

胎児への影響が心配だというご質問がよくありますが、現在使用されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンであるので、胎児に対する影響や問題はないです。

さらに、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種すると、お母さんの体に抗体が産生されますが、それが胎盤を通過して、胎児に移行することがわかっております。
つまり、妊娠中にインフルエンザワクチンを接種すると、生まれた赤ちゃんはインフルエンザにかかりにくくなる、重症化を避けやすくなるであろうと考えられます。
実際のところ生後6ヶ月までに63%のインフルエンザ感染を減らせたとのデータがあります。

インフルベビー


もちろん、アレルギー等の副作用には注意しないといけません。
特にワクチン等に対するアレルギーがない妊娠中の方とその家族、それから近いうちに妊娠を希望している方には、私は接種することをお勧めしています。

当院では、妊婦さんがより安心して頂けるように防腐剤の入っていないワクチンも用意しております。

院長 今野 秀洋

(参考文献)
1. Madhi SA, et al. ;Influenza vaccination of pregnant women and protection of their infants.;N Engl J Med. ;2014; 4;371(10):918-31.
2. Zaman K,et al. ; Effectiveness of maternal influenza immunization in mothers and infants.;N Engl J Med. ;2008;9;359(15):1555-64.
3. Neuzil KM, et al.; Impact of influenza on acute cardiopulmonary hospitalizations in
pregnant women. ;1998 Dec 1;148(11):1094-102.
4. 二井 立恵ら;妊婦におけるインフルエンザワクチンの免疫原性・安全性;小児科;   
 2012;53;4;497-503
5. 二井 立恵ら;ワクチン歴による妊婦のインフルエンザ赤血球凝集抑制抗体の保有状況と児へ
の抗体移行に関する検討;小児科臨床;2010;63;11;2329-2336
6. 日本産婦人科学会 産婦人科診療ガイドラインー産科編2014

(2016のブログを一部修正して掲載しています。)

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.09.27更新

妊娠高血圧症候群(Hypertensive disorder of pregnancy:HDP)という言葉をご存知でしょうか?

妊娠高血圧症候群とは、かつて妊娠中毒症と呼ばれていたもので、「妊娠20週以降,分娩12週までの間に高血圧が反復してみられる場合,またはこのような高血圧に蛋白尿や全身の臓器障害を伴う場合のいずれかで,かつ,これらの症状が単なる妊娠の偶発合併症によらないもの」です。
(さらに,高血圧が妊娠前あるいは妊娠20週までに存在し,加重型妊娠高血圧腎症を発症していない場合を高血圧合併妊娠(chronic hypertension)としてHDPに加える、ことになりました。)


もし妊娠期間中に、妊妊娠高血圧症候群となってしまった場合、お母さんと赤ちゃんの状態を悪くする病気を合併する場合があります。    

例えば、子癇、脳出血、常位胎盤早期剥離、HELLP症候群、肺水腫など。つまり、とても危ない状況になる可能性が高くなります。

 

そして妊娠高血圧症候群は、実は今回の妊娠だけの問題ではありません。
以下の3つの問題があります。

①妊娠高血圧症候群となった方のうち、22%は高血圧に移行します。

また、その他の生活習慣病との関連指摘した報告もあります。

40歳以上の日本人女性101人を、母子手帳でかつて妊娠高血圧症候群があったことを確認し、そして現在、生活習慣病を治療しているかどうか調べています。

妊娠高血圧症候群の既往の方のほうが、高血圧や高脂血症の治療を何倍も必要としていたという結果が出ました。

 

HDP 

②次回妊娠時の再発リスクがあります。

次回妊娠時の再発率は5.9%、再発リスクは8.6倍高いと言われています。

 

③次の世代への影響もあります。
45歳以上である日本人女性の経産婦10456人を対象とした研究があります。
その結果、本人だけでなく、娘にも影響が出ることがわかりました。

母親に妊娠高血圧症候群の既往があると娘の妊娠高血圧症候群の発症リスク 2.59倍 (2.20-3.05)

つまり、妊娠高血圧症候群は、妊娠中だけの問題でもありませんし、本人だけの問題でないというわけです。

また、このような報告もあります。
重症妊娠高血圧腎症やHELLP症候群(いずれも妊娠高血圧症候群の一種です)の既往がある女性の第一度近親者(親子や兄弟)において、60歳より前に、高血圧もしくは高コレステロール血症になる可能性が高い。 2.6倍(1.5-4.3)

 

まとめ
①妊娠高血圧症候群の既往がある方は、将来生活習慣病になる可能性が高いので、気をつけてください。若いうちから肥満にならないように食事に気をつけ、運動するとよいと思います。

②妊娠高血圧症候群の既往がある方は、ご自身だけでなくご家族も妊娠高血圧症候群やまた将来高血圧や高コレステロール血症になる可能性があるので、ご家族の方に、普段から生活を気をつけるようにお話をしてください。

 

院長 今野 秀洋

 

(参考文献)

1. Watanabe K, et al. ; Pregnancy-induced hypertension is associated with an increase in the prevalence of cardiovascular disease risk factors in Japanese women.
; Menopause; ;22(6):656-9; 2015
2. Kurabayashi T, et al. ; Pregnancy-induced hypertension is associated with maternal history and a risk of cardiovascular disease in later life: Japanese cross-sectional study.
Maturitas;75(3):227-31;. 2013
3. Roes EM, et al.; Severe preeclampsia is associated with a positive family history of hypertension and hypercholesterolemia.; Hypertens Pregnancy;24(3):259-71; 2005
4. 妊娠高血圧症候群の診療指針 2015
5. http://www.jsshp.jp/journal/pdf/20170810teigi_kaiteian.pdf
6. http://jsshp.umin.jp/i_9-qa_use.html

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.08.26更新

暑い季節は、食中毒が多くなります。

食中毒を起こす原因となる細菌の一つに、リステリア菌があります。
我が国におけるリステリア感染の発症件数は一年間で83件、人口100万人当たり発症頻度は0.65と報告されており、比較的稀でありますが、妊娠中は非妊娠時と比較して約17倍感染しやすいと言われており、注意が必要です。

リステリア感染症とは
リステリア菌は、土壌、河川、動物の腸管内などの自然界に広く分布しており、私たちがリステリアに汚染した食品を摂取することにより発症します。
経口的に侵入した菌は、腸管から全身に広がり、脳や骨髄に重篤な症状を引き起こします。


高塩濃度下でも(10%食塩加ブイヨンでも増殖できる)、-1.5℃〜45℃(つまり低温度環境下でも)で増殖が可能です。
つまり、塩漬けでも、冷蔵庫での管理でもダメということです。

かつては、生の輸入食材などが感染源とされていましたが、国内でも自家製ナチュラルチーズの汚染を原因とした38人のリステリア集団感染が発症しております。

ただし、70℃以上の温度で死滅するため、加熱殺菌が可能です。

上記の特徴から、リステリア菌は加熱を必要としない、いわゆるRead-to-eat食品やチーズなどの乳製品からの感染が問題になります。

 

ソーセージ

 ソーセージ

 

ハム

ハム

サラダ

サラダ

 

妊娠中感染するとどうなるの?

妊娠中の場合、発症までの潜伏期間は平均27.5日(潜伏期間は17〜67日)であり、リステリア菌が腸管から侵入した後、脳や血液に移行します。
リステリア感染が中枢神経系にみられる場合には、潜伏期は平均9日(1〜14日)、菌血症の場合は平均2日(1〜12日)、発熱を伴う胃腸炎の場合は、平均24時間(6〜10日)で発症すると言われています。

リステリアデータ

 最も問題なのは、「胎内感染」です。

つまり妊婦さんがリステリアに感染すると、胎盤を通過して赤ちゃんへの感染することがあります。
妊娠中のリステリアに感染した222例を集めた報告によると、20%に流産もしくは子宮内胎児死亡がありました。これは、感染した週数が早いほど予後が不良でした。

また、生存し分娩に至った児のうち68%に新生児リステリア感染症が認められました。
新生児感染は肺炎、敗血症、髄膜炎が主であり、治療したにもかかわらず24%が死亡、12%に神経学的後遺症を認めました。

リステリア感染症になった場合どうすればいいの?

感染が判明した場合、抗生剤を開始します。
しかしながら大事な事は、予防だと思います。
なるべく感染する可能性のある食品を避けるようにしましょう。

①生もの、加工済みの食品は、加熱する。
②生野菜はよく洗う。
③無殺菌の牛乳は避ける。
④チーズを選ぶ場合、ソフトタイプは避け、ハードタイプのものを摂取する。

まとめ
リステリア感染症というものは、あまり認識が高くないと思われますが、妊娠中に感染すると、ご自身だけではなく、お腹の中の赤ちゃんにも影響が出ることがありますので、注意が必要です。

院長 今野 秀洋


(参考文献)
1. 河村 伊久雄;【食の安全と微生物汚染】 リステリアによる食中毒の世界的動向と病原性;化学療法の領域 ;32巻4号 ;610-616;2016
2. 園田 正樹ら;妊娠21週で流産に至ったリステリア感染症合併妊娠の一例;関東連合産科婦人科学会誌 ;52巻4号;617-622;2015
3. 小野木 さちえら;リステリア菌による子宮内感染をきたし子宮内胎児死亡に至った1例;東京産科婦人科学会会誌;64巻2号;190-194;2015
4. 手島 映子ら;新生児死亡の転帰をたどった侵襲性妊婦リステリア感染症の1例;日本周産期・新生児医学会雑誌;51巻2号;643;2015
5. 河村 伊久雄;【人獣共通感染症の動向と対策】 細菌 リステリア症;臨床と微生物 ;42巻1号;015-020;2015
6. 松岡 隆ら;【周産期感染症2014】 産科からみた周産期感染症 妊婦のリステイラ感染症;周産期医学;44巻増刊;107-110;2014
7. 竹内 沢子ら【性感染症と母子感染-最新の診断と管理】 母子感染 最新の管理法 リステリア;臨床婦人科産科;67巻1号;123-127;2013
8. 竹田 善治ら;【妊婦の感染症】 妊婦の感染 胎児への影響と対策 リステリア;臨床婦人科産科;62巻6号;834-837;2008
9. 竹田 善治ら;【母子感染-最新の管理指針を考える】 細菌などの母子感染とその管理 リステリア症;臨床婦人科産科;54巻11号;1310-1312;2000
10. 佐藤絢子ら;妊娠中に無菌性髄膜脳炎を発症した一例;仙台市立病院医誌;33;21-24;2013
11. Silk ,et al;Invasive listeriosis in the Foodborne Diseases Active Surveillance Network (FoodNet), 2004-2009: further targeted prevention needed for higher-risk groups.;Clin Infect Dis;54 Suppl 5;S396-404;2012
12. Eleftherios M, et al : Listeriosis During Pregnancy, A Case Sereies and Review of 222 Cases. ;Medicine; 81 :260-269;2002
13. Janakiraman V;Listeriosis in pregnancy: diagnosis, treatment, and prevention.;Rev Obstet Gynecol.;1(4);179-85;2008
14. https://www.cdc.gov/listeria/risk-groups/pregnant-women.html
15. https://www.cdc.gov/features/prenatalinfections/index.html

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.06.01更新

以前、ブログで臍帯血保存についてお話ししました。
脳性麻痺の子どもに対してその臍帯血を用いた臨床研究が高知大学医学部附属病院で進んでいるようです。

 
脳性麻痺とは、受胎から新生児期までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく、永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常です。

出生前後の低酸素や感染症等により脳が障害を受けることによって引き起こされることがありますが、原因が分からない場合も少なくありません。

そういったお子さんの状態を少しでもよくすることができる可能性があります。

このような臨床研究が順調に進んで、一人でも多くの方が救われるといいですね。

臍帯血保存についてご興味がある方は、ステムセル研究所のHPを拝見してみてはいかがでしょうか。

 

院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2017.05.03更新

先日、妊娠されていた方がオウム病にて死亡したニュースが取り上げられていました。(http://www.sankei.com/life/news/170409/lif1704090032-n1.html

これに対して、厚生労働省健康局結核感染症課から連絡もありました。(http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20170329_kourousho.pdf

亡くなった方に対して、深く哀悼の意を表します。


オウム病とは何でしょうか?

オウム病は感染症の一つであり、原因菌であるオウム病クラミジア(Chlamydophilia psittaci)は鳥類とヤギや羊などの哺乳動物を宿主としています。

感染した排泄物を含む塵埃を吸引することで経気道的に人へ感染し、肺炎などの急性気道疾患を起こします。

その名の通りオウム・インコからの感染が多いようですが、農場夫の感染も報告としてあります。

 


文献によると、オウム病の感染患者報告数は決して多くはないようです。

 

 

また、春が比較的感染数が多いようです。


妊娠中にオウム病にかかった場合は、どうなりますか?

報告数は多くはないです。

妊娠初期に感染した場合は、流産します。

妊娠22週から36週でオウム病に感染した8例をまとめた報告がありました。

(症状)
発熱     8人/8人
頭痛     8人/8人
腹痛     5人/8人
嘔気・嘔吐  4人/8人
胸痛     2人/8人

論文中では、インフルエンザに似たような症状とも表現されていました。

(合併症)
血小板減少   7人/7人 (不明1人)
肝機能障害   6人/8人
急性呼吸不全 6人/8人
心機能障害   5人/8人
DIC   4人/8人
腎機能障害   4人/8人


妊婦さんと赤ちゃんはどうなりますか?

先に書いたように、命に関わるような重篤な合併が多いです。
また、子宮内胎児死亡や陣痛が急速に始まります。

妊婦生存 7人/8人
児生存  2人/8人


まとめると
妊娠中にオウム病にかかることはあまりありませんが、かかった場合は重篤な状況に陥いると思われます。

妊娠中は、オウムなどの鳥類だけではなく、ヤギや羊などと接触することはなるべく避けるべきだと思います。

院長 今野 秀洋

(参考文献)
1. 岸本寿男:【人獣共通感染症の動向と対策】 リケッチア、クラミジア オウム病オウム病:臨床と微生物:42:1:57-61:2015
2. Janssen MJ,et al. :Sepsis due to gestational psittacosis: A multidisciplinary approach within a perinatological center--review of reported cases.: Int J Fertil Womens Med. :51(1):17-20:2006
3. Hyde SR,et al. : Gestational psittacosis: case report and literature review.
Mod Pathol. :10(6):602-7:1997

投稿者: 佐野産婦人科医院

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