スタッフブログ

2014.05.24更新

ミレーナとは
妊娠を防ぐために子宮内装着する器具(いわゆる避妊リング)の一つです。
以前より、避妊リングは各種ありましたが、ミレーナの大きく異なる点は、システム内に黄体ホルモンの一つであるレボノルゲストレルが入って持続的に流出することにより、さらに妊娠を避けることができる所です。



メリットは?
要するに避妊リング+避妊用ピルの効果があります。

①長期の高い避妊効果があります。
2245例のおける5年目までの累積妊娠率は0.71%です。

②飲み忘れるという心配はありません。
避妊用ピルは、毎日内服する必要がありますが、避妊リングではそれがありません。

③コスト削減できます。
初期費用が60000円と高いのですが、5年間使用した場合は、避妊用ピルを使用した場合の半分以下ですみます。(3年使用でも避妊用ピルの方が高くなります。)

④月経量が多い方、月経痛が強い方にも勧められます。
避妊用ピルを使用すると月経量や月経痛がよくなることがあり、その効果も期待出来ます。
最近、この効果に非常に注目されています。

⑤局所のみに黄体ホルモンを効かせることができます。
内服の場合は、全身に行き渡るので、頻度は少ないものの副作用(例えば血栓症など)が生じる可能性があります。
しかし、ミレーナは局所に黄体ホルモンを放出しているので、その可能性はさらに低くなると考えられます。

デメリットは?
①初期に不正出血を認めることがあります。
月経時期ではないタイミングで、少量の不正出血を使い始めに認める事があります。

②長期挿入にて感染の原因となることが稀ですがあります。

③自然排出してしまうことが稀ですがあります。



避妊を考えている方で、ミレーナをおすすめしたい人は?
・経腟分娩後の長期避妊を考えている方
 (経腟分娩をしていない方は子宮口が狭く、挿入困難な場合があります。)
・基礎疾患のない月経量が多い方、月経痛が強い方
・年齢が高め、肥満、喫煙者など、ピルをどちらかというとあまりおすすめ出来ない方

挿入できるタイミングは?
月経の終わりかけが最適です(月経開始から7日以内)。

2014.05.23の時点では保険適用外なので、高額になりますが、使用した方の約98%の人はミレーナに満足しているというデータもあります。

色々な避妊方法がありますが、それぞれメリット、デメリットがあります。
今は妊娠を避けたいと考えている方、皆さんのライフスタイルにあわせて選択して頂けたらと思います。
外来で我々に相談して下さい。

副院長 今野 秀洋

参考文献
Levonorgestrel-Releasing Intrauterine System and Endometrial Ablation in Heavy Menstrual Bleeding A Systematic Review and Meta-Analysis
Kaunitz AM, Meredith S, Inki P, Kubba A, Sanchez-Ramos L.
Obstet Gynecol. 2009 May;113(5):1104-16.

投稿者: 佐野産婦人科医院

2014.05.14更新

外陰部にできたイボに気づいて、来院する方がいらっしゃいます。
いくつかの疾患が考えられますが、そのうちの一つである、尖圭コンジローマについてお話しをします。

尖圭コンジローマとは
性器へのヒトパピローマウィルス(HPV)感染症で、大部分が性行為により感染します。
(HPVにはいくつかの型がありますが、尖圭コンジローマを発症するのはHPV6あるいは11型です。以前子宮がん検診についてお話(http://www.sanolc.com/blog/blog/2013/10/)しましたが、異なるHPVの型に感染すると、子宮頸癌が発症することがあります。)



図で示す位置に、数ミリ程度から時に1cm以上、乳頭状に増殖する淡紅色から褐色の病変です。
また、子宮頚部に発症することもあります。

実際の画像は、こちらを参照してみて下さい。(http://dermis.multimedica.de/dermisroot/en/14295/diagnose.htm

潜伏期間は?
1971年の研究によると、97人の男女が尖圭コンジローマをもったパートナーと性行為を行ったところ62人(64%)に尖圭コンジローマが発症したとのことです。
その発症までの期間が3週間から8ヶ月で、平均2.8ヶ月であったようようです。


頻度は?
厚生労働省の定点観測のデータによると、女性では20代に感染が多くみられます。
残念ながらここ10年以上発生頻度は減少しておりません。




治療方法は?
①イミキモド5%クリーム(ベセルナクリーム5%)
2007年より本邦でも使用可能となっています。週3回患部に就寝前に塗布し、翌朝洗い流します。
侵襲も少なく、瘢痕などの副作用も少ないのが利点です。

②凍結療法
液体窒素を用いて患部を凍結させます。

③電気焼灼
局所麻酔下に電気メスを用いて焼灼します。

④外科的切除

より大きな病変に対しての治療は、③や④となると思われます。

その他、ポドフィリンや5FUやインターフェロンなどを用いた治療もありますが、現時点において日本では認可されていません。

当院では、①③④の方法を用いて治療しております。

治療の問題点
治療の時点で、見えているすべての病変を除去しても、実は既に別の場所に感染している可能性があり、しばらく注意が必要です。
調査では外科的切除や電気焼灼施行例では18.3%、凍結療法では13.8%で再度発症を認めたようです。それまでの期間は平均3ヶ月なので、治療後少なくとも数ヶ月は経過観察が必要と思われます。


発症すると、長期治療を要することになります。
根治しないままに性行為を行うと、パートナーに感染させてしまいかねません
おかしいなと思ったら、早く受診し、しっかりと治療することををお勧めします。

副院長 今野 秀洋


参考文献

1. 日本性感染症学会誌 第22巻 第1号 性感染症 診断・治療ガイドライン 2011
2. 性感染症 改訂2版 福岡大学教授 田中正利 編集
3. Oriel JD:Natural history of genital warts. Brit. J. Vener. Dis.,47:1-13 1971

投稿者: 佐野産婦人科医院

TEL 047-352-5705 分娩・時間外緊急専用電話 047-303-3020
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