スタッフブログ

2021.09.25更新


日本産婦人科学会のホームページにCOVID-19に感染した180人の報告がアップされていました。
その資料(https://www.jsog.or.jp/news/pdf/COVID-19_20210915b.pdf)を要約してみました。

 

 

 

(1)妊婦さんにおける重症度の割合

 

COVID割合


ちなみに重症度の分類は以下のようになっております。

「軽症」とは、呼吸器症状なしor咳なし・肺炎症状を認めない、spO2≧96%
「中等症 I」とは、呼吸困難・肺炎所見、93%<spO2<96%(呼吸不全なし)
「中等症 II」とは、酸素投与が必要、spO2≦93%
「重症」とは、ICUに入室or人工呼吸器が必要


入院が必要となる中等症以上は47人(26.1%)であり、つまり約4人に1人が入院を要する状況だったと思われます。
一方、軽症者が約7割で、そのうち有症状は116人(64.4%)でした。

 

 

 


(2)診断週数と重症度

 

 

COVID診断週数

 

 

妊娠初期から分娩時まで幅広く分布しておりますが、グラフから中期から後期が比較的多いような印象を受けます。

 

 

 

  

(3)年齢と重症度

 

 

  

COVID年齢

 

 

グラフからは、29歳以下では重症者はいないようです。

 

 

 


(4)中等症 II・重症のリスク

 

 

・母体年齢 31歳以上  1.26倍
・妊娠週数 25週以降  1.32倍
・BMI 26.3以上 1.23倍
・呼吸器疾患の既往   1.36倍
・アレルギー歴     1.33倍

 

上記に当てはまる方は少し注意が必要です。

 

 

 

(5)産科合併症

全体の早産率が23.5%、軽症・中等症 Iが12.5%、中等症 II・重症では57.1%(p<0.001)と
母体の状況悪化による人工早産の影響があるのか、早産が増えるようです。

また、重症化するにつれて妊娠糖尿病発症も高くなる(軽症・中等症 Iが1.6%、中等症 II・重症では14%(p=0.045)ことがわかりました。

 

 

 

 


(5)児に関する情報

 

 

新生児感染はないようです。
死産や新生児死亡もないようです。

 


まとめると
・重症化すると早産率が増加する
・31歳以降、妊娠25週以降、BMI26.3以上、喘息などの呼吸器疾患の既往、アレルギーの既往はCOVID-19重症化のリスクである。

 

院長 今野 秀洋

 

(参考資料)

日本産婦人科学会ホームページより;https://www.jsog.or.jp/news/pdf/COVID-19_20210915b.pdf

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.09.15更新

妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方は、新型コロナワクチン接種が推奨されております。

(厚労省ホームページよりhttps://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html

 

 

 

妊娠中である16歳から54歳、35691人を調べた報告があります。

ファイザー社ワクチンを接種した方が19252人、モデルナ社ワクチンを接種した方が16439人の計35691人を調査しております。

 

 

各社ワクチンの副反応の頻度を表にしております。

 

vaccine

 

 

 

妊娠していない方と比較してみたところ、「注射部位痛」は頻度が少し多かったものの、「頭痛」、「筋肉痛」、「寒気」、「発熱」は発生頻度が少ない傾向がありました。

 

 

 

また、妊娠中の流早産や児への影響についても調べてあります。

 

outcome

 

 

予後も接種有無で変わらないようです。

 


まとめると

妊娠中の新型コロナワクチン接種による副反応は認めるものの、重篤化することはなさそうです。

また、児への影響もみられないのではないかと考えられます。

 

 

 

もう一つ妊娠中のワクチン効果について調べた報告もあります。

出産した2002人を調べています。

 

140人(7.0%)が妊娠中にワクチン接種を行い(中央値 妊娠32週(妊娠13週6日〜40週4日)、このうち73.6%が2回接種完遂できました。

また、212人(10.6%)が、妊娠中にCOVID-19に感染しておりました。

 

vaccine2

 

 


このうちワクチン接種した方のうち2人(2/140人、1.4%)が分娩までにCOVID-19に感染しました。

感染率で比較して、妊娠中のワクチン接種群 vs 非接種群=1.4% vs 11.3%(210/1862), p<0.0001)であり、つまりワクチン接種の方が感染率が低く、ワクチン接種に感染予防の効果があることがわかりました。

 

院長 今野 秀洋

(参考文献)
1. Shimabukuro TT, et al. : Preliminary Findings of mRNA Covid-19 Vaccine Safety in Pregnant Persons: N Engl J Med. 2021.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2104983
2. RN Theiler, et al; Pregnancy and birth outcomes after SARS-CoV-2 vaccination in pregnancy: Am J Obstet Gynecol MFM. 2021

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.09.12更新

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)からの報告です。


①5252人のCOVID-19に感染した妊婦さんとそのベビーをまとめた報告

母親の年齢 中央値 28.9歳(つまり若い女性です。)

4495人(99.3%)は生産となりました。

 

12.9%(506名)は早産となりました。


USAの早産率は10.2%なので、COVID-19に感染した場合の方が、少し早産率が上がっているように思われます。

 

 

週数別にわけると
34-36週で出生 357名(全体の9.1%)
32-33週で出生 50名(全体の1.3%)
28-31週で出生 69名(全体の1.8%)
28週未満で出生 30名(全体の0.8%)

ちなみに早産の頻度は、COVID-19に感染した母親が症状の有無とは関係がありませんでした。

つまり無症状だから早産しにくいわけでもありません。

 

 

残念ながら9名(0.2%)は、病院で新生児死亡となっております。

 

 

分娩前14日以内に感染した母親から生まれたベビーのうち、4.3%(328名中、14名)新生児にPCR陽性となっていました。
一方、PCR陽性から14日以上経過したベビーは、PCR陽性は0名でした。

 

 

 

 


②15歳から44歳のCOVID-19に感染した有症状である、23434人の妊婦さんと386028人の妊娠していない女性を比較した報告

 

 

 

coviddata

 


まとめると
妊娠すると、COVID-19に感染した場合、比較して少し重症化しやすいようです。
また、早産の頻度が少し増える可能性があります。


院長 今野 秀洋

 

 

(参考文献)
1. Woodworth KR, et al.: Birth and Infant Outcomes Following Laboratory-Confirmed SARS-CoV-2 Infection in Pregnancy — SET-NET, 16 Jurisdictions, March 29–October 14, 2020
2. Delahoy MJ, et al.: Update: Characteristics of Symptomatic Women of Reproductive Age with Laboratory-Confirmed SARS-CoV-2 Infection by Pregnancy Status — United States, January 22–October 3, 2020

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.08.26更新

先日、当院の帝王切開術の割合についてご質問がありました。


当院の緊急帝王切開率は8.8%となります。

 

現時点での今年の当院の緊急帝王切開率は8.8%です。

 

また前回帝王切開で分娩された、あるいは逆子など、予定帝王切開術となった方の割合は8.2%です。

 

 

ご参考にしてください。

院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.08.23更新

妊娠中は、新型コロナウィルスに感染しやすく、特に後期は重症化しやすいと言われています。

また、流産や早産が少し増えるという話もあります。


市川市では、妊娠中の方やその同居のご家族の方、障害者手帳をお持ちの方やその同居のご家族の方などの優先予約の申請を8月31日(火曜)まで受け付けています。


検討してしてください。

 

新型コロナウィルスワクチンについて
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210814_COVID19_02.pdf

市川市 新型コロナワクチン接種について
https://www.city.ichikawa.lg.jp/pub10/vaccine.html

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.08.23更新

本日、日本産婦人科学会から妊娠中に新型コロナウイルス感染され、自宅や宿泊療養されている方へ情報発信されております。

 


以下のような妊娠に関連した異常については、かかりつけの産婦人科の先生に連絡してください。

 

・性器出血、破水感、頻回の子宮収縮、胎動減少、強い腹痛など
・その他、助産師さん等からの妊婦健診時に言われた症状

 

 


新型コロナウイルス感染症の症状について まず、以下の健康観察を行ってください。
(おそらく保健所から同じ情報が得られると思います。)

 

①呼吸状態、心拍数や呼吸数の計測
②体温
③パルスオキシメーター(サチュレーションモニター)をお持ちの場合は、酸素飽和度(血液内の酸素の量:SpO2)の計測

 

(A)以下の場合には、かかりつけの産婦人科の先生もしくは保健所に連絡してください。

①1時間に2回以上の息苦しさを感じる時
②トイレに行くときなどに息苦しさを感じるようになった時
③心拍数が1分間に 110 回以上、もしくは呼吸数が 1 分間に 20 回以上
④安静にしていても酸素飽和度が 93-94%から1時間以内に回復しない時 (妊娠中は赤ちゃんのために 95%以上の酸素飽和度が必要です)

 

(B)以下の場合は、すぐに救急車を要請してください。

①息苦しくなり、短い文章の発声も出来なくなった時
②酸素飽和度(SpO2)が 92%以下になった時

 

日本産婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/news/pdf/COVID19_20210823.pdf

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.07.04更新

佐野産婦人科医院及び産後ケアTomoru助産院のスタッフあわせて55名は、

先月下旬に、浦安市の医療従事者として新型コロナウィルスのワクチン接種を終えました。

 

職域接種が開始され、若い世代の方々にもワクチン接種が始まっています。
ワクチン接種後の副反応についてご心配な点があると思いますので、当院の情報をまとめてみました。

 

 

55名中1名が、1回目接種後に全身の発疹を認めたため、アレルギー反応があったと判断し
2回目の接種を断念しました。

何らかの副反応があったと回答した方は、1回目接種後は55名中44名(80%) 、2回目接種後は49名(90%)でした。

 


比較的多かったのは、接種部位の疼痛・熱感、全身倦怠感でした。

 

vaccine1

 

 

 

 

 

発熱を訴える方も多かったです(1回目接種後は42名、2回目接種後は40名)。
いずれも解熱剤を用いてコントロール出来ました。

 

vaccine2

 

 

 

 

その他の症状として、頭痛10名、関節痛7名、腰痛4名、嘔気2名、下痢2名、腋窩痛2名、血圧上昇1名、ヘルペス1名、喘息様症状1名でした(重複あり)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

副反応の発症時期です。

 

vaccine3

 

 

 

症状によって(例えば接種部位疼痛と発熱など)発症時間はやや違いましたが、グラフを見る限り、2回目接種後の副反応はやや遅れて出るような印象を受けました。


多くのスタッフは、1日から長くても数日程度で回復しております。

 

 

 

佐野産婦人科医院は、新型コロナウィルスのワクチン接種後も引き続き感染対策について、十分留意していきます。

 

 

院長

 

 

 

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.06.20更新

先日、鎮痛剤が効かないほどのひどい月経の16歳の娘さんが、お母様といらっしゃいました。

 

25歳未満では、月経困難症が4割ぐらいにあるとも言われています。
月経痛がひどい場合、多くは鎮痛剤を使用されているかと思います。

しかし、鎮痛効果がない場合は、実は子宮内膜症が隠れていて、その後病態が進行していく場合もあります。

 

腹痛

 

 

(子宮内膜症とは)
子宮内膜に似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し慢性的に発育する疾患のことです。

 

子宮内膜症は、女性ホルモンの影響で月経周期に合わせて増殖し、例えば卵巣などで内月経時の血液が排出されずに貯留したり(チョコレート嚢腫)、膀胱や直腸などと癒着をおこして骨盤痛を引き起こします。生殖年齢の方の10-15%ぐらいに認め、不妊の原因にもなります。

 

 

また家族性も言われており、遺伝的要素が関与してる可能性もあります。

 

 

チョコレート嚢腫があれば、超音波検査でもおおよそ診断をつけることはできます。

しかしながら、骨盤内の癒着病変は超音波検査では同定は難しく、本当に「子宮内膜症」かどうか診断するには、腹腔鏡などを用いて腹腔内をみてみないとわかりません。

 

 

 

 

 

骨盤痛をもつ10歳から21歳の880人を腹腔鏡で調べた研究があります。

腹腔鏡でこの880人のうち543人(62%)に子宮内膜症の診断がつきました。

なんと月経困難症を伴う思春期女性の70%(102/146人)に、子宮内膜症が認められました。

 

 

 

 

また別の報告ですが、中等度から重度の子宮内膜症をもつ268人と244人の子宮内膜症のない方を比べた研究があります。

 

この研究で、現在の子宮内膜症と思春期に月経がつらいこととの間に関係があることがわかりました。

 

月経困難症1

 

 

 

 

 


思春期にしばしば月経痛がひどかったと感じていた人は、月経がつらくなかった人に比べて2.6 倍、子宮内膜症になるようです。

つまり思春期に月経がつらかった方は、将来子宮内膜症と診断を受ける可能性があります。

 

 

 

 

またこの研究では、初経が早い方ほど、将来子宮内膜症と診断される可能性も指摘されました。

 

月経困難症2

 

 

 

 

 

 

 

まとめると
現在、思春期に月経に困っている方は、将来に「子宮内膜症」と診断される可能性があります。

今後さらに月経困難が悪化したり、骨盤痛など不便さを引き起こし、また不妊症となるかもしれません。

 

月経困難症に対して、低用量ピルなどのホルモン治療が効果的であります。

 

また、子宮内膜症に対しても低用量ピルなどのホルモン治療を行うことにより多くの方は改善します

 

 

そのため、思春期月経困難症に対して、低用量ピルなどのホルモン治療をお勧めするようになってきております。

今、何もせずに大人になって重度の子宮内膜症となり、治療が難渋したり、大変な思いをすることがあるかもしれません。

 

 

是非お母様とともにいらして、ご相談してください。

 

 

院長 今野 秀洋

 

 

 

(参考文献)
1.Janssen EB, et al; Prevalence of endometriosis diagnosed by laparoscopy in adolescents with dysmenorrhea or chronic pelvic pain: a systematic review ; Human Reproduction Update; 19(5); 570–582; 2013
2. Treloar SA, et al; Early menstrual characteristics associated with subsequent diagnosis of endometriosis; Am J Obstet Gynecol; 202(6); 534.e1-6; 2010
3. 子宮内膜症・子宮腺筋症 診断アトラス&新たな戦略;監修大須賀 穣, 編集 甲賀かおり;中山書店
4.子宮内膜症 日本産婦人科学会; http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=9

 

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.03.15更新

本日たまごクラブが発売になりました。

 

tamagokulabu20214

 

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96-2021%E5%B9%B44%E6%9C%88%E5%8F%B7/dp/B08DDYVVHH/ref=sr_1_3?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=1KQK10KRTQOUQ&dchild=1&keywords=%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96&qid=1615802373&sprefix=%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%94%2Caps%2C275&sr=8-3

 

「さかごになったらどうする」というテーマの記事作成のお手伝いさせていただきました。

 

 

是非ご覧になってください。

院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2021.03.11更新

接種に際し、以下の注意が必要になります。

 

1.予約制ですので希望の患者様は、必ずお電話して予約をお願いします。

 

2.初回接種時に、全例調査で情報収集が求められているので、患者様の個人情報の以下にある「ワクチンQダイアリー」への登録が必要になります。

 

ワクチンQダイアリーのサイトはこちらです。

https://vaccine-q-diary.com/user/lp/

 

silgard9

 

 

3.公費の対象ワクチンではないため、自費診療となります。
費用は1回30000円、3回で90000円になります。

投稿者: 佐野産婦人科医院

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