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臍帯血バンクについて

臍帯血とは
胎盤、臍帯に含まれる血液のことです。
本来なら出産した後に、胎盤、臍帯は処理をしてしまいます。
実は、この中の血液が将来役に立ちます。臍帯血内のまだ未熟な細胞が、白血病などの血液の疾患に、わかりやすく言うと血液の「癌」、の治療に使えるのです。最近話題の再生医療の一つとなります。
臍帯血の保管先は現在、2種類あります。
公的バンクと民間バンクです。
公的バンクとは、他人の為に寄付する目的の施設であり、いわば献血のようなものです。
民間バンクでは、赤ちゃん本人や家族の為に保存しておくことがきます。ただし、保管の為のコストが発生します。
当院では、民間バンク用の採血をお手伝いすることができます。
図のようにあかちゃんが、生まれてから採血します。痛くもなく、赤ちゃんを傷つけることもなく採血することができます。臍帯血を用いた新たな治療研究
最近のトピックスでは、新生児の低酸素性脳症に対する自己臍帯血を用いた治療です。
低酸素脳症とは、主に分娩時の低酸素となる悪い環境によって赤ちゃんの脳に障害を与えてしまった状況のことであり、脳性麻痺に移行する場合もあります。
ちなみに日本では脳性麻痺の頻度は、出産時 2.2/1000人と言われています。
新生児の低酸素性脳症に対して、脳低体温療法を行うを行うことがあります。
今回の研究では、従来法である脳低体温療法を行った82例と脳低体温療法+自分の臍帯血を投与した23例と比較しております。
1歳時の認知、言語、運動能力の発達に関する評価をしたところ、脳低体温療法+自分の臍帯血投与群の方が、よい結果が得られていました。
このデータは外国の研究からでしたが、現在日本国内でも同様の研究を行っているようです。
またさらに、自閉症(日本では1/100人の頻度だと言われています)にも効果がある可能性もあり、現在研究が行われているようです。
(先に述べた血液疾患に対しては治療として始まっています。これらの疾患に対する臍帯血を用いた治療はまだ研究中です。)
自己臍帯血の最大のメリットは、元々自分のものなので副作用がないことです。
残念ながらコストが発生することが問題点です。
しかしながら、これらの疾患にならないことがもちろん一番ですが、あの時、保存しておけばよかったと後悔しないように検討してもよいかもしれません。
臍帯血バンクについては、詳しくはステムセル研究所を拝見してみて下さい。
母親学級の際、ステムセル研究所の方が来られるので、直接ご質問されてもよいと思います。参考文献
Feasibility of autologous cord blood cells for infants with hypoxic-ischemic encephalopathy. C. Michael Cotten, Amy P. Murtha, Ronald N. Goldberg, et al.
J Pediatr. 2014 May;164(5):973-979

副院長 今野 秀洋

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