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妊娠中のB群溶連菌(GBS)感染について

GBSとは? 腟内、外陰部、肛門付近に常在する菌の一つで、妊婦さんの15~40%でみられると言われています。 常在菌であるため、自覚症状はありませんが、安全な出産のために、妊娠経過中この菌には特に注意が必要です。なぜ注意が必要なのか? 出産の際に、経産道的に赤ちゃんに感染する可能性があります。 感染症発生頻度は、予防方法を行わない場合、0.48人/1000出生(英国のデータ、早発型のみ)とのことです。 日本では0.1人/1000出生(早発型のみ、2000~2004年)と言われています。赤ちゃんに感染した場合は? 発生時期により、早発型(日齢0-6日)、遅発型(日齢7-89日)とわけています。 早発型が全体の83%であり、特に日齢0日発症がほとんどです。 早発型の場合: 敗血症、髄膜炎、肺炎など致死的な状態になります。日本のあるデータでは、死亡率が14.9%、後遺症を残す例が5.7%と比較的高いです。 遅発型の場合: やはり敗血症、髄膜炎、肺炎、その他に関節炎、骨髄炎などがみられます。 死亡率が11.1%、後遺症を残す例が18.5%と早発型同様に高い頻度です。 我々ができることは、赤ちゃんへの感染をなるべく回避するようにすることです。 現在、日本では米国で行っている感染予防法を主に採用して行っております。 (1)腟周辺培養でGBSが検出された (2)前児がGBS感染症であった (3)尿培養でGBS陽性だった (4)GBS保菌が不明だが、早産分娩、破水後18時間以上経過、38℃以上の発熱いずれかの場合陣痛発来時もしくは破水時から分娩終了まで、抗生剤を点滴で定期的に投与します。GBS感染と言われて心配だが、なぜ発見時に抗生剤を投与しないのか? 抗生剤投与により減少するが、常在菌のため、菌量0までにはならず、投与中止すると再び繁殖するようです。 それ故、分娩進行時にのみ投与します。 この予防方法を採用した米国では、早発型が1.7人/1000出生から、0.32/1000出生まで減っています。 もちろんこの方法が100%の予防法とは言えませんが、少しでも赤ちゃんのGBS感染症が減るように、当院でもこの推奨されている方法に準拠して、GBS感染の予防に努めております。 副院長 今野 秀洋(参考文献) 1.保科清ら;最近6年間のB群レンサ球菌感染症についてのアンケート調査 周産期・新生児学会誌;42;7-11; 2006 2.松原康策ら;早発型・遅発型B群溶連菌感染症の特徴と垂直感染予防方法の考察 日本小児科学誌;114;1681-1691; 2010  3.三橋直樹ら;GBSの薬剤に対するtoleranceとその産科管理での問題点 日産婦感染症研究学術講演会記録集;16;12-13; 1999 4.久保田武美ら;B群溶血性連鎖球菌感染症 産婦人科の実際;50;563-570;2001 5.菊田香織ら;妊婦のGBSスクリーニング検査についての検討 周産期・新生児学会誌;49;244-247; 2013 5.Lewin EB, et al. ; Natural history of group B streptococcus colonization and its therapy during pregnancy. Am J Obstet Gynecol 139;512-515; 1981 6.Royal College of Obstetricians and Gynaecologists. The prevention of early-onset neonatal Group B streptococcus disease. Green-top guideline no.36. 2nd. edition, 2012 7.Van Dyke MK et,al. ;Evaluation of Universal Antenatal Screening for Group B Streptococcus N Engl J Med.18;360:2626-36; 2009 8.Matsubara K,et al. ;Early-onset and late-onset group B streptococcal disease in Japan: a nationwide surveillance study, 2004-2010. ;Int J Infect Dis 17;e379-84; 2010 9.Lewin EB et,al. ;Natural history of group B streptococcus colonization and its therapy during pregnancy. Am J Obstet Gynecol. 1;139;512-515; 1981 11. Tim Colbourn et,al. ;An overview of the natural history of early onset group B streptococcal disease in the UK. Early Human Development. 83;149-156; 2007 12.印出佑介,山口暁ら;B群レンサ球菌(GBS) 周産期医学 41, 235-244, 2011 13.日本産婦人科学会 産婦人科診療ガイドラインー産科編2014

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