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院長ブログ
妊娠中の中東呼吸器症候群(MERS)の対応について
中東呼吸器症候群(MERS:Middle East Respiratory Syndrome)は、2012年に新しく確認されたコロナウイルスの感染症です。 主に、中東地域で報告されていますが、最近、お隣の韓国で院内感染を中心とし、患者数が増加しているというニュースが入ってきました。 現在、妊娠されている方も心配だと思います。 妊婦さんに向けて、日本産婦人科医会から声明が早速出ておりました(http://www.jaog.or.jp/news/mers0610.pdf)。 現在 MERS による妊娠への影響は明らかではありませんが、妊娠5ヶ月で死産をきたした報告例がありました。 MERSの症状は、熱を伴う急性の呼吸器障害であり、その後急速に呼吸器不全、そして腎不全を呈するようです。 厚労省のホームページによると、ヒトコブラクダが、MERSウイルスの保有動物であるとされており、感染源の一つとして疑われています。(ただし日本国内のヒトコブラクダを調査した限りではMERSコロナウイルスを保有している個体は確認されていません)。 現在のところ、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はありません。患者の症状に応じた対症療法のみになります。 対処方法として、飛沫感染・接触感染が主体と考えられているので、例えばインフルエンザなどを予防するのと同様な注意、つまり手洗い・マスクが基本となります。 詳しくは、以下のホームページを参照して下さい。 院長 今野 秀洋(参考文献) 1. Payne DC, et al. Stillbirth during infection with Middle East respiratory syndrome coronavirus.;J Infect Dis.; 209; 1870-1872; 2014 2. 厚生労働省HP:中東呼吸器症候群(MERS)についてhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html 3. 国立感染研究所HP:中東呼吸器症候群(MERS)に関する項目http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/2686-mers.html