ブログ
院長ブログ
産後のお母さんは6ヶ月経っても、まだご自身の体調は万全とは言えません
お産をされた女性は、とても大変です。おそらく皆さんが思っている以上だと思います。
無事に産み終えたお母さんは、我が子の誕生に喜びを感じる一方、親としての新たな責務がでてきます。
それでいて妊娠や分娩の影響がすぐに良くなるわけでもありません。自分の体調が回復しないうちに子育てが始まります。
産後6ヶ月の間に女性にはいったいどのような体の症状があるのか、それを調べた研究がありましたので、以下にまとめてみました。
千葉大学の研究で、対象は平均33歳、初産婦1464名、経産婦1245名を調べています。
(むくみ)妊娠後期ぐらいから特に下肢などがむくむことがあります。
出産した直後は下肢だけではなく、全身が重だるい感じるかたも多いと思います一ヶ月健診時にはほぼ改善しますが、すぐよくなるわけではありません。
(悪露・性器出血)
分娩後から少しずつ出血は減ってきます。分娩後2週間頃にいったん少し増える方もいます。帝王切開手術後の方は、経腟分娩の方より少し長引く傾向があります。
(排泄症状)排尿しづらい、排尿時痛、残尿感、頻尿、排尿回数が少ない、尿漏れ、また便秘、下痢、痔の痛みなど、長く排泄症状を訴える方は多いです。
(骨盤・股関節症状)股関節痛、恥骨痛、骨盤・股関節の違和感を妊娠後期あたりから感じ、分娩により悪化することがあります。
(腰背部痛)
(肩こり)妊娠中から肩こりや腰部痛や背部痛でお困りの方は多いです。産後も続きます。これは授乳時などの姿勢や抱っこをするからでしょうか。
(疲労・だるさ)
睡眠不足のため、疲れもなかなか取れません。
(眼の疲れ)
(腱鞘炎)これもお母さんは子供をいつも抱っこしているからではないでしょうか。
(頭痛)
(めまい・ふらつき)
出産後は、2-3時間毎に授乳をします。おそらく寝不足も関係があるでしょう。
(体型が戻らない)
残念ながら生んだら増えた分が元通りなるわけでもありません。
(抜け毛)
分娩後の急速なホルモン変化によると言われています。
このように産後の女性は、万全とは言えない状態でみんな頑張っています。
お母さんが倒れないように、様々な周囲のサポートが必要です。
浦安では、産後ケア事業が産後6ヶ月まで利用できます。近隣の地域では産後4ヶ月までのサポートしかないので、これは本当にありがたいことです。
しかしながらこの研究をみる限り、6ヶ月で終わりでなくその後のサポートも必要だと思いました。引き続き産後の女性に愛のある、ご家族や行政の手厚いサポートをお願いします。
当院でも産後ケア事業だけでなく、引き続き授乳等の相談もお受けしており、いくつかのサポート体制を整えつつあります。
世の中が産後のお母さんを支えられる環境であってほしいと思っております。
お問い合わせ
院長 今野 秀洋
(参考文献)岩田 裕子ら:褥婦が有する身体症状の産後6ヶ月の推移:母性衛生:58:4:567-573