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妊娠してから胸焼けがします。
胸焼け症状は、妊娠中比較的多く見られる症状の一つです。
妊娠初期に26%、中期36%、後期に51%と妊娠が進むに伴い頻度が高くなります。
妊婦に胸焼けが生じるのは、妊娠中のホルモンの変化と子宮の増大によります。
妊娠中に上昇するプロゲステロンと言うホルモンが胃の入り口付近にある括約筋をゆるめたり、また腸の運動を低下させ食物の通過時間をゆっくりにさせます。
さらに妊娠子宮の増大により胃腸の圧迫があるからと考えられています。
対策は?
①食事の一回量を減らして、その分回数を4-6回ぐらいにする
②脂肪食、トマトベースの食事、辛いもの、コーヒーを避ける
③緑色野菜はむしろ胸焼けを減らす
④食後はすぐに横にならない
⑤就寝時に頭位を挙上する
それでも症状が軽減せず、日常生活にお困りであれば制酸剤を処方します。
猶、胃薬の中には妊娠に悪影響を与えるものもありますので、処方の際は主治医にご相談してください。
院長 今野 秀洋
(参考文献)
- Medical and Surgical Complications, Gastroesophageal Reflux Disease(GERD); Cunning FG,et al.: Williams Obstetrics, 25th EDITION, McGraw-Hill:2018
2. Gastroesophageal reflux disease in pregnancy: a longitudinal study: R S Ramya: Trop Gastroenterol:35(3):168-72:2014