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院長ブログ
RSウイルスに対する母子免疫ワクチン(アブリスボ®︎)の接種を開始します
RSウィルスは、1歳までにおよそ50%の乳児が、2歳までにほぼ100%の児が感染するという、乳幼児にとってありふれたウイルスであります。
RSウイルスに感染すると発熱、鼻水などの上気道炎症状が数日続き、その後快方に向かいます。しかしながら、3割ぐらいの乳児は細気管支炎や肺炎(下気道炎)を引き起こします。
2015年には世界中で3310万人もの5歳未満の下気道炎患児が発症し、320万人が入院し、59600人が死亡したと推定されています。
このRSウイルスに対して、妊娠中に接種を行い、妊婦から児へ移行抗体を増やし、生後早期の乳児の重症化予防につなげるワクチン(アブリスボ®︎)が日本でも使用できるようになりました。
つまり、このワクチンは妊婦さん自身の感染予防ではなく、生まれてくる児の感染予防を目的としたものです。
事前の臨床試験では、生後90日での重症化予防効果が81.8%、生後180日では69.4%でした。
アブリスボ®︎の接種対象
妊娠24週から36週の妊婦
接種方法
筋肉内注射
価格:32000円(税込み)
猶、予約制になりますので、ご希望の方は事前にご連絡ください。
(参考資料)
1.日本小児科学会ホームページ;https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=559
2.長澤 耕男;これからの小児呼吸器診療 新規RSV抗体製剤とワクチン ;日本小児呼吸学会; 35(1) ;40-44 ;2024