スタッフブログ

2013.12.21更新

今回は淋菌感染についてお話しします。

淋菌(Neisseria gonorrheae)による性感染症です。

好発年齢は?
女性では、20歳代前半にピークを認めます。



男性が感染した場合は?
①尿道炎
排尿時の痛みや黄白色、多量の膿性の分泌物がでます。

ちなみに、「淋菌」とは「淋しい(さみしい)」からではなく、分泌物が「淋る(したたる)」様を表しているようです。
また、この症状の様子を紀元前400年に記載された記録があり、かなり昔から淋菌に人間は悩まされていたようです。


②精巣上体炎
尿道炎を放置しておくと、上行し、精巣上体炎を起こします。
陰嚢内容は腫大し、歩く事が難しくなるほど痛くなります。
男性不妊の原因となることもあります。


感染経路に関して、以下のようなデータがあります。




女性が感染した場合は?

①子宮頚管炎
典型的な症状は、おりものが多くなったり、不正出血などです。
しかしながら、多くは自覚症状がありません。


②子宮付属器炎(卵管炎、卵巣炎)
クラミジア感染と同様で、子宮頚管炎が上行すると生じます。
さらに進むと、頻度は少ないものの骨盤腹膜炎を発症することがあり、症状はクラミジア感染より激しいです。
女性不妊の原因となることもあります。

また産道感染もあります(新生児結膜炎)。

③咽頭感染
クラミジアと同様で、最近増えています。
クラミジア感染症については(http://www.sanolc.com/blog/2013/12/post-15-705495.html
淋菌感染者の10〜30%に検出されます。

検査方法は?
子宮頸管の擦過検体から調べます。
当院では、感度が高い核酸増幅法(SDA法)を用いた検査を行っております。


治療は?
抗生剤です。
最近は耐性菌が増えてきており、比較的強い抗生剤の点滴での治療が日本性感染症学会ガイドラインで推奨されています。


若い女性に多いこと、症状がないことが多いこと、男女の不妊の原因になることがあることが問題だと思います。
淋菌はクラミジアとの混合感染もあり、一緒に検査するのをお勧めします。

ご心配の方は、外来受診をなさって下さい。

副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2013.12.10更新

クラミジア感染は、わが国では最も多い性感染症(STI)です。
若年層に多く、正常妊婦の3〜5%(特に16〜19歳では約20%)にみられます。
また、29歳以下では感染者数において女性が男性を上回っています。


女性が感染した場合は

感染後1〜3週間で、子宮頚管炎を発症します。その後上行感染すると、卵管炎腹膜炎を起こすことがあります。


この状況を放置すると、子宮外妊娠不妊の原因となります。妊娠しても流産早産の原因になることもあります。また母子感染(新生児結膜炎、新生児肺炎)を起こすことがあります。

症状としては、おりものが多くなったり、不正出血、性交痛、下腹部痛などがあります。
しかしながら、女性の感染の半数以上が、自覚症状がありません。

検査方法
子宮頸管の擦過検体から調べます。
当院では、感度が高い核酸増幅法(SDA法)を用いた検査を行っております。
また、必要に応じて、血液で抗体検査を行う場合もあります。

さらに最近の問題として
オーラルセックスによる咽頭感染も増えています。
子宮頸管にクラミジア感染した女性の10〜20%に咽頭感染があると言われています。
これには厚生労働省でもQ&A(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda.html)を作成し、注意を促しております。

10-20代の若年層が感染し未治療とした場合、将来の妊娠しづらい体にしてしまう可能性があります。これが重大な問題ではないかと思います。

ちなみに、アメリカのCDCのガイドラインでは、25歳以下のすべての女性に対して、年一回の検査を推奨しています。また、最近パートナーが変わった人に対しても検査を勧めております。

治療は抗生剤です。
クラミジア性器感染症は、確実な薬剤の服用とパートナーの同時治療があれば、再発がないと考えられています。
(ガイドラインでは、治療2〜3週間目に病原検査を行い、治癒の確認をすることが望ましいとされています。)

ご心配の方は、是非外来で相談して下さい。


次回は淋菌のお話をします。

副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

2013.11.19更新

今回、超低用量ピル、「ルナベルULD」が発売されました。
以前より発売されていた低用量ピル、「ルナベル」のエストロゲン量を少なく、約半量としたものとなります。


これにより、ピルの最大の合併症である、血栓症を少なくさせ、また気持ち悪くなるのも少なくなることが期待されます。

適応となるのは、月経困難症です。避妊薬としてではありません。


新薬ですので、来年2014年9月末までは1ヶ月分までしか処方は出来ません。

しかしながら、新たなピルが発売されることで、今まで副作用が理由で続けられなかった方がこちらなら続けられそうといったことがあるのではと思います。


超低用量ピル、「ルナベルULD」は当院でも処方できます。
外来にてご相談してください。

投稿者: 佐野産婦人科医院

2013.10.22更新

今回は、子宮がん検診についてお話します。

子宮がんは、入り口部分にできる子宮頸がんと体部分の内側にできる子宮体がんの二つあります。
一般的に子宮がん検診は、子宮頸がんの検診を指します。

日本では年間約9000人が子宮頸がんにかかり、約2700人が死亡します。
ここ最近の傾向として、20~40代の発症が増加(特に20~30代の増加)が、外国と比べて多いのが問題となっております。

子宮頸がんの5年相対生存率が72.2%ですが、
(1) 子宮頸部のみに限局  5年相対生存率が93.1%
(2) 隣接した臓器へ浸潤  5年相対生存率が54.3%
(3) 転移         5年相対生存率が8.9%

早期発見して早期治療をするといいが、進行すると極端に予後は悪くなります。
また年齢調整死亡率は2.7(人口10万対)であり、残念ながらこの成績は1985年から横ばいです。
つまり治療は色々と進歩している面もありますが、現時点ではまだ治る病気とは言えません。

対策としては二つが挙げられます。

予防
早期発見

① に関して、原因となるヒトパピローマウィルスに対するワクチンがあります。しかしながら、現在副反応の問題に対して調査中であり、「積極的な勧奨とならないように」と厚生労働省から勧告がでています。

やはり検診を受けるとよいと思います。

残念ながら日本では、検診率が低く、約25%です。諸外国と比べとても低いです。

また、特に20~40代の受診率が低いことが問題です。


他臓器のがんと比べて、平均39歳と発症年齢が低い子宮頸がんでは、50歳以上の方はもちろんのこと、20~40代の方の受診を強くお勧めします。


また、浦安市及び市川市では、検診のご案内があります。

http://www.city.urayasu.chiba.jp/dd.aspx?menuid=2674(浦安市)
http://www.city.ichikawa.lg.jp/pub03/1111000100.html(市川市)
是非活用して下さい。

若くして、子宮を取らざるを得なかったり、長くつらい治療を受けたりしないように、是非とも受診して下さい。


副院長 今野 秀洋

投稿者: 佐野産婦人科医院

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