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外陰部にできたイボみたいなものー尖圭コンジローマについてー

外陰部にできたイボに気づいて、来院する方がいらっしゃいます。 いくつかの疾患が考えられますが、そのうちの一つである、尖圭コンジローマについてお話しをします。尖圭コンジローマとは 性器へのヒトパピローマウィルス(HPV)感染症で、大部分が性行為により感染します。 (HPVにはいくつかの型がありますが、尖圭コンジローマを発症するのはHPV6あるいは11型です。以前子宮がん検診についてお話(http://www.sanolc.com/blog/blog/2013/10/)しましたが、異なるHPVの型に感染すると、子宮頸癌が発症することがあります。) 図で示す位置に、数ミリ程度から時に1cm以上、乳頭状に増殖する淡紅色から褐色の病変です。 また、子宮頚部に発症することもあります。 実際の画像は、こちらを参照してみて下さい。(http://dermis.multimedica.de/dermisroot/en/14295/diagnose.htm潜伏期間は? 1971年の研究によると、97人の男女が尖圭コンジローマをもったパートナーと性行為を行ったところ62人(64%)に尖圭コンジローマが発症したとのことです。その発症までの期間が3週間から8ヶ月で、平均2.8ヶ月であったようようです。頻度は? 厚生労働省の定点観測のデータによると、女性では20代に感染が多くみられます。 残念ながらここ10年以上発生頻度は減少しておりません。治療方法は? ①イミキモド5%クリーム(ベセルナクリーム5%) 2007年より本邦でも使用可能となっています。週3回患部に就寝前に塗布し、翌朝洗い流します。 侵襲も少なく、瘢痕などの副作用も少ないのが利点です。 ②凍結療法 液体窒素を用いて患部を凍結させます。 ③電気焼灼 局所麻酔下に電気メスを用いて焼灼します。 ④外科的切除 より大きな病変に対しての治療は、③や④となると思われます。 その他、ポドフィリンや5FUやインターフェロンなどを用いた治療もありますが、現時点において日本では認可されていません。 当院では、①③④の方法を用いて治療しております。治療の問題点 治療の時点で、見えているすべての病変を除去しても、実は既に別の場所に感染している可能性があり、しばらく注意が必要です。調査では外科的切除や電気焼灼施行例では18.3%、凍結療法では13.8%で再度発症を認めたようです。それまでの期間は平均3ヶ月なので、治療後少なくとも数ヶ月は経過観察が必要と思われます。 発症すると、長期治療を要することになります。 根治しないままに性行為を行うと、パートナーに感染させてしまいかねません おかしいなと思ったら、早く受診し、しっかりと治療することををお勧めします。 副院長 今野 秀洋参考文献 1. 日本性感染症学会誌 第22巻 第1号 性感染症 診断・治療ガイドライン 2011 2. 性感染症 改訂2版 福岡大学教授 田中正利 編集 3. Oriel JD:Natural history of genital warts. Brit. J. Vener. Dis.,47:1-13 1971

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