ブログ
院長ブログ
妊娠中に魚の摂取と産後うつの関係
以前のブログで、妊娠中及び授乳中に魚を摂取したお母さんから生まれてきた子供は、IQが高く、向社会的行動をよりとることができ、運動能力も高い傾向があったというお話をしました。(http://www.sanolc.com/blog/2014/02/post-24-430651.html)
妊娠中に魚を摂取をすると産後の抑うつ症状を減らすのではないであろうかという日本の研究報告がありました。
平成23年から26年にかけて妊娠した女性およそ8万人を対象に、魚の摂取量と抑うつ状態の関係を調査しました。
まず驚いたことに、産後6ヶ月の時点で11.6%の方が産後うつになっていることがわかりました。さらに一年後でも2.6%の方が重症な精神疾患を患っていることもわかりました。
妊娠中における魚の摂取量をおおよそ5g,18g,29g,43g,69gのグループに分け評価しております。
その結果、摂取量が1日当たりおよそ5グラムと最も少なかった人たちに比べ、それ以上魚を食べていた人たちは出産から6ヶ月後及び1年たった時点で、いずれも抑うつ状態になりにくい傾向があることがわかりました。
魚介類の摂取は、子供の精神発達やお母さんの抑うつ症状に影響を与えるだけではありません。
早産が減る可能性を示した別の研究もあります。
350人を対象とし、魚によく含まれている成分であるDHA(一日あたり600mg)を補充をした群とプラセボ群と比較したところ、DHAを補充した群の方が34週未満の早産を減らし、出生体重を増加させるとの報告がありました。
魚もしくはDHAの摂取は、お子さんにとっても、妊娠経過にとってもそしてお母さんにも良いことだと思われます。
是非魚を食べましょう。
院長 今野 秀洋
(参考文献)1. Hamazaki K,et al: Dietary intake of fish and n-3 polyunsaturated fatty acids and risk of postpartum depression: a nationwide longitudinal study – the Japan Environment and Children’s Study (JECS): Psychol Med: 19:1-9: 2019 2. Carlson SE,et al: DHA supplementation and pregnancy outcomes.: Am J Clin Nutr: 97(4): 808-15: 2013