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日本におけるCOVID-19感染した妊婦のまとめ(2021.9.15の時点)

日本産婦人科学会のホームページにCOVID-19に感染した180人の報告がアップされていました。その資料(https://www.jsog.or.jp/news/pdf/COVID-19_20210915b.pdf)を要約してみました。

(1)妊婦さんにおける重症度の割合

COVID割合
ちなみに重症度の分類は以下のようになっております。
「軽症」とは、呼吸器症状なしor咳なし・肺炎症状を認めない、spO2≧96%「中等症 I」とは、呼吸困難・肺炎所見、93%<spO2<96%(呼吸不全なし)「中等症 II」とは、酸素投与が必要、spO2≦93%「重症」とは、ICUに入室or人工呼吸器が必要
入院が必要となる中等症以上は47人(26.1%)であり、つまり約4人に1人が入院を要する状況だったと思われます。一方、軽症者が約7割で、そのうち有症状は116人(64.4%)でした。

(2)診断週数と重症度

COVID診断週数

妊娠初期から分娩時まで幅広く分布しておりますが、グラフから中期から後期が比較的多いような印象を受けます。

(3)年齢と重症度

COVID年齢

グラフからは、29歳以下では重症者はいないようです。

(4)中等症 II・重症のリスク

・母体年齢 31歳以上  1.26倍・妊娠週数 25週以降  1.32倍・BMI 26.3以上 1.23倍・呼吸器疾患の既往   1.36倍・アレルギー歴     1.33倍

上記に当てはまる方は少し注意が必要です。

(5)産科合併症
全体の早産率が23.5%、軽症・中等症 Iが12.5%、中等症 II・重症では57.1%(p<0.001)と母体の状況悪化による人工早産の影響があるのか、早産が増えるようです。
また、重症化するにつれて妊娠糖尿病発症も高くなる(軽症・中等症 Iが1.6%、中等症 II・重症では14%(p=0.045)ことがわかりました。

(5)児に関する情報

新生児感染はないようです。死産や新生児死亡もないようです。

まとめると・重症化すると早産率が増加する・31歳以降、妊娠25週以降、BMI26.3以上、喘息などの呼吸器疾患の既往、アレルギーの既往はCOVID-19重症化のリスクである。

院長 今野 秀洋

(参考資料)
日本産婦人科学会ホームページより;https://www.jsog.or.jp/news/pdf/COVID-19_20210915b.pdf

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