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院長ブログ
妊娠中の方のCOVID-19ワクチン接種について
妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方は、新型コロナワクチン接種が推奨されております。
(厚労省ホームページよりhttps://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0027.html)
妊娠中である16歳から54歳、35691人を調べた報告があります。
ファイザー社ワクチンを接種した方が19252人、モデルナ社ワクチンを接種した方が16439人の計35691人を調査しております。
各社ワクチンの副反応の頻度を表にしております。
妊娠していない方と比較してみたところ、「注射部位痛」は頻度が少し多かったものの、「頭痛」、「筋肉痛」、「寒気」、「発熱」は発生頻度が少ない傾向がありました。
また、妊娠中の流早産や児への影響についても調べてあります。
予後も接種有無で変わらないようです。
まとめると
妊娠中の新型コロナワクチン接種による副反応は認めるものの、重篤化することはなさそうです。
また、児への影響もみられないのではないかと考えられます。
もう一つ妊娠中のワクチン効果について調べた報告もあります。
出産した2002人を調べています。
140人(7.0%)が妊娠中にワクチン接種を行い(中央値 妊娠32週(妊娠13週6日~40週4日)、このうち73.6%が2回接種完遂できました。
また、212人(10.6%)が、妊娠中にCOVID-19に感染しておりました。
このうちワクチン接種した方のうち2人(2/140人、1.4%)が分娩までにCOVID-19に感染しました。
感染率で比較して、妊娠中のワクチン接種群 vs 非接種群=1.4% vs 11.3%(210/1862), p<0.0001)であり、つまりワクチン接種の方が感染率が低く、ワクチン接種に感染予防の効果があることがわかりました。
院長 今野 秀洋
(参考文献)1. Shimabukuro TT, et al. : Preliminary Findings of mRNA Covid-19 Vaccine Safety in Pregnant Persons: N Engl J Med. 2021.https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa21049832. RN Theiler, et al; Pregnancy and birth outcomes after SARS-CoV-2 vaccination in pregnancy: Am J Obstet Gynecol MFM. 2021