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院長ブログ
妊娠中の発酵食品の摂取が児の発達に良いというお話です
発酵食品は、腸内環境を改善する食品としても知られています。
発酵食品の摂取により腸内環境を改善し、それにより様々な疾患(例えば、ウイルス性疾患、糖尿病、アレルギー性疾患、肥満、便秘など)の予防に効果があるのではないかと言われております。
それに加え最近の研究では、自閉スペクトラム症やうつ病などの精神・神経発達などと発酵食品の関連も指摘されています。
子供の腸内細菌叢は、出生時に母親から引き継ぎます。そのため、妊娠中の母親の腸内環境は、子供の神経発達にも影響する可能性が考えられます。
日本の研究で、60910人の妊婦さんの発酵食品(味噌汁、納豆、ヨーグルト、チーズ)の摂取と産まれてきた子供の3歳時の発達について調べた研究があります。
①味噌汁
味噌汁を摂取していた母から産まれた子は、コミュニケーション力がより高かった傾向がありました。
②納豆
納豆を摂取していた母から産まれた子は、手先の器用さがある傾向がありました。
③ヨーグルト
ヨーグルトを摂取していた母から産まれた子は、コミュニケーション力がより高かった傾向がありました。
④チーズ
そしてチーズを摂取していた母から産まれた子は、コミュニケーション力、運動能力、手先の器用さ、問題解決力、社会性がより高かった傾向がありました。
もちろん、発酵食品の摂取のみですべてが語れるわけではありません。
取り過ぎることの問題点もあるでしょう。
しかしながら、比較的身近にあり馴染みのある発酵食品の摂取を妊娠中に摂取することにより、子供の神経発達に良い影響を与える可能性があることがわかりました。
院長 今野 秀洋
(参考文献)
Hiroko Hirai et al.:Relationship between maternal consumption of fermented foods and the development of the offspring at the age of 3 years: The Japan Environment and Children’s Study
:PLoS One:19(6):2024