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院長ブログ
思春期婦人科外来について
当院では思春期の、主に月経に悩みについてご相談を受けています。 例えば、①(原発性)無月経 初経(初潮)がくるのは、本邦の報告では、平均12.2±1.3歳とのことです。 個人差が結構あると思いますが、16歳を過ぎても初経が来ない場合は、婦人科受診をしたほうが良いと思います。②月経不順 初経を迎えても、数年間はホルモンが不安定であり、月経不順となりやすいです。 また思春期ぐらいから、ダイエットを意識しだす年頃だと思いますが、あるいは、かなり積極的な部活動生活に伴い、急激な体重減少を生じ月経不調をきたすことがあります。 そのため、月経周期が短かったり、3ヶ月以上月経が来なかったり、また出血が一週間以上続いたりして日常生活に困ることもあります。 また、修学旅行や受験などを控えていて月経移動をご希望をされる場合も、ご相談受けることができると思います。③月経困難症 月経困難症とは、月経に伴い、出血が特に多い頃に生じる、周期性の下腹部痛や腰部痛、腹部膨満感、嘔気、またいらいら、憂うつなどのことです。初経後3年以内に発症し、年齢とともに次第に軽快していくことが多いようです(大人でも月経困難症の方も少なくないですが。)。 原因としてホルモンの分泌が多いことによる子宮筋の過収縮や血管の攣縮、子宮の発育不全や子宮口が狭いなど月経血通過時の物理的な神経刺激が考えられます。また、月経に対する不安や緊張などの心理的ストレスも一因となるようです。 などです。 お母様と一緒に受診される方が最近増えていきたなあと感じております。 もし女性医師の診察をご希望の方は、外来表をご確認されてからご来院して下さい。 必ずしも内診台での診察が必要としないこともあります。腹部超音波検査で対応できる場合もありますので、あまりご心配せずにご相談して下さい。 院長 今野 秀洋(参考文献) 1.福岡 秀興ら;10代の過度のダイエットに警告を;母性衛生;45巻1号;学3-8;2004 2.戸田稔子ら;当科における思春期女性受診者の臨床的検討;思春期学;16;319-323;1998 3.丸山 史ら;摂食障害患者と無月経 BMIを指標とした予後調査より;思春期学;18巻1号;177-181;2000 4.宮崎 美千子ら;青年期女子の低体重についての考察;聖母大学紀要;6;29-35;2010 5.宮崎 美千子ら;女子大学生における低体重の現状;CAMPUS HELTH;41巻2号;57-62;2004 6.辻岡 三南子ら;女子高校生における続発性無月経;慶應保険研究;21巻1号;27-31;2003 7.岡野 浩哉;低エストロゲン性無月経と薬剤選択;骨粗鬆症治療;11巻2号;45-51;2012 8.望月 善子;思春期月経困難症―心とからだの視点から;日エンドメトリオーシス会誌;35:107-110 ;2014 9.神崎秀陽編;婦人科内分泌外来 ベストプラクティス;医学書院 10.百枝 幹雄編; 基礎からわかる女性内分泌;診断と治療社 11.日本女性医学学会編;女性医学ガイドブック 思春期・性成熟期編 2016年度版;金原出版