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40歳を超える方の出産のお話
40歳を超える方の出産のお話
最近、生活様式の変化や晩婚化、不妊治療の進歩(2020年に体外受精で生まれた子どもの割合は、13~14人に1人だそうです。)により35歳以上の高齢妊娠・出産が増えています。
そして、40歳以上のご出産も増加しております。
当院では、40歳以上のご出産が昨年全体の4.7%(そのうち4人に1人が初産)を占めていました。
高齢出産は様々のリスクがあると言われています。
大阪の施設からの報告があります。
2017年1月1日から2020年12月31日までの4年間の初産1690例を調査しています。
年齢があがるにつれて、経腟分娩率が低下し(帝王切開率が上昇し)、誘発分娩となりやすく、吸引分娩といった補助が必要となりやすいようです。
分娩時間が長くなりやすく、出血も多くなりやすいことがわかりました。
また、日本全国で調べた2005年4月から2011年12月までの365417人を調べた報告もあります。
この調査では、30-34歳の方と35-39歳、40-44歳、45-49歳とで比較しています。
この研究でも年齢があがるにつれて、帝王切開、緊急帝王切開、妊娠高血圧腎症、前置胎盤、早産、小さめの子が生まれることが増えることがわかりました。
40歳を超える妊娠・出産はトラブルが発生する可能性がいくらかありそうです。
当院では、その方々の背景にあわせて管理をしていきたいと思っております。
院長 今野 秀洋
(参考文献)
- 三枝遥ら;日本周産期新生児医学会雑誌;58;2;263-267;2022
- Ogawa K, et al.;Association between very advanced maternal age and adverse pregnancy outcomes: a cross sectional Japanese study.; Pregnancy Childbirth;10;17(1):349; 2017